2020-01-01から1年間の記事一覧

2020年の文筆『文藝』篇

2020年に書いた文章について、覚書としてまとめております。 まずは連載について、その1。 季刊文芸誌『文藝』(河出書房新社)に「文態百版」という文芸季評と、「文芸的事象クロニクル」という年表を連載しています。 ・「文態百版――私たちとXの間で生じ…

ゲンロンカフェ2020

12月23日は、斎藤哲也さん、吉川浩満くんとゲンロンカフェのイヴェント「「人文的、あまりに人文的」な、2020年人文書めった斬り!」でお話ししました。その年に刊行された人文書を振り返る鼎談です。斎藤さんによれば、今回で5回目とのこと。われわれなが…

2020年に刊行した本

2020年に刊行した本は、以下の4冊でした。 ★『わたしの外国語漂流記』(共著、河出書房新社) ★『その悩み、エピクテトスなら、こう言うね。』(吉川浩満との共著、筑摩書房) ★『マルジナリアでつかまえて』(本の雑誌社) ★『記憶のデザイン』(筑摩選書01…

コメニウス・セレクション(東信堂)

東信堂から刊行中の「コメニウスセレクション」、2020年12月現在の既刊は以下の通り。書名から、版元の当該ページへリンクを貼ってあります。 1:『地上の迷宮と心の楽園』(藤田輝夫訳、相馬伸一監訳、2006年8月) 2:『パンパイデイア――生涯にわたる教育の…

詩作支援人工知能「Verse by Verse」の遊び方

先日、Google社が、詩作支援人工知能「Verse by Verse」を公開しました。 ウェブ上で試せます(リンクはこの記事の最後に示します)。 すぐ試したい方は、このタイトル画面をクリックすると移動できますのでどうぞ。 以下では、使い方をごく簡単に述べてみま…

「古典学関係文献目録」(日本西洋古典学会)

日本西洋古典学会のウェブサイトに「古典学関係文献目録(2019.9~2020.8)が掲載されています。 ファイルの記載によれば、作成は、河田真由子さん、勝又泰洋さん、増永理考さんとのこと。とてもありがたいお仕事です。 www.clsoc.jp といいますか、「西洋古…

コミットについてコミットできない

これはあくまで私の場合だが、「コミット」という言葉をうまく使える気がしない。そこで、自分では滅多に使わない言葉である。いまのところそれで困ったことはない。 ただ、ゲーム会社その他での打ち合わせなどで、しばしば人が使うのを耳にする。 「山本さ…

イスラーム地域研究資料室

イスラーム地域研究資料室 公益財団法人東洋文庫イスラーム地域研究資料室(TBIAS)とは、人間文化研究機構(NIHU)が推進するネットワーク型地域研究プログラムである「イスラーム地域研究」(2006年~)の拠点の一つです。当拠点は、「イスラーム地域研究…

先端研のイヴェント「研究をデザインする」

これは事後報告(あるいは備忘)です。 2020年11月17日(火)の13時から、立命館大学大学院先端総合学術研究科主催のイヴェントで、小川さやかさん、千葉雅也さんとお話ししました。 テーマは「研究をデザインする:三人の方法」。 Zoomを使ったウェビナー(…

吉川浩満くんとの対談@「週刊読書人」

「週刊読書人」2020年11月13日号に、吉川浩満くん(@clnmn)との対談が掲載されました。 テーマは「「日本学術会議任命拒否」問題を考える」です。 これは、10月23日にYouTubeチャンネル「哲学の劇場」で公開した動画をもとに加筆・編集を加えたものです。企…

「ひとをつなぐ辞典、ひとがつむぐ言葉――映画『博士と狂人』公開記念」関連サイト

10月14日にゲンロンカフェのイヴェント「ひとをつなぐ辞典、ひとがつむぐ言葉――映画『博士と狂人』公開記念」に登壇しました。 吉川浩満くんとともに、飯間浩明さんに『博士と狂人』の見所や辞書編纂についてお話を伺いました。 live2.nicovideo.jp その際、…

『マルジナリアでつかまえて』関連記事のクリップ

このエントリーには、『マルジナリアでつかまえて』(本の雑誌社)についての記事をクリップします。 ★【インタヴュー】「書き込みが示す読書の痕跡を考察」(中日新聞、2020年9月19日) 取材・執筆は世古紘子さんです。 www.chunichi.co.jp ★【対談】佐藤亜…

音楽批評の歴史のほうへ #001

以前から気になっていながら、あまりきちんと追跡していなかった音楽批評の歴史について、とあるきっかけを得て手探りしてみようと思う。 まずは愚直に「音楽批評 歴史」などと検索をかけてみる。 結果は3万件弱。思ったより少ない。 そこで目に入った『音楽…

目につくところに

書くことを約束している本が、何冊かありながら、なかなか書きあげられずにいる。 本を書いたり訳したりするのは、長距離走のようなもので、日々少しずつでもいいから、立ち止まらずに進めるのがよい。 分かってはいるのだけれど、すぐ目の前にやってくる短…

新連載「世界の文芸誌から」

「WEB本の雑誌」で連載を始めます。 題して「世界の文芸誌から」(また大風呂敷を広げてしまった……)。 看板倒れにならぬよう、楽しみつつゆるやかめに進めて参ります。 どうぞよろしくお願い申しあげます。 www.webdoku.jp

