『文学問題(F+f)+』(幻戯書房)刊行記念ブックフェア「文学とは感情のハッキングである」のレポート第3弾は、ブックファースト新宿店です。12月3日にお邪魔して参りました。
(写真1.入り口)
このブックファースト新宿店は、モード学園コクーンタワーというビルに入っているのですが、そのビルの形状にあわせて、たいそうユニークな形をしています。
(図はブックファースト新宿店のサイトよりリンク)
先ほどの写真1は、この地図でいうと⑤に近い入り口を撮影したものでした。
私ははじめ、入り口から入って⑤のあたりを右手へ抜けて、赤いゾーンから右端のオレンジのゾーンを目指しました。というのも、オレンジゾーンの②の辺りに文芸コーナーがあるからです。
見てみると、文芸批評関連の棚に『文学問題(F+f)+』もありました。棚から棚へと、ブックフェア台はどこかしらと探し歩くも見つからず、目に入った「100分 de 名著」の『ソラリス』を見つけて手にとり、ついでながらまだ入手していなかった岩波文庫11月の新刊全冊を棚から抜いて、本を抱えてうろうろ。
どうやら文芸棚にはなさそうだと分かり、来た道を戻って今度は赤いゾーンから左端の黄色いゾーンへと移動しました。
ここは人文書や芸術書などのコーナーです。人文書の新刊棚に『文学問題(F+f)+』も置いていただいており、その反対側にありました。
(写真2.ブックフェアコーナー)
写真上部にも拙著が積まれてあるのですが、お客さんが写っていたのでトリミングしております。
上のほうはこんな具合です。
(写真3.リーフレット)
この右隣には美術書やデザイン書の棚があり、そこではばるぼらさんによるブックフェアが開催中でした。
ばるぼらさんと野中モモさんによる『日本のZINEについて知ってることすべて――同人誌、ミニコミ、リトルプレス―自主制作出版史1960~2010年代』(誠文堂新光社)の関連ブックフェアでしょうか。これは『アイデア』の連載をもとにつくられた本で、書名の通りこの50年ほどの日本のZINEをこれでもかと載せているものすごい本です。
ブックファースト新宿店に訪れるたび、私の脳裏ではウンベルト・エーコの書斎の映像が思い出されます。
迷宮のような書棚の森のなかをさまようような感覚です。場所によってゆるやかなカーヴを描く棚の形もあいまって、だんだんとどこにいるのか分からないような、見当識が失われるような気がするのは、私が方向音痴なこともありますが、先ほどお目にかけたフロアマップの形からもご想像いただけるかもしれません。ここに90万冊ほどの本があるとのことで、ちょっとやそっとでは見切れないわけです。
また、フロアのそこかしこに不定形の棚といいますか、円柱状に配置されたおすすめ本があったり、「名著百選」のコーナーがあったりして、歩いていると目にうつる景色が形を変えるようでもあります(私はその感覚が好きです)。
その「名著百選」は12月3日がちょうど最終日のようでした。私は、古賀弘幸さんの『文字と書の消息 ――落書きから漢字までの文化誌』(工作舎)を推薦したのでした。あるかなと思って探してみたら、品切れの札がついておりました。
そうそう、2016年の夏に『「百学連環」を読む』(三省堂)を刊行した際には、ブックファースト新宿店で刊行記念イヴェントとして竹中朗さんとの対談を行ったのでした。
ちなみにかつて魔術書を探して読んでいたら、見知らぬ人から「ひょっとして魔方陣とか描きますか」と尋ねられたのは、ブックファースト渋谷店(ビル丸ごと店舗だった折)でした。そういう意味でも忘れがたい書店であります。
いつもお世話になっています。
⇒ブックファースト
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