「平山亜佐子と小林昌樹のこちら文献調査局」にお邪魔しました

2023年5月22日(月)に、「平山亜佐子と小林昌樹のこちら文献調査局」(シラス)というチャンネルにお邪魔しました。

これは、genronが運営する動画プラットフォームの「シラス」で開設されているチャンネルです。

国会図書館でレファレンス(調べ物相談部門)を15年勤め、2022年末に話題の書『調べる技術 国会図書館秘伝のレファレンス・チップス』(皓星社)を上梓した小林昌樹(書物蔵)と、大学図書館に6年(レファレンス歴1年半)勤め、明治大正昭和の文化や教科書に載らない女性たちについて本を書いている平山亜佐子がお送りする、文献調査の極意を教えるチャンネル。
調べ方のコツやデータベースの紹介、図書館の使い方、古本の利用法など調べ物にまつわるあれこれをお送りします。

(同チャンネル「概要」より)

今回は、同チャンネルで「調べる技術を著者に聞く新シリーズ」が始まるということで、僭越ながら最初のゲストとして参加したのでした。

平山さんと山本とで、調べ物にまつわるあれこれを話しました。

 

シラスでは、会員はもちろんのこと、会員でない方も番組単位での価格でご視聴いただけるようです。

平山さんと小林さん、あるいは次回以降のゲストのみなさんから、調べ物の極意を教えていただこうと思い、私もチャンネル購読をしました。

平山さんは、『化け込み婦人記者奮闘記』(左右社)という新著がもうすぐお目見えとのことで、楽しみにしています。

 

shirasu.io

ものを書き始めるときの覚束なさについて

それなりに文章を書いてきているのだけれど、いまでも新たにものを書き始めるときには、毎回「どうやって書いたらいいのだろうか。というか、完成させられるのだろうか……」と、覚束ない気分になる。なにか毎回、未開の場所に足を踏み入れるような気分といったらよいだろうか。

とはいえ、そうも言っていられないので、思い浮かぶことをメモにとり、それを眺めたり、連想したものを見直したり、散歩したり、お皿を洗ったりしているうちに、書くことが輪郭をとってくる。

喩えるなら、頭のなかに小さな磁石のようなものを放り込んでしばらく過ごすような感じ。その状態で、いろいろな活動をしたり、ほうぼうへ出かけたりしているうちに、その磁石に反応するものが、そのつど引き寄せられてきて、やがて磁石のまわりに塊ができてくる。

その塊を眺め直して、今回はなくてもよさそうと思うものを外し、ここになにかがあるといいなと思うところに、ジグソーパズルのピースを探る感じで「これはどうかな」と当ててみたりする。

こういう塊ができて、それをあれこれ触ってみるためには、それなりの時間を要する。つくっては眺め、眺めてはつくる。

そんなわけで、これから新たになにかを書いてみようという場合、話がどこへ転がるかは自分でもよく分からないことが多い。「たぶんあの辺りに着地しそう」と見当をつけて進むこともあるものの、たいていは出発時には予想していなかったような場所に辿り着く。

それは、私がものを分かっていないからかもしれないけれど、ゲームで遊ぶときのように、試行錯誤を繰り返しながら進んでゆく過程こそが肝心だと思っているからかもしれない。つまり、やってみるまで分からないと思っているからかもしれない。

 

DISTANSE.medeia、始まります

2023年6月にオープン予定のウェブメディア「DISTANCE.media」のプレサイトが本日公開となりました。
改めて、いろいろな意味で「距離」について考えてみようという趣向です。
編集はNTT出版、ドミニク・チェンさん、塚田有那さん、山本が編集委員を務めます。
 
プレサイトでは、編集委員の3名で、この新しいウェブメディアをどんな場にしたいか、どんな場になるとうれしいか、というおしゃべりを(芝生の上で)しております。
(写真は同サイトの画像へのリンクです)

https://distance.media/_astro/3V0A3680_ZXTUr2.webp

また、「それぞれのディスタンス」と題して、いろいろな人にアンケートにお答えいただいています。まずは、くどうれいんさん、小島武仁さん、ドミニク・チェンさん、藤原辰史さん、相馬千秋さんの回答をとうぞ。この後追加されていきます。

上記の編集会議で述べている「弱いメディア」のあり方を探る各種の実験のなかには、現在と未来に向けたものに加えて、かつて発行されていた雑誌『InterCommunication』のアーカイヴのように、過去の文物を現在の技術環境でどう活用できるだろうか、といった試みも含まれます。

