2023-01-01から1年間の記事一覧

『デヴィッド・クローネンバーグ 進化と倒錯のメタフィジックス』

ele-king編集部編『デヴィッド・クローネンバーグ 進化と倒錯のメタフィジックス』(Pヴァイン、2023/08)に『イグジステンズ』(1999)について書きました。 近未来のゲームを描いた映画ですが、幸か不幸か、現実のゲームはまだ『イグジステンズ』の水準に…

「230人が、この夏おすすめする一冊」青山ブックセンター

青山ブックセンター本店で、夏の恒例「この夏おすすめする一冊」が始まったようです。 「230人が、この夏おすすめする一冊」の展開を開始しました。毎年夏恒例の選書フェア、今年は230名に選んで頂きました。フェアにて3,000円(税込)以上のご購入で、全コメ…

「「終わり」の見えない資本主義の〈その先〉とは?」

2023年8月4日(金)の夜は、代官山蔦屋書店で、大澤真幸さんとの対談でした。 大澤さんの新著『資本主義の〈その先〉へ』(筑摩書房)の刊行を記念して「「終わり」の見えない資本主義の〈その先〉とは?」というタイトルでお話しをしました。 同書は、これ…

ジャン=ルイ・ド・ランビュール編『作家の仕事部屋』(中公文庫)

ジャン=ルイ・ド・ランビュール編『作家の仕事部屋』(岩崎力訳、中公文庫ラ3-1、中央公論新社、2023/07/25)Jean-Louis de Rambures, Comment travaillent les écrivains, éditions Flammarion, 1978 1979年に中央公論社から刊行された本の文庫版が刊行さ…

ベッカー版アリストテレス全集

先日、謎の勢いで古書店に注文したベッカー版アリストテレス全集(全5巻)が届いた。AbeBooks経由でドイツの古書店から購入したもの。 もとは図書館の蔵書だったようで、"Hausbibliothek St. Gabriel Mödling bei Wien"というラベルが見える。聖ガブリエル伝…

紙の新聞や雑誌のよいところ

紙の新聞や雑誌のよいところ。 見るからに(これ、存外大事)有限の紙幅に、最初から最後のページまで順序立てて、限られたスペースに記事が配置されてあるところ。 このおかげで、各ページをどこまで詳しく読むかはさておき、ともかく最初のページから順に…

「科学史セミナー」(ロイヤルソサエティ出版)

ロイヤルソサエティ出版による「科学史セミナー(History of science seminars)」のページ。同出版が刊行しているジャーナル Notes and Records: the Royal Society Journal of the History of Science と Biographical Memoirs of Fellows of the Royal So…

エーコの蔵書

TLS(TIMES Literary Supplement)を読んでいたら、「その蔵書にこだまするエーコ(Echoes of Eco in his library: A portrait of the writer through his books)」という記事(Irina Dumitrescu)が出ているのを見かけて、エーコ論が出たのかなと思ったら…

いまさらながらデータのフローとストックについて

長年あれこれのSNSを使っていると、ときどき「なんでこんなことしてるんだろう」と正気に返ることがあります。私が「なんでこんなことを」と思うのは、しなくてもよいことを楽しみや遊びとしてやっている、という気分があるからかもしれません。 それはそう…

トマス・アクィナス『神学大全』

トマス・アクィナス『精選 神学大全1 徳論』(稲垣良典+山本芳久編、稲垣良典訳、岩波文庫青621-3、2023/07/14) トマス・アクィナス(Thomas Aquinas, c1225-1274)の『神学大全(Summa Theologiae)』(1266-1273)から、編者の稲垣良典と山本芳久が重要…

DISTANCE.mediaのサイトが正式にオープン

以前ここでもご紹介した「DISTANCE.media」というサイトが正式にオープンしました。 運営・編集はNTT出版、サイトのアートディレクションは田中良治さんです。 私は、塚田有那さん、ドミニク・チェンさんとともにエディトリアルボードを務めております。 目…

ワークショップ「医学をみんなでゲームする」(順天堂大学 Medit Lab)

2023年6月18日に順天堂大学で開催された「医学をみんなでゲームする」というワークショップに参加しました。 これは、順天堂大学の小倉加奈子先生たちが率いる「Medit Lab 順天堂STEAM教育研究会」が主催するものです。Medit Labは「医学に興味のある中高生…

視覚デザイン特別講義@長岡造形大学

2023年6月16日に、長岡造形大学の「視覚デザイン特別講義」でゲスト講義を担当しました。4・5限の2コマで、Zoomを使ったオンライン開催です。この特別講義は、一般の方も受講できる設定でした(要事前予約)。 上記は同大学の告知ページから。 講義概要と画…

「平山亜佐子と小林昌樹のこちら文献調査局」にお邪魔しました

2023年5月22日(月)に、「平山亜佐子と小林昌樹のこちら文献調査局」(シラス)というチャンネルにお邪魔しました。 これは、genronが運営する動画プラットフォームの「シラス」で開設されているチャンネルです。 国会図書館でレファレンス(調べ物相談部門…

ものを書き始めるときの覚束なさについて

それなりに文章を書いてきているのだけれど、いまでも新たにものを書き始めるときには、毎回「どうやって書いたらいいのだろうか。というか、完成させられるのだろうか……」と、覚束ない気分になる。なにか毎回、未開の場所に足を踏み入れるような気分といっ…

