essay
それなりに文章を書いてきているのだけれど、いまでも新たにものを書き始めるときには、毎回「どうやって書いたらいいのだろうか。というか、完成させられるのだろうか……」と、覚束ない気分になる。なにか毎回、未開の場所に足を踏み入れるような気分といっ…
『群像』2023年2月号(講談社、2023年1月7日)に連載「文学のエコロジー」第12回「「気」は千変万化する」を書きました。 日本語で心や精神の働きを表すのに多用される「気」という語について眺めております。題材は林芙美子『浮雲』です。 gunzo.kodansha.c…
『文藝』2023年春季号(河出書房新社)に連載「文芸的事象クロニクル 2022.09-2022.11」を書きました。画像生成AIがコンテストで優勝、ゲーム「Ukraine War Stories」、ブンゲイファイトクラブ4他を並べております。 今号は瀬戸夏子+水上文責任編集の「批評…
「図書新聞」2022年12月24日号の「22年下半期読書アンケート」に参加しました。 今年の下半期に読んだ本から3冊を選んでご紹介しています。 また、同号では「海外文学・文化回顧2022」と題して、アメリカ、イギリス、ドイツ、ロシア、ラテンアメリカの各方面…
「これから出る本」の2022年12月下期号の「本の周辺」コーナーに「棚から棚へと本は動く」と題して小さなエッセイを書きました。全3回の予定で、2022年11月下期号に第1回の「小さくても広大な本屋」を書いております。 2022年11月下期号は日本書籍出版協会の…
閏(うるう)」というオンラインマガジンに、「悪魔のように働いて」を書きました。 同マガジンの「連閏記」というコーナーです。 書き出しはこんなふう。 いつだったか、ニーチェが書いたものを手に入る限り集めて読んでみる、ということをしてみた。映画で…
「日本経済新聞」2022年9月18日号の文化欄に、エッセイを書きました。 「潜るあいだに歩いたり」と題して、日曜日のくつろいだ時間の読物をめざして書いてみております。 普段あまりこういう種類の文章を書いていないので、ちょっと新鮮な気分です。 www.nik…
創元社note部の連載「異界をつなぐエピグラフ」第7回を書きました。 「これが最初のエピグラフ?」と題してジェラール・ジュネットのエピグラフ論を眺めています。そこで触れられているラ・ロシュフコー『箴言集』のエピグラフについて五つの版を見比べたり…
創元社のnoteで新連載「異界をつなぐエピグラフ」を始めます。 目下は、アーティストで編集者の藤本なほ子さんと共編著で『エピグラフの本(仮題)』(創元社から刊行予定)を制作しています。創元社の編集担当は内貴麻美さんです。 制作の過程で、藤本さん…
『本の雑誌』2022年2月号(本の雑誌)は、「選書の大海原に飛び込め!」という特集です。 私は「選書の世界の歩き方」と題して、選書という形式の本について、あれこれ書いております。 原稿の依頼を頂戴した際には、選書ならそれなりに集め読んできたから、…
最近、アラン・チューリングの「知能機械」を読んでいて気がついたことがあった。 といっても、たいしたことではなく、いずれかといえば些末でことさらなにかを言うようなことでもない。 ただ、気になる人には気になることでもあるようにも思うので、ここに…
昔、なにで読んだのだったか、井筒俊彦さんが自宅で本を読むとき、ここはアラビア語、こっちはロシア語と、言語ごと(あるいは本ごと)に別の場所に置いているという話を目にして、それはいいアイデアだなあと思ったことがあった(うろ覚えなので偽記憶かも…
このところ、「公開加圧」を試している。 「公開加圧」とは、三中信宏さんの『読む・打つ・書く』(東京大学出版会)で教えられた、ものを書き進めるための方法のこと。 以前から三中さんがTwitterで実践しておられるのを目にしてはいたのだけれど、同書でそ…
晶文社のサイト「晶文社スクラップブック」で連載を始めました。 「ゲームを遊ぶときに何が起きているのか」というタイトルです。 タイトルの通りで、ゲームで遊ぶ経験についてああでもないこうでもないと考えたことを書いて参ります。 どうぞよろしくお願い…
岩波書店のチーム「なみのおと」が運営するnote「コロナの時代の想像力」で連載をしています。 「岩波文庫で読む「感染症」」第6回は、「見えないものから森羅万象を考える」と題して、ルクレーティウスの『物の本性について』を取り上げております。 古代ギ…
