2023-01-01から1年間の記事一覧

「「人文的、あまりに人文的」な、2023年人文書めった斬り!」(ゲンロンカフェ)

今年もありがとうございました。 (終了後に登壇者3人で撮影) ゲンロンの動画配信プラットフォーム「シラス」では、2024年6月29日まで、後追いで視聴できるようです。 shirasu.io * 2023年12月29日(金)の夜、ゲンロンカフェで恒例の「「人文的、あまりに…

『文学のエコロジー』へのコメント

ここでは、2023年11月に刊行した拙著『文学のエコロジー』(講談社)を読んでくださった方のコメントや反響などをまとめてみます。随時追記して参ります。 ★鴻巣友季子さんによる書評(「毎日新聞」12月9日号「今週の本棚」コーナー) mainichi.jp

刊行予定『西洋古典名句名言集』(京都大学学術出版会)

来たる2023年12月12日に『西洋古典名句名言集』(西洋古典叢書編集部編、京都大学学術出版会)が刊行予定とのこと。 「西洋古典叢書」といえば、1997年に創刊された叢書で、「西洋の「知」の源泉であるギリシア・ラテンの主要な著作・作品を可能な限り網羅し…

ゲーム『The Invincible』

スタニスワフ・レムの小説『インヴィンシブル』を原作としたアドヴェンチャーゲーム『The Invincible』(Starward Industries / 11 bit studios, 2023/11/06)がリリースされたようです。 同作は、近年、国書刊行会から刊行中の「スタニスワフ・レム・コレク…

「〈ルリユール叢書〉の楽しみ」(じんぶん堂)

幻戯書房が刊行している海外文学の翻訳シリーズ「ルリユール叢書」が50巻に達した機に「〈ルリユール叢書〉の楽しみ」という文章を書きました。 2019年の創刊当時からこの叢書を読んでいる一読者として、その概要や魅力についてあれこれ述べております。 文…

アクションポイント制を導入?

単に仕事の量が増えているのか、夏に罹患した新型コロナウイルス感染症の後遺症(long-covid)なのか分からないのだけれど、このところ複数の仕事の予定を調整してこなすということが、以前にもまして苦手になっているような気がしている。 一つには、仕事の…

森の図書館司書便り:『吉田健一に就て』国書刊行会

そして吉田健一といえば、すごい本が出ましたね。 川本直・樫原辰郎・武田将明編『吉田健一に就て』(国書刊行会、2023/10/24)です。 外ならぬ吉田健一の著作に『英国に就て』がありますが、これを当人に差し向けたわけですね。目次は以下の通り。 川本直「…

森の図書館司書便り:2023年11月の平凡社ライブラリー

2023年11月の平凡社ライブラリーは次の2冊です。発行日は2023年11月2日。 ・西川祐子『[増補]借家と持ち家の文学史 「私」のうつわの物語』(平凡社ライブラリー956、に12-1) ・吉田健一『余生の文学』(平凡社ライブラリー957、よ12-4) 西川祐子『[増補]…

森の図書館司書便り:2023年11月の岩波文庫

ここしばらく、手元に届いた本については、Instagramに写真つきで投稿してきましたが、過去の投稿を参照するのが難しいのと、この頃、広告やらThreads(Meta社によるSNS)との連携やらで、なにかとガチャガチャして居心地がよろしくなくなってきたのとで、本…

新著『文学のエコロジー』(講談社)

新著『文学のエコロジー』(講談社、2023/11/23)が間もなく発売となります。 文芸誌「群像」に連載した同名の連載をもとに、加筆修正と書き下ろしを加えた本です。 文芸作品に文字で記された「世界」は、どのようなエコロジー(生態)なのか、ということを…

物書き仕事をふりかえる

このたび刊行する『文学のエコロジー』(講談社)は、単著としては11冊目の本です。 というのは自分のための覚書でした。 01. 『デバッグではじめるCプログラミング』(翔泳社、2008)02. 『コンピュータのひみつ』(朝日出版社、2010)03. 『文体の科学』(…

アフタヌーンセミナー(蔵前工業会兵庫支部)

2023年11月18日(土)に蔵前工業会兵庫支部のお招きで講演をしました。 蔵前工業会というのは、東京工業大学の卒業生による同窓会組織です。 今回は、東京工業大学データサイエンス・AI全学教育機構長もお務めの三宅美博先生と山本の2名が登壇者でした。 三…

ニコニコ美術館「DXP 次のインターフェイスへ」展

2023年10月26日(木)の夜、ニコニコ美術館で司会進行を務めました。 テーマは、金沢21世紀美術館で開催中の「DXP 次のインターフェイスへ」展です。 デジタルテクノロジーによってこの地球という惑星、そこに住む「私たち」の生き方や感性はどのように変わ…

「「生成Ai小説」が新人賞を取る日」

「産経新聞」2023年9月11日号掲載の海老沢類記者による記事「「生成Ai小説」が新人賞を取る日…公募規定変更の動きも」で取材にお答えしました。記事で一部お使いいただいています。 www.sankei.com

山口昌男『本の神話学 [増補新版]』(中公文庫)解説

山口昌男『本の神話学 [増補新版]』(中公文庫、中央公論新社、2023.08.22)に解説「蔵書という思考法ーーあるいは、なぜ本なのか」を書きました。 同書は、1971年に刊行され、後に中公文庫、山口昌男著作集、岩波現代文庫に収められ、しばらく品切れとなっ…

