2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

Robert L. Belknap, Plots

Robert L. Belknap, Plots (Columbia University Press, 2016) ロバート・L・ベルクナップ(1929-2014)によるプロット論。 プロットに該当するミュトスについて、アリストテレスは「要約」「出来事の組み合わせ」と定義している。本書では、後者の意味での…

“社会課題”を疑似体験--オランダで発展した「シリアス・ゲーム」

シリアスゲームに関する記事。 ここ数年のスマートフォンの普及により、ゲーム産業が以前にも増して活発な動きを見せている。オランダのゲーム調査会社Newzooの2016年版「グローバルゲームマーケットレポート」によると、2016年は996億米ドル(約10.8兆円)…

國分功一郎『中動態の世界――意志と責任の考古学』書評

「日本経済新聞」2017年04月29日号の書評欄に、國分功一郎『中動態の世界――意志と責任の考古学』(医学書院)の書評を寄稿しました。 私たちは、行動をともすると「する」「される」と、能動/受動でとらえますが、実際にはそんなにすぱっと割り切れるもので…

Chuck Berry, Wonderful Woman

先頃亡くなったチャック・ベリーの新譜から公開された曲。

ゲーム学I/シリアスゲーム論 講義の予定

先日の講義でもお伝えしましたが、東京工芸大学での講義「ゲーム学I」「シリアスゲーム論」、2017年5月1日(月)は休講です。次回第4回は、その翌週、5月8日(月)の予定であります。 念のため、ここにも記しておく次第です。どうぞよろしくお願いいたします…

ブルーノ・スネル『詩と社会――社会意識の起源に対するギリシャ詩人の影響』

ブルーノ・スネル『詩と社会――社会意識の起源に対するギリシャ詩人の影響』(新井靖一訳、筑摩書房、1982/08) Bruno Snell, Dichtung und Gesellschaft: Studien zum Einfluß der Dichter auf das soziale Denken und Verhalten im alten Griechenland (Cla…

「人文的、あまりに人文的」第12回

東浩紀さんが編集長を務めるメールマガジン「ゲンロンβ13」に、吉川浩満くん(id:clnmn)との連載書評対談「人文的、あまりに人文的」第12回を寄稿しました。 毎回、新旧の人文書2冊をとりあげて紹介する連載です。 気づけば開始してから1年が経ちました。 …

「人生がときめく知の技法」第5回

吉川浩満くん(id:clnmn)との連載「人生がときめく知の技法」(webちくま)の第5回を寄稿しました。 今回は「できないことで悩む必要なし!」と題して、エピクテトスが指摘する「権内/権外」という考え方について検討しています。 自分にコントロールでき…

『デカルト 医学論集』

『デカルト 医学論集』(山田弘明+安西なつめ+澤井直+坂井建雄+香川知晶+竹田扇訳・解説、アニー・ビトボル-エスペリエス序、法政大学出版局、2017/03) デカルトの医学・解剖学関連のテキスト5篇を訳出した集成。 目次は以下の通り。 ・凡例 ・山田弘…

これはノートです。

先日、無印良品(恵比寿店)で見かけて思わず入手してしまいました。 ディスプレイには、一見本に見える同様の冊子が何種類か、ページを開いた状態で置かれています。 よく見ると、ノートであると説明してあって、ページを繰ると、確かに図が印刷されている…

今年も「ゲーム学I」「シリアスゲーム論」を担当します

2017年も東京工芸大学で二つの講義「ゲーム学I」「シリアスゲーム論」を担当いたします。 自分でもだんだんよく分からなくなってきましたが、今回で4周目となります。 もとはといえば中継ぎとしてお預かりしたこの講義、そろそろ真打ちにご登場いただいてバ…

『未来よ こんにちは』

ミア・ハンセン=ラヴ監督の『未来よ こんにちは』(L'Avenir、2016)の公開が始まりました。配給はクレストインターナショナル。 (*画像はクレストインターナショナルのウェブサイトからのリンク) フランスで高校(リセ)の哲学教師を務める主人公ナタリ…

人は何冊の本に関われるか

先日「『考える人』と私」という文章を書く際、2005年前後に茂木健一郎さんはどんな本を書いていたかなあと思ってAmazon.co.jpを検索してみました。 「本」のカテゴリーでの検索結果は614件。 雑誌への寄稿や共著なども含まれてのことですので、もちろん全部…

