おしらせ

★新刊

山本貴光『記憶のデザイン』(筑摩選書、筑摩書房、2020/10/15)

山本貴光『マルジナリアでつかまえて――書かずば読めぬの巻』(本の雑誌社、2020/07/31)

山本貴光+吉川浩満『その悩み、エピクテトスなら、こう言うね。――古代ローマの大賢人の教え』(筑摩書房、2020/03/14)

『わたしの外国語漂流記――未知なる言葉と格闘した25人の物語』(河出書房新社、2020/02/19)【寄稿】

荒木優太編著『在野研究ビギナーズ――勝手にはじめる研究生活』(明石書店、2019/09/01)【寄稿】

ケイティ・サレン+エリック・ジマーマン『ルールズ・オブ・プレイ――ゲームデザインの基礎』(全4分冊、山本貴光訳、ニューゲームズオーダー、ユニット1:2019/03/17、ユニット2:2019/0511、ユニット3:2019/07/28、ユニット4:準備中)【翻訳】

 

★連載中

・「これが示したいことだった」(『数学セミナー』)

・「マルジナリアでつかまえて」(『本の雑誌』)

・「季評 文態百般」「文芸的事象クロニクル」(『文藝』) 

・「世界の文芸誌から」(「Web本の雑誌」)

コミットについてコミットできない

これはあくまで私の場合だが、「コミット」という言葉をうまく使える気がしない。そこで、自分では滅多に使わない言葉である。いまのところそれで困ったことはない。

ただ、ゲーム会社その他での打ち合わせなどで、しばしば人が使うのを耳にする。

「山本さんには、この部分にコミットしていただきたい」

「この件に積極的にコミットしてください」などなど。

そのたび、「英語辞典のcommitの項目にはけっこういろいろな意味が載ってるけど、この人はどういう意味で使っているのだろう」と思いつつ、たいていはどうやら「関わる」というくらいの意味で使われているようなので、とりたてて尋ねずに終わるのだった。

近頃読み始めた哲学方面の翻訳書で、冒頭近くに何度か「コミット」や「コミットメント」という言葉が現れる。そこでの commit(ment)は、「関わる」と言い換えるだけでは済まないようで、こうなるともう少し真面目に検討する必要がある。

例えば『ランダムハウス英和大辞典』でcommitを引くと、次のような項目が載っている(ただし、文中の前置詞の表示は省略した)。 

v. t.

1

(1)〈人・物・事を〉(人(の世話)などに)任せる,委任する,委託する

(2)〈人を〉(法的に)(施設に)ゆだねる,引き渡す,収容する,収監する;〈人を〉精神病院に入院させる;〈人を〉上級裁判所に送る

(3)〔議会〕 〈法案などを〉(審議のため委員会に)付託する

(4)(古) (神に)〈魂を〉(保護を求めて)ゆだねる 

(1)〈考えなどを〉(…に)とどめる,書き留める

(2)〈物を〉(処理・処分のために)(…に)ゆだねる,引き渡す,〈物を〉(…で)処分する

 

3 (再帰的) (問題・質問に対して)自分の立場[意志]を明らかにする[表明する,明言する]

 

4 (再帰的または受身) 〈自分自身を〉(約束などで)拘束する,(道義的・法律的に)身を縛る,(行動を)必ず果たすと誓約する;必ず(…すると)誓う;(事に)かかわり合いになる,専心する;コミットする

 

5  〈犯罪・過失などを〉犯す

 

6 〈金・時間などを〉(…に)充てる

 

7 〈軍隊を〉(…へ)戦闘のために送り出す,投入する

 

8 (文語) 〈名誉などを〉(疑惑を招くようなことをして)危うくする.

 

v.i.

1 (…を)約束する,誓う

 

2 (古) 投獄する.

 

3 (廃) (不倫などの)過ちを犯す.

おそらく、他動詞の3や4あたりの意味で使われているのだと思う。ただし、文面からはそうとばかりも限らないようにも読めたりするので、なかなかややこしい。

 

他方で、詳しい説明は省くけれど、プログラムのヴァージョン管理をするツールのGitにもcommitというコマンドがある。この場合は、他動詞の2番目の語釈にあたるので、特に紛れはないのであった。

 

イスラーム地域研究資料室

イスラーム地域研究資料室

公益財団法人東洋文庫イスラーム地域研究資料室(TBIAS)とは、人間文化研究機構(NIHU)が推進するネットワーク型地域研究プログラムである「イスラーム地域研究」(2006年~)の拠点の一つです。当拠点は、「イスラーム地域研究史資料の収集・利用の促進と史資料学の開拓」を研究テーマとし、現地言語資料の収集、文献情報ネットワークの構築、文書史料による比較制度研究の3つの事業を、他の研究機関やグループと連携して進めています。2011年からは活動の第2期に入り、「イスラーム地域研究史資料ネットワークの構築」という研究課題に取り組んでいます。

tbias.jp

同サイトにある「世界のイスラーム写本デジタルライブラリーリンク集」

tbias.jp

 

