紙の新聞や雑誌のよいところ

紙の新聞や雑誌のよいところ。

見るからに(これ、存外大事)有限の紙幅に、最初から最後のページまで順序立てて、限られたスペースに記事が配置されてあるところ。

このおかげで、各ページをどこまで詳しく読むかはさておき、ともかく最初のページから順に最後のページまでめくってゆけば、自分ではそのつもりがなかったあれこれの記事も目に入る。

それに対してウェブの新聞を何紙か購読してみて感じるのは次のようなこと。

・紙のように「この範囲内に収まっている」「これでとりあえず全部」という有限の感覚がない。

・ウェブはハイパーテキストで、読む順序は編集者ではなくユーザーが自分で決める(決めなければならない)。

・その結果、気になるところ、読みたいところばかり読むので、目に入る範囲が狭くなりがち。

いまさらながらではあるけれど、このユーザー体験のちがいは、塵も積もればなんとやらの効果をもたらすに違いないと思う。

この点、紙の本をモデルにしているPDFやKindle版はどうか、という話もあるけれど、それはまた別途。

以上のような物質的な仕組みの違いは、それを使う利用者の体験、いわゆるユーザー体験(UX)に加えて、ユーザー体験をもとにつくられる利用者の記憶に少なからぬ影響を与えるはず。それがどのような違いなのかを明確にするのは目下のところ難しいものの、両者が同じ体験をもたらしているとは言えない、というところまでは言えそう。

こういうことは、いまさらと言わず、気になったときに記録したり考え直したりするのも肝心だと思っている。

 

追記:

ウェブのよくないところ。

ニュースサイトや雑誌の電子版で、見たいわけではない広告が多数配置されていて、イヤでも気が散るところ。