「WEB本の雑誌」で連載中の「世界の文芸誌から」の第3回を書きました。 「「世界」とはどこのこと?」と題して、戦後間もない1946年に京都で創刊された『世界文學』という雑誌について、もそっと詳しく眺めております。 www.webdoku.jp
岩波書店のチーム「なみのおと」が運営するnoteの連載「岩波文庫で読む「感染症」」の第5回を書きました。 今回は、「環境のなかで人間と病をみる」と題して、ヒポクラテス『古い医術について 他八篇』について書いています。 ヒポクラテスは、病気を環境と…
本が届く。 開封して「?」となる。 表紙を眺めているうちに、「ああ」と思い出す。少し前にTwitterで誰かが紹介しているのを見て注文したのだった。海外から届くのにちょっと時間がかかったわけだ。たしかに注文しましたよ。 本を注文してから届くまでの3週…
「WEB本の雑誌」に、連載「世界の文芸誌から」の第2回を書きました。 第1回を公開したのが2020年8月31日でしたので、10カ月ぶりくらいに続きを書いた計算になります。 どうしてそんなに間が空いたのかについては、いろいろあるといえばあるのですが、一つ自…
『新潮』第118巻第8号、2021年8月号(新潮社)に、「新潮」編集部編『パンデミック日記』(新潮社)の書評を書きました。 同書は、52名の創作者たちが、2020年1月1日から12月31日まで、1週間ずつ書いた日記を並べたものです。 以前、『岩波新書解説総目録 19…
「岩波文庫で読む「感染症」」の第3回を書きました。 今回は、ボッカチオが『デカメロン』の序で、当時のヨーロッパを襲った「黒死病」のパンデミックについて、どのように書いているかを眺めております。 岩波文庫のボッカチオは、野上素一訳で全6分冊。番…
2021年4月1日の「朝日新聞」にエッセイを書きました。 失敗ばかりしている者から見た、学ぶことについての感想です。 digital.asahi.com
WIREDにゲームについてのエッセイを書きました。 「世界を別の仕方で見るために――『MOTHER』がくれた「ちえとゆうき」」 と題して、糸井重里さんが企画・開発した『MOTHER』について述べています。 『MOTHER』の第1作がファミコンで登場したのは1989年のこ…
『本の雑誌』2019年3月号(本の雑誌社)は、「出版業界消えたもの列伝」特集。 「出版業界におけるFAXの運命は!?」という記事がある。そうかFAXってまだ使われているんだ。 私がコーエーにいた頃(1994-2004)、ゲーム会社でもFAXは現役だった。PlayStatio…
『すばる』2019年1月号(12月6日発売)は「本を読む」特集です。 私は同特集に「読書という経験――平面と手を目で辿る二つの方法」というエッセイ(試論)を書きました。 カフカの『変身』(多和田葉子訳、集英社文庫ヘリテージ)の文庫版と電子書籍版のそれ…
フィルムアート50周年記念企画に「僕の好きな(映画史の)先生」というエッセイを寄稿しました。 タイトルはあの曲からお借りしています。
『ユリイカ』2018年10月号「特集=図鑑の世界」(青土社)に寄稿しました。 「ゲームと図鑑――世界を生成する図鑑/世界を蒐集する図鑑」と題して、ゲームと図鑑の関係について論じております。 初期のTRPG(人間同士で遊ぶロールプレイングゲーム)のルール…
「岩波新書創刊80年記念」の『図書』臨時増刊号(岩波書店)にエッセイを寄稿しました。 (画像はサイト「B面の岩波新書」へのリンク) 「永遠に普請中の大伽藍」と題して「はじめての新書」について書きました。 同号は非売品で、書店等で配布されるようで…
河出書房新社の「Web河出」に、文芸季評「文態百般」の第2回が掲載されました。 今回から「群像」「新潮」「すばる」「文學界」「文藝」の五誌に加えて、「小説トリッパー」「たべるのがおそい」「三田文學」「早稲田文学」の四誌を観測範囲に加えます。これ…
東浩紀さんが編集長を務める「ゲンロンβ27」(ゲンロン)に、吉川浩満くん(id: clnmn)との連載対談書評「人文的、あまりに人文的」第20回を寄稿しました。 今回は、マーカス・デュ・ソートイ『知の果てへの旅』(富永星訳、新潮クレスト・ブックス、新潮社…