『フリースタイル』創刊号(フリースタイル、2005/06、amazon.co.jp


山上たつひこ『喜劇新思想大系  完全版』復刊、松本大洋吉田戦車片岡義男の作品を中心に書目を増やしつつある出版社フリースタイルから、同名の雑誌が創刊。


山田宏一氏が青山学院大学で行った講義「映像文化論」のテキスト山田宏一の「映画教室」」読みたさに手にとる。第一回は「映画史——前史(1) それはプラトンの「洞窟の比喩」からはじまる」と題して映画史の画期と講義の概要を述べる。


同誌の主な内容は、対談(座談)による音楽、マンガ、小説、映画、演劇紹介。といっても、各ジャンルの最新情報を届けるというものではなく、なにかを網羅するというのでもなく、論者たちが好きなものを好きなようにかたるというゆるいスタイルを採っている。


たとえば音楽は片岡義男氏と小西康陽氏が「僕らのヒットパレード」と題して好きなレコードを持ち寄り、それを肴にしゃべっている。どれも神保町あたりの喫茶店にいると隣の席から聞こえてきそうなおしゃべりでたのしいのだが、ときどき、「自分はこの雑誌にお金(定価640円)を出して読んでいるんだよな」という気分がどこかからわいてくるのはどうしてか。


⇒フリースタイル
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