蒐書録#021:マイケル・W・クルーン『ゲームライフ――ぼくは黎明期のゲームに大事なことを教わった』ほか

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★Rebecca L. Walkowitz, Born Translated: The Contemporary Novel in an Age of World Literature (Columbia University Press, 2017)

 かつてに比べて、ある言語で刊行された小説が、他の言語に翻訳されるまでの時間がぐっと短くなっている現在、文学(本書では特に小説に注目している)は、はなから翻訳されるものとして存在するようになった(もちろん全ての小説が翻訳されるわけではないけれど)。実際にはどういう状況なのかを考察してみようという本。

 

★マイケル・W・クルーン『ゲームライフ――ぼくは黎明期のゲームに大事なことを教わった』(武藤陽生訳、みすず書房、2017/10)

 Michael W. Clune, Gamelife: A Memoir (2015)

 ゲームで遊ぶとはどういうことか、それはどういう経験なのか。ああ、こんなふうにも書けるのですね。デイヴィッド・サッドナウが『ポン』をマスターするまでの経験をつぶさに記した『ミクロの国の放浪者』という、これまた愉快な本があるけれど、それとも通じるゲームプレイ経験の記述です。

 

★ジェニファー・ダウドナ+サミュエル・スターンバーグ『クリスパー――究極の遺伝子編集技術の発見』(櫻井祐子訳、文藝春秋、2017/10)

 Jenifer A. Doudna and Samuel H. Sternberg, A Crack in Creation: Gene Editing and The Unthinkable Power to Control Evolution (2017)

 

★東浩紀編『ゲンロン6.5』(ゲンロン、2017/10)

 ゲンロン友の会会員のための特別増刊号(書店での販売はない)。吉川浩満くんと「ゲンロンβ」に連載している「人文的、あまりに人文的」の第6回が再録されました(写真つき)。

 

★日下三蔵編『日本SF傑作選2 小松左京』(ハヤカワ文庫JAク7-2、早川書房、2017/10)

 目下楽しみにしているシリーズの第2弾。第1弾は筒井康隆。第1期は全部で6巻の予定。

 

★礒崎新『空間へ』(河出文庫い39-1、河出書房新社、2017/10)

 1971年に美術出版社から、1997年に鹿島出版会から刊行された本の文庫化。

 

★『シェイクスピア全集29 アテネのタイモン』(松岡和子訳、ちくま文庫し10-29、筑摩書房、2017/10)

 

★レオ・ペルッツ『アンチクリストの誕生』(垂野創一郎訳、ちくま文庫へ13-1、筑摩書房、2017/10)

 Leo Perutz, Herr, erbarme dich meiner! (1930)

 編集=藤原編集室

 

★『ヴァレリー文学論』(堀口大學訳、角川文庫、1989/11)

 

★日下三蔵編『今日泊亜蘭 海王星市から来た男・縹渺譚』(創元SF文庫き1-1、東京創元社、2017/10)

 

★Herausgegeben von Herbert Uerlings, Theorie der Romantik (Reclam, 2013)

 ロマン主義の理論アンソロジー。