ポール・ド・マン『ロマン主義と現代批評――ガウス・セミナーとその他の論稿』

去年末、ポール・ド・マンの『ロマン主義と現代批評――ガウス・セミナーとその他の論稿』(中山徹+鈴木英明+木谷厳訳、彩流社、2019)が刊行された。

編者の序文によれば、批評家のポール・ド・マン(Paul de Man, 1919-1983)が書いたもののうち、これまで一度も出版されなかった文書をまとめたもの。

原書は、Paul de Man, Romanticism and contemporary Criticism: The Gauss seminar and Other Papars (eds. E. S. Burt, Kevin Newmark, and Andrzej Warminski,Johns Hopkins University Press, 1993)。

ド・マンの文章といえば、読むのに少々骨が折れるという印象を持っていたのだけれど、この本は訳文のおかげもあってか、セミナーという性格もあってか、論旨を追いやすい。

全3部のうち、第1部は1967年に行われたガウス・セミナー「ロマン主義と現代批評」のための原稿を収めている。

ガウスと聴くと、反射的に数学者が思い浮かんでしまうところ、実際には、詩人で批評家でプリンストン大学の教授だったリチャード・パーマー・ブラックマー(Richard Palmer Blackmur, 1904-1965)が、1949年に文学研究者で批評家のクリスチャン・ガウス(Christian Gauss, 1878-1951)を記念して創設した講座とのこと。

開設以来今日までの講義担当者のリストは、プリンストン大学の人文学カウンシルのページに掲示されている。

本書について、詳しくは下記彩流社のページをどうぞ。

humanities.princeton.edu

www.sairyusha.co.jp