書評『ハイブリッド・リーディング』(新曜社)

『週刊読書人』の2016年11月18日号(3165号)に書評を寄稿しました。

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★日本記号学会編『ハイブリッド・リーディング――新しい読書と文字学』(新曜社、2016/08)

 

書名の「ハイブリッド・リーディング」とは、従来の紙を用いた読書と、デジタルの各種装置を用いた読字とを両者とりまぜながらの読書という含意です。


多様な論考がまとめられた論集の書評は、ひとつひとつの論考を検討するだけの紙幅がない場合、どう書いたものか、なかなか考えさせられます。


といっても結果的には、書評を読んだ人に、どんな本かということと読みどころを伝えて、「自分でも読んでみようかな」と感じてもらえるようにするといういつも通りの方針で書いております。

 

同書の詳しい目次などについては、下記の新曜社のページをご覧くださいませ。

 

www.dokushojin.co.jp

 

⇒新曜社 > 同書の紹介ページ

 http://www.shin-yo-sha.co.jp/mokuroku/books/978-4-7885-1486-7.htm

 

気になるウェブページをどう整理するかモンダイ

来年とりかかる本のために、こうした種類の写本や書物をたくさん目にしたい所存。

blogs.bl.uk

 

気になるウェブページを見つけたとき、どう整理すればよいか、いまだに試行錯誤中。

とりあえずどこかに放り込んでおいて、必要に応じて検索という方法は、どうやらいまの私には向いていないようだと分かってきた。というのも、放り込んだきり忘れてしまうからだ。デジタルデータは、思い出すきっかけがほとんどないので、単に忘れていってしまいがちなのがモンダイといえばモンダイ。

ブラウザのブックマークも随分分類・整理をしてみたけれど、これもよく見るページばかりに目がいって、せっかく細かく整理したものも、あまり活用しないような気がしている。

デジタル環境のなかで、自分の記憶の構築に資するような道具はどうしたらつくれるか。これが年来なんとかしたいと念じているモンダイのひとつなのでありました。

「人文的、あまりに人文的」第7回

東浩紀さんが編集長を務めるメールマガジン「ゲンロンβ8」に、吉川浩満くんとの連載書評対談「人文的、あまりに人文的」の第7回を寄稿しました。

今回は、エピクテトス『人生談義』(鹿野治助訳、岩波文庫)、エミール・ブレイエ『初期ストア派哲学における物体的なものの理論』(江川隆男訳、月曜社)をご紹介しています。

この連載では、毎回2冊の本を選んで、吉川くんと私でおしゃべりをしながら、概要や読みどころなどをお伝えしています。

先日、東編集長から「あの対談、どうやって書いてるの?」とお尋ねいただきましたが、毎回二人で喫茶店に集まって対談を録音しています(笑)。

もう何回か続いたら、ブックフェアなどを開催できないだろうかなどと吉川くんと話し合ったりしております(夢想しがち)。

お楽しみいただければ幸いです。

 

ゲンロンβ8

ゲンロンβ8

  • 作者: 東浩紀,黒瀬陽平,渡邉大輔,小松理虔,吉田雅史,山本貴光,吉川浩満,西田亮介,溝口力丸,横山宏介
  • 出版社/メーカー: 株式会社ゲンロン
  • 発売日: 2016/11/10
  • メディア: Kindle版
  • この商品を含むブログを見る
 

 

人生談義〈上〉 (岩波文庫)

人生談義〈上〉 (岩波文庫)

 

 

初期ストア哲学における非物体的なものの理論―附:江川隆男「出来事と自然哲学 非歴史性のストア主義について」 (シリーズ・古典転生)

初期ストア哲学における非物体的なものの理論―附:江川隆男「出来事と自然哲学 非歴史性のストア主義について」 (シリーズ・古典転生)

 

 

そして、これに関連して、2016年12月07日(金)の夜に、ゲンロンカフェで鼎談を行うことになりました。

peatix.com

この三人は、去年の11月に紀伊國屋書店の「紀伊國屋じんぶん大賞2016」のプレイベント「「じんぶん」のモンダイを語る――2015年の人文書を振り返って」(紀伊國屋書店、2015/11/22)で鼎談をしたのでした。

2016年(2015年の12月以降)の人文書をはしからはしまで振り返りながら、各種話題をふりかえり、整理・展望してみたいと思います。遊びに来ていただけたら幸いです。