DISTANSE.medeia、始まります

2023年6月にオープン予定のウェブメディア「http://DISTANCE.media」のプレサイトが本日公開となりました。 改めて、いろいろな意味で「距離」について考えてみようという趣向です。 編集はNTT出版、ドミニク・チェンさん、塚田有那さん、山本が編集委員を務…

2023年度の教育方面の仕事

新しい年度が始まるということで、ものを教える方面の仕事についてのメモをここにも残しておこうと思います。 2023年度は、引き続き東京工業大学で「哲学」他を担当します。 早いもので、着任してから今年で3年目となりました。大学生なら3年生です。もうす…

J. G. フレイザー『金枝篇』の顛末

3月半ばのことでした。Twitterの「金枝篇bot」さんがこんなツイートをしています。 『金枝篇8巻 スケープゴート』の初校ゲラ校正もほぼほぼ終わり、後は註釈の原典スペルチェックと山本貴光先生マターの幾つかのギリシア語・ラテン語翻訳を残すのみとなりま…

「原爆、原発、風船爆弾──ハンフォードから福島へ」

2023年4月4日(火)は、代官山蔦屋書店で「原爆、原発、風船爆弾──ハンフォードから福島へ」というトークイベントに司会として登壇しました。 安東量子さんの新著『スティーブ&ボニー』(晶文社)の刊行を記念して、安東さん、そしてアーティストの竹内公太…

猫町倶楽部の漫画読書会 第1回

2023年4月2日の夕刻から、猫町倶楽部の漫画読書会に選者として参加しました。 今回から3回の予定で、山本が選んだ漫画を課題図書として開かれる読書会です。 第1回の今回は、ヤマシタトモコ『違国日記』(祥伝社)の第1巻から3巻までとしました。目下第8巻ま…

「BHチャンネル×版美―YouTube生配信!!」

2023年4月1日(土)の夜、町田市立国際版画美術館で開催中の「自然という書物」展の関連イベントに登壇しました。 ヒロ・ヒライさん、橋本麻里さん、藤村拓也さん(担当学芸員)と私の4名で、同展覧会についてあれこれ話すという趣向です。 イベントは、YouT…

黒板

こういう黒板が欲しい。(クッションもいいな……) The Simons Emmy Noether Fellows Program, supported by the @SimonsFdn, provides a valuable opportunity for early- and mid-career scientists from under-represented groups in physics. Apply by Ja…

「哲学者ミシェル・セール 百科全書的な旅―ドキュメンタリー映画と講演」

こちらは「哲学者ミシェル・セール 百科全書的な旅―ドキュメンタリー映画と講演」(カトリーヌ・バーンスタイン監督、字幕:西山雄二、ファヨル入江容子、カンタン・コリーヌ)。 www.youtube.com TwitterのGrimoireBookさんの投稿で教えてもらいました。 【…

石橋正孝「ビュトール評論集〈レペルトワール〉は「文学の精霊」顕現の場である——第3巻までの監訳を終えて」

幻戯書房から刊行中のミシェル・ビュトール『レペルトワール』(全5巻予定、2020- )の監訳者をお務めの石橋正孝さんによるエッセイ「ビュトール評論集〈レペルトワール〉は「文学の精霊」顕現の場である──第3巻までの監訳を終えて」が「じんぶん堂」に掲載…

シュヴァーベ出版版「カール・ヤスパース全集」

スイスのバーゼルにあるシュヴァーベ出版から刊行中の「カール・ヤスパース全集(Karl Jaspers Gesamtausgabe)」は全50巻の予定だとか。 1. Werke Bd. 01:Bd. 02:Bd. 03: Gesammelte Schriften zur Psychopathologie (2019)Bd. 04: Pathographische Analyse…

「音楽本大賞」創設に向けたクラウドファンディング

「音楽本大賞」という新たな賞を創設するとのことで、クラウドファンディングの募集が始まりました。 音楽の聴き方や作り方を変えてくれるようなすぐれた音楽本の存在を、もっと多くの読者に、もっとたくさんの人に届けたい。そして書店の音楽本コーナーを盛…

『文学は予言する』(新潮社)刊行記念トークイベント

2023年2月3日(金)の19:00から、ブックファースト新宿店にて、鴻巣友季子さんの新著『文学は予言する』(新潮社)の刊行記念トークイベントが行われます。鴻巣さん、渡辺祐真(スケザネ)さんとともに登壇して、あれこれお話ししたいと思います。 イベント…

『水の文化』

ミツカン水の文化センターが発行している機関誌『水の文化』のページです。 1999年1月に創刊で年3回発行。2022年11月に最新の第72号が刊行されています。 下記リンク先では、創刊号から最新号までPDFでも閲覧できます。 www.mizu.gr.jp

第3回みんなのつぶやき文学賞の投票が始まりました

2023年1月28日から、第3回みんなのつぶやき文学賞の投票が始まりました。 この賞は、読者のみなさんが、2022年に刊行された国内の新作小説、海外の初訳小説(文庫化や復刊は除く)から、もっとも面白いと思った作品を選んで投票しあうというものです。 投票…

下西風澄『生成と消滅の精神史』刊行記念イヴェント

来たる2023年1月24日(火)の夜、代官山 蔦屋書店にて、下西風澄さんの新著『生成と消滅の精神史 終わらない心を生きる』(文藝春秋、2022/12)の刊行を記念したトーク・イヴェントが開催されます。登壇者は、著者の下西さんと、吉川浩満くんとわたくしです…