イェスパー・ユール『ハーフリアル』読書会のためのメモランダム #08

読書会での報告準備として、イェスパー・ユール『ハーフリアル』(松永伸司訳、ニューゲームズオーダー)の第2章「ビデオゲームと古典的ゲームモデル」を読んだメモを公開しています。


■メモランダム8.第2章の構成(小休止)

以上で、第2章の最初の節を読み終えた。

ここまでのところ、ユールは、これから行うはずのゲームの定義について、前もっていくつかの確認を行っている。この定義はどんな範囲をカヴァーするのか、定義はどうあるべきか、定義することにはどのような意味があるのか、など。

同節には、見出しはついていないが、これを仮に「2-1.はじめに」と名付けると、第2章は、次のような構成になっている。なお、一部を除いてユール自身は、見出しに番号を振っていない。番号はあくまで、便宜的に私が勝手につけたもの。(はじめに書いておくべきだった……)

 

2-1.はじめに(37-41ページ)

2-2.言葉の問題(41-42ページ)

2-3.先行の定義論(42-50ページ)
(1)はじめに
(2)ルールと結果
(3)目標と争い
(4)自発性
(5)分離と非生産性
(6)効率のよくない手段
(7)フィクション
(8)社会的な集団形成
(9)ゲームとプレイヤー――目標についてもう少し考える
(10)分離と非生産性――取り決め可能な帰結

 

以上は、第2章の準備パートのようなもので、先行研究におけるゲームの定義を検討している。今回の読書会で、私の担当はここまで。以下は、今井晋さんのご担当。以下では、先行研究の検討を踏まえてユール自身のゲームの定義「古典的ゲームモデル」を提示している。その上で、「古典的ゲームモデル」で収まらないヴィデオゲームが考察されるという段取り。

 

2-4.新しい定義――ゲームの6つの特徴(50-59ページ)
(1)はじめに
(2)ルール
(3)可変かつ数量化可能な結果
(4)結果に対する価値設定
(5)プレイヤーの努力
(6)結果に対するプレイヤーのこだわり
(7)取り決め可能な帰結

2-5.ゲームの境界について(59-61ページ)

2-6.物としてのゲームと活動としてのゲーム(62-63ページ)

2-7.ゲームの事例(63-66ページ)
(1)はじめに
(2)チェッカー
(3)サッカー
(4)『Battlefield 1942』
(5)境界事例――『SimCity』

2-8.媒体横断的なゲーム(66-72ページ)
(1)はじめに
(2)実装と翻案
(3)ゲームの実装――領域間の対応づけ

2-9.古典的ゲームモデルの限界(73-75ページ)

 

さて、読書会は7月17日(月)なので、それまでに少なくとも担当箇所を同様に精読し終えなければならない。さらには配布用のレジュメをこしらえるので2日前くらいには読解作業を終えておきたい。

ということは、もう少しペースを上げねばなるまいて。 

 

■関連リンク

⇒日曜社会学 > 「イェスパー・ユール『ハーフリアル』読書会」
 http://socio-logic.jp/events/201706_Half-Real/

 

■関連文献

ハーフリアル ―虚実のあいだのビデオゲーム

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Half-Real: Video Games between Real Rules and Fictional Worlds (MIT Press) (English Edition)

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