先端研のイヴェント「研究をデザインする」

これは事後報告(あるいは備忘)です。

2020年11月17日(火)の13時から、立命館大学大学院先端総合学術研究科主催のイヴェントで、小川さやかさん、千葉雅也さんとお話ししました。

テーマは「研究をデザインする:三人の方法」。

Zoomを使ったウェビナー(ウェブによるセミナー)で、事前に申し込みいただいたみなさんに聴講していただくかたちでした。

それぞれ、どうやってものを書くようになったか、どのようにものを読んだり書いたり考えたりしているか、といった、普段なかなか知る機会のない話を聴いたり、めったに見る機会のないノートも見せてもらえて、こういう話をもっと聴きたいと思いました。

多数のご質問もありがとうございました。

 

www.r-gscefs.jp

吉川浩満くんとの対談@「週刊読書人」

「週刊読書人」2020年11月13日号に、吉川浩満くん(@clnmn)との対談が掲載されました。

テーマは「「日本学術会議任命拒否」問題を考える」です。

これは、10月23日にYouTubeチャンネル「哲学の劇場」で公開した動画をもとに加筆・編集を加えたものです。企画・構成・司会は、「週刊読書人」の野村ななみさんです。

 

★「週刊読書人」

dokushojin.stores.jp

★YouTubeチャンネル「哲学の劇場」

www.youtube.com

「ひとをつなぐ辞典、ひとがつむぐ言葉――映画『博士と狂人』公開記念」関連サイト

10月14日にゲンロンカフェのイヴェント「ひとをつなぐ辞典、ひとがつむぐ言葉――映画『博士と狂人』公開記念」に登壇しました。

吉川浩満くんとともに、飯間浩明さんに『博士と狂人』の見所や辞書編纂についてお話を伺いました。

live2.nicovideo.jp

その際、話に出た辞書などについて、簡単にリンク集をつくってみました。


★映画「博士と狂人」
 https://hakase-kyojin.jp/

 

★サイモン・ウィンチェスター『博士と狂人』
 https://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/90306.html
 早川書房の同書を紹介したサイト。

 

★Simon Winchester
 http://www.simonwinchester.com/
 著者のサイモン・ウィンチェスター氏のサイト。

 

★Oxford English Dictionary
 https://www.oed.com/
 OEDのサイト。

 

★Word-Wise Web
 https://dictionary.sanseido-publ.co.jp/
 三省堂辞書ウェブ編集部によるサイト。

 

★The Philological Society
 http://philsoc.org.uk/default.asp
 OED(NED)の編纂を提起した言語協会のサイト。About usのページのDownloadsから、言語協会の初期の歴史に関するPDFを読めます。

 

★"On Some Deficiencies in Our English Dictionaries," in Transactions of the Philological Society, Volume 4, Issue 2, November 1857.
 https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/j.1467-968X.1857.tb00883.x
 リチャード・トレンチが言語協会で、過去の英語辞書の欠陥について述べた意見。PDFというアイコンからダウンロードできます。

 

★A Dictionary of the English Language
 https://johnsonsdictionaryonline.com/
 サミュエル・ジョンソンの辞書を検索できます。

 

★American Dictionary of the English Language
 http://webstersdictionary1828.com/
 ノア・ウェブスターによる英語辞典(1828)のオンライン版です。

 

★Dictionnaire de L'Académie Française
 https://www.dictionnaire-academie.fr/
 『アカデミー・フランセーズ辞典』の各版を読み比べられます。

 

★Vocabolario degli Accademici della Crusca
 http://vocabolario.sns.it/html/index.html
 イタリアの『クルスカ学会辞典』のオンライン版です。

 

★Deutsches Worterbuch von Jacob Grimm und Wilhelm Grimm auf CD-ROM und im Internet
 http://dwb.uni-trier.de/de/
 イヴェントでは触れませんでしたが、やはり長期にわたって編纂されたグリム兄弟のドイツ語辞典のオンライン版です。

 

★JapanKnowledge
 https://japanknowledge.com/personal/
 『日本国語大辞典』を含む辞書・事典サイト(有料)です。

 

 

『マルジナリアでつかまえて』関連記事のクリップ

このエントリーには、『マルジナリアでつかまえて』(本の雑誌社)についての記事をクリップします。

 

★【インタヴュー】「書き込みが示す読書の痕跡を考察」(中日新聞、2020年9月19日)

取材・執筆は世古紘子さんです。

www.chunichi.co.jp

 

★【対談】佐藤亜沙美+山本貴光「本と読み手との対話を追って、マルジナリアの世界へ。」(『BRUTUS』No. 924、2020年09月15日発行)

デザイナーの佐藤亜沙美さんと対談しました。企画・構成・執筆は、エディター/ライターの鳥澤光さん、写真は石渡朋さんです。

brutus.jp

 

★【書評】橋本麻里「無垢の本を真の成熟に導く」(産経新聞、2020年9月12日)

www.sankei.com

 

★【書評】仲俣暁生「今週の本棚・話題の本」(毎日新聞、2020年9月5日、東京朝刊)

mainichi.jp

 

★【インタヴュー】「著者のことば マルジナリアでつかまえて 山本貴光さん 余白に書き込む読書術」(毎日新聞、2020年9月1日、東京夕刊)

取材・執筆は、出水奈美さんです。

mainichi.jp