講演「天文学の文体」

2018年11月11日(日)は、印刷博物館で「天文学の文体」と題した講演をしました。お越しいただいたみなさま、ありがとうございました。

これは同館で開催中の「天文学と印刷」展の関連イヴェントです。

もし、私たちが天文学や自然科学などの知識を一切持っていなかったら、太陽や月の動きを、夜空の星を見て、これをなんと捉えるか。そういう問いかけから始めました。

例えば、毎朝東から登って西へと沈んでゆく太陽を見たら、理屈はともかくとして、「太陽が動いている」と感じるでしょう。これを見たままに理解しようとすれば、いわゆる天動説となります。私たちは、知識として地動説が正しいことを知っていますが、経験や直感とは必ずしも一致していないわけです。

同じように、太陽や月や星を肉眼で見て、その正体はなんだと考える場合、どういう発想になるか。そんなことを考えてみたいと思ったのです。

そこで、虚心坦懐に先哲たちが、天体現象をどのように見て、記述したのかを眺めてみようという次第。アリストテレス『天について』、コペルニクス『天球回転論』、ガリレオ・ガリレイ『星界の報告』を材料として、そこになにがどのように書かれているかという文体の観点から読んでみました。また、彼らが文章に添えた図もたいへん重要な役割を担っていました。その図はなにを表しているのかを、これもまた検討してみたのでした。

以下、印刷博物館のツイッターアカウントが投稿した当日の様子を伝えるツイートを引用してみます。

 

 

 

同展の図録に「天文学の文体」というエッセイを寄稿しております。

 

「天文学と印刷」展は、2019年01月20日まで開催中。

 

⇒印刷博物館 > 同展ページ
 https://www.printing-museum.org/exhibition/temporary/181020/