 

なお、紀伊國屋書店では「紀伊國屋じんぶん大賞2017」の募集がはじまっています。私も投票しようっと。

www.kinokuniya.co.jp

コレクションに映り込む

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Pinterestを使ってみてちょっと驚いたのは、自分の知らない自分の姿が浮かび上がることだった。

そのつど気に入る画像を選んでクリップ(ピン)しているだけなのだけれど、数が増えてくると、そこになにがしかの傾向やパターンが見えてくる。

そんなの当たり前じゃんといえばその通り。

でも、実際に並んだ画像を眺めてみると、自分でも知らなかった自分の一面を見ているようで、不思議な心持ちになる。「へぇ、私ってこういう色が好きなんだ」とかいって。

もっとも、これは画像に限ったことではなくて、コレクションの類には自分の姿が映り込むものかもしれない。

10月の予定

毎度お騒がせして恐縮です。
自分でもよく分からなくなってきたので、10月の予定をまとめてみました。

 

★ブックフェア

 09月26日(月)から開催中
 じんぶんや選書フェア「知と言葉の連環を見るために」@紀伊國屋書店新宿本店
 冊子も配布中です
 https://www.kinokuniya.co.jp/c/20161007134952.html


★三宅陽一郎さんと対談@B&B
 10月07日(金)
 「文系/理系の枠を超え、分化していく世界を つなぎとめる」
 『「百学連環」を読む』(三省堂)『人工知能のための哲学塾』(ビー・エヌ・エヌ新社)W刊行記念
 http://bookandbeer.com/event/20161007_bt/


★ドミニク・チェンさんと対談@ WIRED CONFERENCE 2016
 10月19日(水)
 「西周と知の新しい地図」
 http://wired.jp/futuredays2016/


★東雅夫さん、磯崎純一さんと鼎談@「本迷宮」展スペシャルトーク
 10月27日(木)
 「本を巡る不思議な物語」
 https://www.takeo.co.jp/exhibition/mihoncho/detail/20161021.html


★大澤聡さんと対談@ゲンロンカフェ
 10月28日(金)
 「ほんとうの本の読みかた——『百学連環』から知を再編成する」
 http://peatix.com/event/203228


どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

「百学連環」を読む

「百学連環」を読む

 

 

「人文的、あまりに人文的」第6回

東浩紀さんが編集長を務めるメールマガジン「ゲンロンβ7」に、吉川浩満くんとの連載書評対談「人文的、あまりに人文的」第6回を寄稿しました。

今回は、パスカル、アルチュセールを俎上に載せております。

はやいもので連載開始から半年が経ちました。引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。

なお、特設サイトでは、小松理虔氏の連載「浜通り通信 #43 10万年の憂鬱」が全文公開されています。

 

genron-tomonokai.com

三宅陽一郎さんとの対談

去る10月07日(金)に下北沢の書店B&Bで三宅陽一郎さんと対談をしました。『「百学連環」を読む』(三省堂)、『人工知能のための哲学塾』(BNN)の刊行記念イヴェントです。

お越しいただいたみなさま、一瞬でも「行ってみてもいいかな?」と思ってくださったみなさま、ありがとうございました。

三宅さんが、知識はどんどん更新されて変わってゆくものだが、自分が抱いている「問い」は残り続けるものであり、だからこそ問いのネットワークをつくってゆくことこそが肝心だと指摘していたのは、我が意を得たりでございました。

百学連環の「連環」について、具体的な検討もしたいと念じていたのですが、これは時間切れで話し合えずに終わった点。また、人工知能と百学連環の関連では、心脳問題がひとつの大きな課題となります。これについても議論を深めたいと思います。

三宅さんとは話してみたいことが山ほどあるので、いずれどこかで続きをしたいと思います。

なお、今回の対談については、togetterにtwitterの関連ツイートがまとめられています。

サムネイルに見えているのは、三宅さんがつくった「三宅的百学連関図」です。

togetter.com

イヴェントの際にお伝えしようと思って失念しておりましたが、目下、三宅さんと私とで、人工知能のための百学連環とでもいうべき本を共著で執筆中です。おたのしみに :-)

 

■関連書 

人工知能のための哲学塾

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絵でわかる人工知能 明日使いたくなるキーワード68 (サイエンス・アイ新書)

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「百学連環」を読む

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脳がわかれば心がわかるか (homo Viator)

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