2014-01-01から1年間の記事一覧

回顧と展望

例によって、だからなんだってなものですが、2014年の回顧と2015年の展望を述べたいと思います。 2014年は、吉川浩満君と共に書いた『心脳問題――「脳の世紀」を生き抜く』(朝日出版社、ISBN:4255002770)を刊行してから10年目の年でした。つまり、はからず…

日本オルタナ出版史3部作完結記念トークショー

オルタナ編集者・郡淳一郎さんのディレクションによって、『IDEA』(誠文堂新光社)で展開されてきた「日本オルタナ出版史」特集の3部作が、12月10日刊行予定の第368号「日本オルタナ精神譜 1970-1994 否定形のブックデザイン A Chronicle of Alternative Sp…

刊行予定

*2014.11.27 発売されました。リブロ池袋本店でのブックフェアも始まっております。 *2014.11.21 「目次」と「関連イヴェント」を追記しました。 *2014.11.17 紀伊国屋書店のサイト「注目の本・書評で読む」へのリンクを追加しました。 *2014.11.05 新潮…

データサイエンスを見渡す

★Rachel Schutt + Cathy O'Nail『データサイエンス講義』(瀬戸山雅人+石井弓美子+河内崇+河内真理子+古畠敦+木下哲也+竹田正和+佐藤正士+望月啓充訳、オライリー・ジャパン、2014/10、ISBN:4873117011) Rachel Schutt + Cathy O'Nail, Doing Data …

真木悠介『現代社会の存立構造』の可能性の中心

★「大澤真幸さん+吉川浩満さん 真木悠介『現代社会の存立構造』の可能性の中心――『資本論』再評価の機運の中で、40年を隔てた再評価を試みる」 日本を代表する社会学者、真木悠介(見田宗介)氏によって、現代社会の原理的構造を解明した『現代社会の存立構…

「絶滅」から生命の歴史を眺める

★吉川浩満『理不尽な進化――遺伝子と運のあいだ』(朝日出版社、2014/10、ISBN:4255008035) 吉川君の新著が刊行された。朝日出版社第二編集部ブログで、2011年から2013年まで連載された原稿をもとに、全面的に手を入れなおし、加筆を施して成った本だ。 進化…

森先生にメールで質問

『ユリイカ』2014年11月号(第46巻第14号通巻652号)の特集は「森博嗣――『すべてがFになる』『スカイ・クロラ』から『MORILOG ACADEMY』まで…クラフトマンの機知」(青土社、ISBN:4791702794)。 「つくる・かわる・わかる(わからないことが)」と題して、…

日本オルタナ文学誌

『IDEA』(誠文堂新光社)の第367号は、オルタナ編集者・郡淳一郎さんの構成・文による特集「日本オルタナ文学誌 1945-1969 戦後・活字・韻律」。 表紙には、英文で"An Alternative History of Poetry in Japan 1945-1969 or A Gutenberg Elegy in a Thousan…

★安東量子+ジャック・ロシャール「渡し舟の上で――現存被曝状況☆から、現存被曝状況へ」(朝日出版社第二編集部ブログ) http://asahi2nd.blogspot.jp/2014/09/fune01.html?m=1

矢来町のほうへ

今日はひさしぶりのことで、矢来町にある新潮社(1896年創業)を訪れた。 神楽坂駅を出ると、目の前に広くゆるやかなのぼり階段が広がっている。この感じ、なにかのゲームで見たことがある気がするのだが、思い出せない(あれはひょっとして……『エルシャダイ…

アメリカの季刊文化誌『パルティザン・レヴュー(Partisan Review)』のアーカイヴ。 1934年の創刊号から2003年春号までが公開されている。 ⇒Howard Gotlieb Archival Research Center > Partisan Review http://hgar-pub1.bu.edu/web/partisan-review/searc…

・8月の後半からは、東京工芸大学の前期に担当した二つの講義「ゲーム学I」と「シリアスゲーム論」の成績評価と、郡淳一郎さんのディレクションの下、『IDEA』誌(誠文堂新光社)からご依頼いただいた原稿の準備と執筆などに明け暮れておりました。昨年の今…

さる方面からお声かけいただいて、プログラム入門の企画案を書いてみた。 ここのところ「文体百般」、「「百学連環」を読む」、「『文学論』論」と人文方面の企画が続いていたので、久しぶりにコンピュータ方面のことを考えたり書いたりするのは少しく新鮮で…

★『古典の読みかた』(岩波書店、1953/04) 岩波文庫創刊25周年を記念してつくられた冊子(非売品)。目次は以下の通り。 ・小泉信三「古典の読み方」 ・清水幾太郎「古典」 ・大内兵衛「古典と岩波文庫」 ・高木市之助「国文学の読み方」 ・桑原武夫「日本…

★田川建三ほか『はじめて読む聖書』(新潮新著582、新潮社、2014/08、ISBN:4106105829) 新潮社から見本が届く。 これは『考える人』(2010年春号)で特集した「はじめて読む聖書」に掲載されたインタヴューやエッセイから、いくつかのものを選んで編まれた…

