おしらせ

★書籍

山本貴光+吉川浩満『人文的、あまりに人文的――古代ローマからマルチバースまでブックガイド20講+α』(本の雑誌社、2021/01/22)

山本貴光『記憶のデザイン』(筑摩選書、筑摩書房、2020/10/15)

山本貴光『マルジナリアでつかまえて――書かずば読めぬの巻』(本の雑誌社、2020/07/31)

山本貴光+吉川浩満『その悩み、エピクテトスなら、こう言うね。――古代ローマの大賢人の教え』(筑摩書房、2020/03/14)

ケイティ・サレン+エリック・ジマーマン『ルールズ・オブ・プレイ――ゲームデザインの基礎』(全4分冊、山本貴光訳、ニューゲームズオーダー、ユニット1:2019/03/17、ユニット2:2019/0511、ユニット3:2019/07/28、ユニット4:準備中)【翻訳】

 

★連載中

・「マルジナリアでつかまえて」(『本の雑誌』)

・「季評 文態百般」「文芸的事象クロニクル」(『文藝』) 

「世界の文芸誌から」(「Web本の雑誌」)

・「『本を読む本』を原書で読んでみる」(『手のひら』)

今野真二+山本貴光「知識の沼――ことばで巨人の肩にのる」(「Web河出」)

「岩波文庫で読む「感染症」」(note「コロナの時代の想像力」、岩波書店)

「ゲームを遊ぶとき何が起きているのか」(「晶文社スクラップブック」)

 

★講義の予定

・共生ゼミ(立命館大学大学院 先端研)

・デジタル・ゲーム学(和洋女子大学)

・ゲーム講座(月2回)

 

★イヴェントの予定

・開催が近づいたらお知らせします。

はやく言ってよ、仮想デスクトップ

昔、なにで読んだのだったか、井筒俊彦さんが自宅で本を読むとき、ここはアラビア語、こっちはロシア語と、言語ごと(あるいは本ごと)に別の場所に置いているという話を目にして、それはいいアイデアだなあと思ったことがあった(うろ覚えなので偽記憶かもしれない)。

最近、パソコンで複数種類の仕事を並行して皿回しのように進めながら、「ああ、デスクトップも井筒さんの机のように場所ごとに別の仕事を割り振れるといいのにな」と思い、そういうツールは誰かつくっているに違いないと探してみたところ、Windows10には「仮想デスクトップ」という仕組みが備わっていることをいまさらながら知ったのだった。灯台もと暗しとはこのことか。

「仮想」という名称があまり気に入らないのは措くとして、要するにデスクトップを複数つくり、操作によってディスプレイに表示する対象を切り替えられるという仕組みである。

例えば次のような操作がある。

Windows+ctrl+d:仮想デスクトップを作成する。

Windows+ctrl+←あるいは→:作成済み仮想デスクトップを切り替える。

Windows+tab:現在存在している仮想デスクトップの一覧を表示する。

そういえば、Windows3.1のころから、OSの操作法やマニュアルというものを読んだことがなく、OSに用意されている機能を十分に使わないどころか、どんな機能があるのかも弁えないまま使ってきたツケがこういうところで回ってきたのだろうか違うか。

それはさておき、これからしばらく仮想デスクトップを試してみようと思う。

というのも、仕事ごとに開いておきたいツールやサイトがあって、これを一つのデスクトップでやると、単なる混沌の渦となり、毎回片付けたり切り替えたりするのが手間なのだった。

例えばいまなら、大学の仕事用、各種連載、翻訳、執筆など、仕事ごとにデスクトップを分けてみたい。

使う前に懸念されることがあるとすれば、いま画面に表示している以外のデスクトップの存在を忘れてしまうことだろうか。画面のどこかに常に他の仮想デスクトップの存在を知らせる表示があるとよいと思う。これまた、どなたかがそういうツールをつくっているのではないかと期待している(他力本願)。

「公開加圧」の効能

 このところ、「公開加圧」を試している。

 「公開加圧」とは、三中信宏さんの『読む・打つ・書く』(東京大学出版会)で教えられた、ものを書き進めるための方法のこと。

 以前から三中さんがTwitterで実践しておられるのを目にしてはいたのだけれど、同書でその考え方や具体的な例を読んで、自分でも試してみようと思い立ったのだった。『読む・打つ・書く』は、読む人を「焚きつける」本で、私もすっかりその気になったというわけである。

 詳しくは同書に譲るが、「公開加圧」とは、書き物などの仕事について進捗を公開することで、自分に圧をかけるという発想。

 例えば、つい最近私がTwitterに投稿したのはこんな具合。

 「公開加圧」としては、1行目の「[書き物] 連載B-1:3100(計4413字)完成」に意味がある。残りは、なんとなくそのつどおまけのように書いている雑談で、こちらはあまり意味がない。

