『世界文學』創刊号(1946)

『世界文學』(世界文學社)という雑誌の創刊号から第37号までを手に入れた。

どうやら第38号が終刊号のようだ。

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発行したのは、世界文學社という京都の版元。

整理がてら、書誌をここに記していこう。

今回は、創刊号について。

 

目次は以下の通り。

・アンドレ・ジイド「架空のインタヴユー」(伊吹武彦訳)

・エルンスト・トラー「ドイツの一青年」(和田洋一訳)

・織田作之助「夫婦善哉後日」

・リルケ「恋する女」〔岸田晩節訳〕

・座談会「戦争中海外作家の動向」(伊吹武彦、大山定一、清水光、新村猛、和田洋一、菅泰男)

・恒藤喬男「日本の作家たち」

・ルカツチ「ゾラとリアリズム」(長崎廣次訳)

・清水光「アメリカの現代文化」

・ジェームズ・A・フアーレイ「アメリカの真髄」〔訳者不明〕

・菅泰男「イギリスの三十年代作家」

・「新作アメリカ映画」

・「ソ連の新しい音楽」

・「ピンナツプストリー」

 〔〕は、目次に表記のない要素を、本文から山本が挿入したもの。上記の他、目次にはないが、「お薬味」という埋め草のような小咄、「アメリカの声」「新刊通信」「編集者のことば」などがある。

 

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表紙には La Nouvelle Revue Française (Juin, 1940)の書影があり、表紙の裏に解説が記されている。以後、毎号表紙には、海外の文芸誌の書影が掲げられているようだ。

 

最終ページには、以下の記載あり。

 

昭和21年4月号

昭和21年4月10日印刷

昭和21年4月15日発行

定価金4円(税共)

京都市寺町通錦ビル世界文學社内 編集発行者 柴野方彦

京都市中京区二条通堺町東入 印刷者 河北喜四良

京都市左京区浄土寺南田町108 印刷所 河北印刷工業所

発行所 京都市中京区寺町通錦ビル 世界文學社

会員番号 A214032

 

「編集者のことば」によれば、次号から伊吹武彦が責任編集とのこと。