山田俊弘『ジオコスモスの変容――デカルトからライプニッツまでの地球論』

山田俊弘『ジオコスモスの変容――デカルトからライプニッツまでの地球論』(ヒロ・ヒライ編集、bibliotheca hermetica、勁草書房、2017/02) 自然科学の知に触れるたび、思うことがあります。 もし、誰かがこの知を提示して、実験や観察で確認しておいてくれ…

『考える人』と私

新潮社の季刊誌『考える人』が次号で休刊となるとのこと。創刊されたのは2002年夏ですから、15年ほど続いたことになりましょうか。 雑誌の休刊にことよせて私事を語るのもなんですが、同誌に関わる一齣として、エピソードを少々書きとめておこうと思います。…

ハスラー犬

www.youtube.com ホイジンガ先生は遊びを論じた『ホモ・ルーデンス』で、犬だって遊ぶよねと指摘していらした。この例も付け加えておきたい(遊んでいるのかどうかモンダイ)。

フェリックス・ラヴェッソン『十九世紀フランス哲学』(詳細目次あり)

フェリックス・ラヴェッソン『十九世紀フランス哲学』(杉山直樹+村松正隆訳、知泉書館、2017/01) フランスの哲学者ラヴェッソン(Félix Ravaisson-Mollien, 1813-1900) La philosophie en France au XIXe siècle (Imprimerie Impériale, 1868) の翻訳。 …

『[新訳]ステファヌ・マラルメ詩集』

『[新訳]ステファヌ・マラルメ詩集』(柏倉康夫訳、青土社、Kindle版、2017/03) 『ステファヌ・マラルメ詩集』(エドモン・デマン書店、1899)の全49篇の翻訳。『ユリイカ』(青土社)2015年1月号から9月号に連載した訳文に若干の修正を加えているとのこと…

足指をそんなに器用に回せるなんて

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ヤーコプ・ヴァッカーナーゲル『統語論についての講義Ⅰ』

酒見紀成氏のページに、スイスの言語学者ヤーコプ・ヴァッカーナーゲル(1853-1938)による『統語論についての講義Ⅰ』の訳文が公開されています。 原著、Jacob Wackernagel, Vorlesungen über Syntax mit besonderer Berücksichtigung von Griechisch, Lotei…

「誰よりも私のことを知る――「拡張人格」としてのゲームAI」

『世界思想』第44号(世界思想社、2017)に寄稿しました。 同号の特集は「人工知能」です。 目次は次のとおり。 特別対談 ・石黒浩+大野更紗「技術革新と人間の未来――豊かな社会、幸せな社会」 人工知能とは何か ・松原仁「人工知能の過去・現在・未来」 ・…

「ラテン語で他の言語を分析する」

「ラテン語で他の言語を分析する」 Using Latin to analyze other languages (ScienceDayly) A researcher has figured out why Latin still turned up in many documents in the 17th to 19th centuries, even though it had not been a spoken language fo…

小鹿原敏夫『ロドリゲス日本大文典の研究』

小鹿原敏夫『ロドリゲス日本大文典の研究』(和泉選書176、和泉書院、2015/03) 戦国時代の日本にやってきたイエズス会士ジョアン・ロドリゲスは、日本語の文法を説いた『日本大文典』などをつくったことで知られています。本書は、その内容を詳しく検討した…

ハンナ・アレントのマルジナリア

ハンナ・アレント(1906-1975)の蔵書がpdfで公開されているようです。 例えば、アリストテレス『ニコマコス倫理学』の英訳版、Aristotle, Nicomachean Ethics (Translated, with introduction and notes by Martin Ostwald, The Bobbs-Merrill Company)のペ…

「性格」の変化

人間の性格は、年齢を通じてどのように変化するか、しないかというモンダイに関する最近の調査結果がWIREDで報じられています。 これと関連して、「性格」なるなにかを、どのように見立て、どのように評価・記述できるか、ということについて、これまでどん…

宣教師の文法学

イエズス会士をはじめとするキリスト教の宣教師たちが、かつて世界各地に赴いて、現地の言葉を学んだり、その文法を分析したりする際に、どのように取り組んだのかというモンダイを追跡中。 日本語の場合、ジョアン・ロドリゲス(1561-1634)の『日本大文典…