『デヴィッド・クローネンバーグ 進化と倒錯のメタフィジックス』

ele-king編集部編『デヴィッド・クローネンバーグ 進化と倒錯のメタフィジックス』(Pヴァイン、2023/08)に『イグジステンズ』(1999)について書きました。 近未来のゲームを描いた映画ですが、幸か不幸か、現実のゲームはまだ『イグジステンズ』の水準に…

「230人が、この夏おすすめする一冊」青山ブックセンター

青山ブックセンター本店で、夏の恒例「この夏おすすめする一冊」が始まったようです。 「230人が、この夏おすすめする一冊」の展開を開始しました。毎年夏恒例の選書フェア、今年は230名に選んで頂きました。フェアにて3,000円(税込)以上のご購入で、全コメ…

「「終わり」の見えない資本主義の〈その先〉とは?」

2023年8月4日(金)の夜は、代官山蔦屋書店で、大澤真幸さんとの対談でした。 大澤さんの新著『資本主義の〈その先〉へ』(筑摩書房)の刊行を記念して「「終わり」の見えない資本主義の〈その先〉とは?」というタイトルでお話しをしました。 同書は、これ…

ジャン=ルイ・ド・ランビュール編『作家の仕事部屋』(中公文庫)

ジャン=ルイ・ド・ランビュール編『作家の仕事部屋』(岩崎力訳、中公文庫ラ3-1、中央公論新社、2023/07/25)Jean-Louis de Rambures, Comment travaillent les écrivains, éditions Flammarion, 1978 1979年に中央公論社から刊行された本の文庫版が刊行さ…

ベッカー版アリストテレス全集

先日、謎の勢いで古書店に注文したベッカー版アリストテレス全集(全5巻)が届いた。AbeBooks経由でドイツの古書店から購入したもの。 もとは図書館の蔵書だったようで、"Hausbibliothek St. Gabriel Mödling bei Wien"というラベルが見える。聖ガブリエル伝…

紙の新聞や雑誌のよいところ

紙の新聞や雑誌のよいところ。 見るからに(これ、存外大事)有限の紙幅に、最初から最後のページまで順序立てて、限られたスペースに記事が配置されてあるところ。 このおかげで、各ページをどこまで詳しく読むかはさておき、ともかく最初のページから順に…

「科学史セミナー」(ロイヤルソサエティ出版)

ロイヤルソサエティ出版による「科学史セミナー(History of science seminars)」のページ。同出版が刊行しているジャーナル Notes and Records: the Royal Society Journal of the History of Science と Biographical Memoirs of Fellows of the Royal So…

エーコの蔵書

TLS(TIMES Literary Supplement)を読んでいたら、「その蔵書にこだまするエーコ(Echoes of Eco in his library: A portrait of the writer through his books)」という記事(Irina Dumitrescu)が出ているのを見かけて、エーコ論が出たのかなと思ったら…

いまさらながらデータのフローとストックについて

長年あれこれのSNSを使っていると、ときどき「なんでこんなことしてるんだろう」と正気に返ることがあります。私が「なんでこんなことを」と思うのは、しなくてもよいことを楽しみや遊びとしてやっている、という気分があるからかもしれません。 それはそう…

トマス・アクィナス『神学大全』

トマス・アクィナス『精選 神学大全1 徳論』(稲垣良典+山本芳久編、稲垣良典訳、岩波文庫青621-3、2023/07/14) トマス・アクィナス(Thomas Aquinas, c1225-1274)の『神学大全(Summa Theologiae)』(1266-1273)から、編者の稲垣良典と山本芳久が重要…

DISTANCE.mediaのサイトが正式にオープン

以前ここでもご紹介した「DISTANCE.media」というサイトが正式にオープンしました。 運営・編集はNTT出版、サイトのアートディレクションは田中良治さんです。 私は、塚田有那さん、ドミニク・チェンさんとともにエディトリアルボードを務めております。 目…

ワークショップ「医学をみんなでゲームする」(順天堂大学 Medit Lab)

2023年6月18日に順天堂大学で開催された「医学をみんなでゲームする」というワークショップに参加しました。 これは、順天堂大学の小倉加奈子先生たちが率いる「Medit Lab 順天堂STEAM教育研究会」が主催するものです。Medit Labは「医学に興味のある中高生…

視覚デザイン特別講義@長岡造形大学

2023年6月16日に、長岡造形大学の「視覚デザイン特別講義」でゲスト講義を担当しました。4・5限の2コマで、Zoomを使ったオンライン開催です。この特別講義は、一般の方も受講できる設定でした(要事前予約)。 上記は同大学の告知ページから。 講義概要と画…

「平山亜佐子と小林昌樹のこちら文献調査局」にお邪魔しました

2023年5月22日(月)に、「平山亜佐子と小林昌樹のこちら文献調査局」(シラス)というチャンネルにお邪魔しました。 これは、genronが運営する動画プラットフォームの「シラス」で開設されているチャンネルです。 国会図書館でレファレンス(調べ物相談部門…

ものを書き始めるときの覚束なさについて

それなりに文章を書いてきているのだけれど、いまでも新たにものを書き始めるときには、毎回「どうやって書いたらいいのだろうか。というか、完成させられるのだろうか……」と、覚束ない気分になる。なにか毎回、未開の場所に足を踏み入れるような気分といっ…