 私は1日の終わりに、その日書いた字数を原稿ごとにカウントしてまとめてツイートしている。三中さんのように書いたその場でツイートというやり方もある。

 このツイートは、当人にしか意味がない。

 上記のようなツイートを目にしても、他の人にとってはよく分からないだろうし、「ふーん」てなものである。そしてそれで構わない。

 他の誰もそのツイートを見ていないとしても、ツイートする側としては、Twitterという第三者の目がある場所に自分の進捗を投稿することで、「人目にさらしている」という意識が生じる。この意識を生じさせるための「公開加圧」なんである。

 先に触れた三中さんの本で、その効能が説かれていて、「現にほら、この本もこうして書かれたわけですよ」という意味の具体例も提示されている。それで、自分でもものは試しとやってみた。

 最初はそうはいっても、実際にどんな効果があるのか、まだ分かっていなかった。

だが、1週間、2週間と続けるうちに、ものを書くことについての意識がかなり変わった。何が変わったと感じているかを、少し書いてみたい。

1) 字数を意識するようになった

 それまでは、依頼を受けた原稿で文字数を指定されている場合などに、その上限字数を気にすることはあっても、自分が今日何文字書いたかを考えることはなかった。目標字数に近いかどうかだけ意識していた。

 「公開加圧」を始めてから、日々自分が書いた文字数を意識する習慣ができた。というのは「公開加圧」のツイートに書くために、原稿ごとの字数を確認するからだ。

 字数を意識すると、たとえそれが小さな数字であっても、着実に前進しているという感覚が生じる。仮にあとで書いたものを捨てることがあるにしても、進んでいるという感覚は結構大事だと思う。

2)日々の時間の使い方が変わった

 それまでは、締切が近いものがあると、わーっと集中して書いて、終わるとぼけーっとする。ということを繰り返していた。つまり、夏休みの宿題を最終日にやる子供のような仕事ぶり。

 「公開加圧」を始めてから、日々の限られた時間を見つけて、少しずつでも書く習慣がついた。目下は大学に所属しており、そちらが主な仕事ということもあって、物書きや翻訳は、主業務のあいまのスキマ時間に行っている。

 以前なら、「締切前になんとかまとまった時間をつくって一気に片付ける」という短期決戦型の発想をしていたところ、「次の会議まで30分。ちょっとあれを書き進めておこう」てなもので、数百文字でもできるときに進めるという意識になっている。結果的に仕事の時間にメリハリがついたりもする。

3)執筆以外の意識も変わった

 なんだか冗談みたいだが、「公開加圧」で物書きの進捗を意識するようになってから、ものを読むことについても同様に考えるようになってきた。これについては、また別途書いてみることにしよう。

 というわけで、「公開加圧」の効能についていくらか書いてみた。

 詳しくは、三中信宏『読む・打つ・書く』(東京大学出版会)でどうぞ。

www.utp.or.jp

 

「晶文社スクラップブック」で新連載

晶文社のサイト「晶文社スクラップブック」で連載を始めました。

「ゲームを遊ぶときに何が起きているのか」というタイトルです。

タイトルの通りで、ゲームで遊ぶ経験についてああでもないこうでもないと考えたことを書いて参ります。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

s-scrap.com

「知識の沼――ことばで巨人の肩にのる」第7回

「Web河出」で連載中の今野真二さんとの往復書簡「知識の沼――ことばで巨人の肩にのる」第7回を書きました。今回は山本の番です。

ヨーロッパで営まれた「手紙の共和国」(学問の共和国、文芸の共和国とも)などについて述べております。

 

web.kawade.co.jp

「岩波文庫で読む「感染症」」第6回

岩波書店のチーム「なみのおと」が運営するnote「コロナの時代の想像力」で連載をしています。

「岩波文庫で読む「感染症」」第6回は、「見えないものから森羅万象を考える」と題して、ルクレーティウスの『物の本性について』を取り上げております。

古代ギリシアに端を発する原子論を受け継ぎ、森羅万象を原子論によって説明しようとするルクレティウスの世界観において、病気や感染症はどのように扱われているでしょうか。

また、同書を愛読した寺田寅彦についても少し触れています。

 

note.com

「世界の文芸誌から」第3回

「WEB本の雑誌」で連載中の「世界の文芸誌から」の第3回を書きました。

「「世界」とはどこのこと?」と題して、戦後間もない1946年に京都で創刊された『世界文學』という雑誌について、もそっと詳しく眺めております。

 

www.webdoku.jp