ついでながら、新潮文庫に入っている丸谷才一作品。 ・『笹まくら』(1974/08、ISBN:4101169012) ・『日本語のために』(ま2-2、1978/10、ISBN:4101169020) ・『男のポケット』(ま2-3、1979/05、ISBN:4101169039) ・『低空飛行』(ま2-4、1980/05、ISBN:…

★丸谷才一『文学のレッスン』(聞き手=湯川豊、新潮文庫ま2-12、2013/10、ISBN:4101169128) 季刊『考える人』(新潮社)に連載された文学をめぐるインタヴューをまとめたもの。湯川豊氏を聞き手に丸谷才一(1925-2012)が、毎回「文学」のあるジャンルをテ…

★栗原信一『漱石の文藝理論』(帝國圖書株式會社、1944/11) 「後記」を見ると、戦時中の出版であり、用紙節約のために章節間を極端に詰めてあり、読みづらいが辛抱してほしいと添えてある。奥付によれば初版は5000部を刷ったようだ。なお、以下の目次は、原…

ここのところ、漱石の『文学論』を読み解くために、漱石関連書や文学理論書の類いばかり入手している。いろいろな人が『文学論』をどう読み、評価したかということがもっぱらの関心事である。それにしても漱石研究の分厚さにはいまさらながら恐れ入る。 ★『…

季刊『考える人』2010年春号の特集「はじめて読む聖書」が、このたび『はじめて読む聖書』(新潮新書、ISBN:4106105829)として書籍化されることになりました。 目次をご覧いただくとお分かりのように、わたくしを除く全員が各方面の大先生であります。なに…

東京工芸大学での二つの講義「ゲーム学I」と「シリアスゲーム論」は本日が最終回だった。 「ゲーム学I」では、そもそも「学問」とはどういうことかという検討から始めて、ゲームそのもののメカニズムを分析・記述することと、ゲームで遊ぶ際にプレイヤーの心…

ファイルコピー失敗の巻

Surface Pro2の記憶容量が足りなくなってきたので、microSDXC(64GB Class10 30MB/s UHS-I, 東芝海外向けパッケージ品)を入手して、ここに600ほどのファイル(PDF)をコピーしたところ、10のファイルが読みだせなくなった。顛末を記しておこう。 1) Surface P…

★『芸術新潮』2014年08月号第65巻第08号通巻776号「特集=女と男のヌード」(新潮社、2014/07、ISBN:B005RKGO3A) 小特集は「荒木経惟の往生写真」 ⇒新潮社 > 芸術新潮 http://www.shinchosha.co.jp/geishin/ ★『中央公論』2014年08月号第129年第08号通巻156…

行きがかり上、近代デジタルライブラリーで読める土井晩翠(1871-1952)の作品一覧をこしらえたので、こちらにもメモ。まずは著作について。ホメロス他、翻訳書は別途追記するつもり。 ★『天地有情』(博文館、明治32年04月) http://kindai.ndl.go.jp/info:…

『AERA』2014年7月28日増大号(朝日新聞出版社)に掲載の鼎談「教養とは何か」(佐藤優+斎藤美奈子+米光一成)で、米光さんが「世界を楽しむ」10冊の1冊として『ルールズ・オブ・プレイ――ゲームデザインの基礎』(上下巻、ソフトバンククリエイティブ)を…

全巻目次

今から40年ほど前に編まれた批評集。以下の当ブログ各エントリーに目次を掲げた。 編集=篠田一士、川村二郎、菅野昭正、清水徹、丸谷才一 版元=筑摩書房 刊行=1974-1975 ⇒第1巻「近代批評の成立」(1974/06、ISBN:B000J9A62Y) http://d.hatena.ne.jp/yak…

★『世界批評大系7 現代の小説論』(筑摩書房、1975/03、ISBN:B000J9A61K) ■目次 ・ミハイール・バフチーン「叙事詩と長篇小説」(川端香男里訳) ・マクス・コメレル「ドン・キホーテにおけるユーモラスな人格化」(円子修平訳) ・アンガス・ウィルソン「…

専門学校東京ネットウエイブでの夏休み前の講義もすべて終わり、次の月曜日に予定されている東京工芸大学の二つの講義(最終回)を乗り切れば、晴れてお役御免でございます。 あとはひたすら翻訳と執筆と読書をする夏にしたい所存。あと映画も、それとゲーム…

★『世界批評大系6 詩論の現在』(筑摩書房、1974/10、ISBN:B000J9A61U) ■目次 ・マリーナ・ツヴェターエワ「光の驟雨」(工藤正広訳) ・ユーリイ・トゥイニャーノフ「フレーブニコフについて」(新谷敬三郎訳) ・L.C.ナイツ「マクベス夫人には何人の子供…

ヴァチカン教皇庁図書館史料デジタル化計画

ヴァチカン教皇庁図書館による史料デジタル化計画のページ。 ⇒Vatican Library Digitization Project http://digital.vatlib.it/en/