『世界文學』創刊号(1946)

『世界文學』(世界文學社)という雑誌の創刊号から第37号までを手に入れた。 どうやら第38号が終刊号のようだ。 発行したのは、世界文學社という京都の版元。 整理がてら、書誌をここに記していこう。 今回は、創刊号について。 目次は以下の通り。 ・アン…

すんでのところで『世界文学大系』

『世界文学大系』(筑摩書房)のある巻に用があって、入手しようと思い立つ。 日本の古本屋を検索すると何点か出ている。 こんなときには、一応全巻揃いがどうなっているかも確認することにしている。 見ているうちに、やっぱり全巻揃っていても悪くないよね…

ブログはなにをするものぞ

長いこと、このブログを放置してしまった。 自分のパソコンはもちろんのこと、インターネット上の各種サーヴィス(twitter, Facebook, Instagram, note etc.)を含み、コンピュータからものを書く場所があれこれあってややこしいことになって久しい。 いや、…

角田真弓『明治期建築学史』

気になる本のクリップ。 角田真弓『明治期建築学史』(中央公論美術出版社、2019) 現在の「建築学」はいかに形成されたのか。明治期の西洋建築の移入と西洋技術・情報の受容過程を、一次資料の丹念な分析から跡付ける。近代工学教育における建築教育の特性…

イヴェント:古田徹也×伊藤亜紗×山本貴光「しっくりくる言葉、どもる体」

3月27日(金)は、ゲンロンカフェ at VOLVO STUDIO AOYAMAで、古田徹也さん、伊藤亜紗さんとの鼎談でした。 「しっくりくる言葉、どもる体――『言葉の魂の哲学』サントリー学芸賞受賞記念」と題して、古田さんの同書や、伊藤さんの『どもる体』を手がかりに議…

イヴェント:古田徹也×伊藤亜紗×山本貴光「しっくりくる言葉、どもる体」

2020年03月27日に、ゲンロンカフェ at VOLVO STUDIO AOYAMAで開催の古田徹也×伊藤亜紗×山本貴光「しっくりくる言葉、どもる体――『言葉の魂の哲学』サントリー学芸賞受賞記念」でお話しします。 今回は放送のみとなります。 詳しくは、リンク先をご覧ください…

「実物はもっと美しいんだから!」

『本の雑誌』(本の雑誌社)で連載中の「マルジナリアでつかまえて」は、31回目になりました。 今回は「実物はもっと美しいんだから!」というタイトルで、ヴェルレーヌによる『呪われた詩人たち』校正刷へのマルジナリアを眺めております。邦訳は、幻戯書房…

新連載「これが示したいことだった」

『数学セミナー』(日本評論社)の2020年4月号から連載を始めます。 連載タイトルは「これが示したいことだった」。自然科学や数学の書物を中心とした読書日録エッセイです。 第1回は「「数学」はどこから来たか」と題して、「数学」という日本語がどこから…

YouTube「哲学の劇場」更新 2020年03月

吉川浩満くんと始めたYouTubeチャンネル「哲学の劇場」に、新しい動画を投稿しました。 3月は3回更新を予定しています。 一つめは、「人文的、あまりに人文的 番外篇」です。先日刊行した『その悩み、エピクテトスなら、こう言うね。』(筑摩書房)の紹介を…

「語学は裏切らない」

芹沢一也さんのメールマガジン「αシノドス」vol.273(2020.03.15)に「語学は裏切らない――言語を学び直す5冊」と題して、学び直しのブックガイドを書きました。 273号の目次は以下の通りです。 ・片岡栄美「趣味の社会学――文化・階層・ジェンダー」・栗田佳…

新刊『その悩み、エピクテトスなら、こう言うね。』

3月14日に、吉川浩満くんとの共著『その悩み、エピクテトスなら、こう言うね。――古代ローマの大賢人の教え』(筑摩書房)が刊行されます。 2017年から18年にかけて、「webちくま」で連載した「賢人エピクテトスに学ぶ人生哲学――人生がときめく知の技法」(全…

ポール・ド・マン『ロマン主義と現代批評――ガウス・セミナーとその他の論稿』

去年末、ポール・ド・マンの『ロマン主義と現代批評――ガウス・セミナーとその他の論稿』(中山徹+鈴木英明+木谷厳訳、彩流社、2019)が刊行された。 編者の序文によれば、批評家のポール・ド・マン(Paul de Man, 1919-1983)が書いたもののうち、これまで…

『ハイデッガー全集』の引き継ぎ

創文社が刊行してきた邦訳版『ハイデッガー全集』(全103巻予定)は、2020年5月の同社閉業にともない、東京大学出版会が引き継ぐとのことです。 読者としてもうれしいニュース。 www.utp.or.jp

YouTubeチャンネル「哲学の劇場」、始めました

吉川浩満くんと、YouTubeにチャンネルを開設しました。 「哲学の劇場」といって、1997年に2人でつくったウェブサイトの名前に因んでいます。 しばらく前から、ことあるごとに「動画もやりたいね」という話をしていたのですが、目の前の仕事にかまけてできな…