★貴田庄レンブラントと和紙』(八坂書房、2005/02、amazon.co.jp)#0375*


オランダの画家レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン(Rembrandt Harmenszoon van Rijn, 1609-1669)は、油彩作品のほかに、多数の銅版画、素描を残している。


本書の著者は、1968年/1969年に日本で開催されたレンブラント展を観た壽岳文章(じゅがく・ぶんしょう, 1900-1992)がしたためた次の文章に導かれてレンブラントが使った和紙について研究を深めたのだという。

かれ(レンブラント)が和紙の美しさと特質に心ひかれ、エッチングにスケッチに、いちはやく和紙を使っていることを、最近日本で開催されたレンブラント展で、私はこの自分の目でたしかめた。エッチングだけでも三百点以上にのぼるといわれるかれの作品のうち、用紙の何割がどんな種類の和紙であるかをつきとめる作業は、日本の美術史家に課せられたこれからの興味ある作業であろう。

『和紙の旅 時と場所の道』、ただし引用は『レンブラントと和紙』、16ページより)


西洋と日本の紙の比較や、和紙舶来の条件である日蘭貿易などにも筆が及び、日本でつくられた数葉の紙片がいつごろどのようにしてオランダの画家の手元に届いたのか、内外の資料からその過程を推測する一冊。図版多数。


⇒八坂書房 > 『レンブラントと和紙』
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 同書の紹介、詳細目次など


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