岩波文庫を集め読む

いつの頃からか、岩波文庫をすべて集め読もうと思うようになり、1990年代半ばころからはとりあえず毎月の新刊を欠かさず手にとるようにしています。また、たまさか目にした既刊書目も入手して読んできました。

とはいえ、1927年の創刊で全体としては6千点ほど刊行されているという一大古典文庫だけに、新刊書としては書店に並ばず、古本でも意識して蒐集しないと出会わないものが多々あります。

これまでのところ、青帯(日本思想・東洋思想・仏教・歴史・地理・音楽・美術・哲学・教育・宗教・自然科学)と白帯(法律・政治・経済・社会)はかなり揃えていたので、まずはこれら比較的未入手・未読書目が少ない方面について積極的に探すことにしました。

こんなとき便利なのが『岩波文庫解説総目録1927~2016』(岩波書店、2017)です。同書を頼りに確認しつつ、2016年までの記録なので、その後現在までの分を自分で補完しながら使っているのでした。

岩波文庫の全巻を見渡すことには、これを読むという直接の目的の他に、学術の歴史を見渡すためのマップをつくる基礎データとする、という間接的な目的もあります。

もちろんそうはいっても岩波文庫において手薄な方面もありますので、これだけで済むことではありません。実際、「これも岩波文庫に入るといいな」と思う書目もあれこれあります。

しかし、目下のところこれだけの規模で古今東西の古典を集めている日本語の叢書はおそらく他になく、そのような意味でもベースの一つに選んでみているわけでした。そのつもりで眺めてみると、世界各国に同様の叢書があるので、それらとも照合したいと考えています。

岩波文庫については、創刊100年となる2027年までには、完全網羅とまでは行かないまでも、「あとはこれらの見つからない本が何点か残った」という状態にしたいと念じております。

なんの話か分からなくなりました。

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