『山猫は眠らない』(米, 100min, 1992[公開は1993], amazon.co.jp
 SNIPER


米国海兵隊のヴェテラン狙撃者〔スナイパー〕トーマス・ベケット上級曹長トム・ベレンジャー)の作戦行動を描いた映画。原題は "SNIPER"。


お上の命をうけて暗殺するターゲットは、麻薬組織と手を組んでパナマ大統領選挙に乗り出そうとする将軍アルバレス


ベケットの相棒をつとめるのは、エリート軍人リチャード・ミラー(ビリー・ゼイン)。狙撃の腕はオリンピックのメダル級だが、実戦では人を撃ったことがない。しかもこの作戦では、ベケットの上官で、現地の状況変化におうじて行動するベケットに対して「それは与えられた作戦指示とちがう」と衝突する頭でっかちとして描かれる。


映画はこの二人による作戦遂行の過程を追うのだけれど、なにしろ作戦が狙撃による暗殺だけに、ひたすら隠密行動の連続。いわゆる派手なアクションは少ないのだが、それを断念することによってこそ可能な緊張感の持続がこの作品の魅力になっている。


ベケットとミラーの対立、かつてベケットが鍛え上げ、いまは敵対勢力に寝返っている元部下による追跡、武装した護衛兵にまもられ要塞化した家屋での困難を極める狙撃。遠くから己の存在を察知されることなく、一方的に相手を視ることで目的を達成する狙撃というシチュエーションの縛りを最大限に活かす数々の工夫があり見飽きない。続編もあるらしい(未見)。


allcinema online > 『山猫は眠らない』
 http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=23824