というわけで「DISTANCE.media」では、内容はもちろんのこと、技術やインターフェイス設計も含めたメディアの仕組みやユーザー体験についても、みなさんと共に試行錯誤しながら探りたいと思います。どうぞお楽しみに。ニュースレターにご登録いただけたら幸いです。

distance.media

2023年度の教育方面の仕事

新しい年度が始まるということで、ものを教える方面の仕事についてのメモをここにも残しておこうと思います。

2023年度は、引き続き東京工業大学で「哲学」他を担当します。

早いもので、着任してから今年で3年目となりました。大学生なら3年生です。もうすぐ就活というところでしょうか。

冗談はさておき、今年は昨年に続いて非常勤講師として和洋女子大学で「デジタル・ゲーム学」を担当します。2021年から行っている講義で、これも3年目です。初年度はオンデマンドでの実施、昨年度ははじめて対面で行いました。

また、新たに多摩美術大学で「メディアデザイン」という講義を、これもまた非常勤講師として行います。これは、2022年度で同大学を退職された永原康史先生が担当しておられた講義です。なんだか畏れ多くもありますが、次の適任者が現れるまでの中継ぎとして頑張りたいと思います。

金沢工業大学の「工学の曙文庫」については、昨年「世界を変えた書物」展の金沢展の監修と、同展の公式図録『世界を変えた書物』(橋本麻里編、小学館、2022)の執筆を担当したところでした。2019年度から引き続き、本年度も同大学の客員教授を務めます。これは「工学の曙文庫」の活用を中心に担当するものです。

以上のほかに、長岡造形大学でゲスト講義を1回、ミームデザイン学校で安田登さんと共同で1回、それぞれ担当する予定です。

それから、月に2回のゲームデザイン講座は今年度も続けます。これは参加希望の方がいるあいだは続けようと思っているものです。

こうして並べてみると、ちょっとデザイン方面が多めですね。

 

ついでながら、松岡正剛さんが率いる編集工学研究所が主宰しているHyper-Editing Platform [AIDA](あいだ)という、「次世代リーダーの研鑽と共創の「場」」に2020年からボードメンバーとして参加しておりました。3年間務めたところで一区切りとして、次のボードメンバーにバトンタッチすることにしました。

 

J. G. フレイザー『金枝篇』の顛末

3月半ばのことでした。Twitterの「金枝篇bot」さんがこんなツイートをしています。

国書刊行会から刊行中のJ. G. フレイザー『金枝篇』完訳版(全10巻+別巻予定)の次に出る第8巻について、少しばかりお手伝いをしているのでした。

引き受けたはよかったものの、2/3くらいまで作業をしたところで、残りを果たさぬままけっして短くはない時間が過ぎてしまい、そろそろどうですかとメールで催促をもらって、近日中には耳を揃えまして……と言いながら、なかなか耳が揃わないことに業を煮やした(?)「金枝篇bot」の中の人が、冒頭のツイートをしたのでした。

すぐさま以下のように応答し、

およそ2週間後に終わらせたのでした。

「なんだやればできるじゃん、いままでなにやってたのさ」という話ではありますが、20個くらいのボールやらナイフやらでジャグリングをしている最中に、一つのことにぐっと集中する時間をつくれず、このようなテイタラクになっていたのでした……。

どこに向かってなんの言い訳をしているのかさえよく分からなくなってきましたが、とにもかくにも、第8巻刊行の目処が立ったのでした。

一つ宿題を終わらせて、ほっと一息をつきつつ、これまた待ったなしのものや、あれはどうなっとんのや案件にとりかかるのであります。

www.kokusho.co.jp

「原爆、原発、風船爆弾──ハンフォードから福島へ」

2023年4月4日(火)は、代官山蔦屋書店で「原爆、原発、風船爆弾──ハンフォードから福島へ」というトークイベントに司会として登壇しました。

安東量子さんの新著『スティーブ&ボニー』(晶文社)の刊行を記念して、安東さん、そしてアーティストの竹内公太さんのお二人にお話を伺おうという企画です。

当日の様子を写した写真を、蔦屋書店の宮台由美子さんと、同書の担当編集者である吉川浩満くんのツイートをお借りしてここにも掲載してみます。

また、イベントに先だって、安東さん、竹内さんに関するツイートをいくつか投稿しました。ご関心のある方には参考になるかもしれません。以下のツイートに続くスレッドをご覧くださいませ。

以下に、『スティーブ&ボニー』のページと、竹内公太さんのモノグラフ『TkKt』のPDF版が公開されているTokyo Contemporary Art Awardのページをリンクしておきます。

www.shobunsha.co.jp

www.tokyocontemporaryartaward.jp

猫町倶楽部の漫画読書会 第1回

2023年4月2日の夕刻から、猫町倶楽部の漫画読書会に選者として参加しました。

今回から3回の予定で、山本が選んだ漫画を課題図書として開かれる読書会です。

第1回の今回は、ヤマシタトモコ『違国日記』(祥伝社)の第1巻から3巻までとしました。目下第8巻まで出ています。

漫画の読書会は、あまり参加した経験がなかったということもあり、新鮮でした。

次回は5月のはじめに第2回が開催される予定です。

読書会・猫町倶楽部については、下記の公式ウェブサイトをご覧ください。

nekomachi-club.com