★蓮實重彦+山根貞男編『成瀬巳喜男の世界へ』(リュミエール叢書36、筑摩書房、2005/07、amazon.co.jp)
今年2005年は、映画監督・成瀬巳喜男(1905-1969)の生誕百周年にあたる。この節目を記念した各種特集上映やDVDボックスセット(東宝)のリリースなどが企画されるなか、筑摩書房の映画叢書「リュミエール叢書」では、中古智+蓮實重彦『成瀬巳喜男の設計——美術監督は回想する』(1990/07、amazon.co.jp)につづく二冊目の関連書として、『成瀬巳喜男の世界へ』を刊行。
小津安二郎、溝口健二、黒沢明との比較においてではなく、世界的な視線のもとに、寡黙な表情の向こうに拡がる豊かな作品世界を多角的に論じる力作論考、身近に仕事をともにしたスタッフ、キャストのインタヴュー、成瀬に親愛を感じてきた映画監督たちのエッセイを収録する。
二〇〇五年の成瀬巳喜男―序にかえて(蓮実重彦)
視線と空間の劇―成瀬巳喜男の戦中について(山根貞男)
寡黙なるものの雄弁―戦後の成瀬巳喜男(蓮実重彦)
成瀬について(ジャン・ドゥーシェ)
成瀬巳喜男におけるさまざまな移動―日本を縦断して(ベルナール・エイゼンシッツ)
シネマの中にいる他人―最後から三番目の成瀬巳喜男(藤井仁子)
紗が降りる―成瀬巳喜男の中心(常石史子)
ニューヨークのキミコ(大久保清朗)
…成瀬さんは、とても剽軽な方だなと思いました(岡田茉莉子)
成瀬さんの本領は、一歩歩いて振り返る、独特の振り返りのポジションですね(玉井正夫)〔ほか〕
(紀伊国屋書店データベースの紹介文より)
同書については、手にとってから改めて詳しくメモランダムをつけてみたい。
⇒東宝 > 成瀬巳喜男生誕100周年
http://www.toho.co.jp/naruse/welcome-j.html
⇒amazon.co.jp > 『成瀬巳喜男 THE MASTERWORKS 1』(東宝)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0000XB5OC/tetugakunogek-22
『めし』『浮雲』『娘・妻・母』『乱れる』『女の中にいる他人』を収録。
⇒amazon.co.jp > 『成瀬巳喜男 THE MASTERWORKS 2』(東宝)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0000XB5NS/tetugakunogek-22
『山の音』『流れる』『女が階段を上がる時』『放浪記』『乱れ雲』を収録。
DVDとしては、角川エンタテインメントから『稲妻』(amazon.co.jp)と『あにいもうと』(amazon.co.jp)が2005年5月にリリースされている。