三省堂書店が、「クラブ三省堂カード」というサーヴィスを開始した。たまさか通りがかった書店で入会手続きを受け付けていたので、もののついでと登録してみた。


サーヴィス内容はというと――


入会申し込みは無料(年会費などもない)で、登録するとIDがふられたカードが発行される。三省堂書店で書物(ISBN, ISSNがついているものに限られるようだ)を購入するさいにこのカードを提示すると、ポイントをもらえる。


得られるポイントは、1冊購入ごとに3ポイント。100ポイントごとに、三省堂書店で使える商品引換券(300円分)と交換(もしくは、提携クレジット・カードのポイントに換算)できるというから、34冊ごとに300円という計算である。


会員になると、上記のほか三省堂書店のサイトに、自分の購入履歴が蓄積されるという。このサーヴィスは、カード発行から二週間後に利用できるとのことで、まだ試用していない。果たしてどういうメリットがあるだろうか? って、自分が三省堂書店で買った本の履歴が分かる、ということは言い換えると、三省堂に登録者の消費傾向を把握するためのデータが蓄積される、ということか。


新刊書店でなにかしらのポイントなどが得られるサーヴィスとして私が知っているのは、ブックファースト(特定クレジットカード決済で割引)、リブロ(西武百貨店での買い物同様クラブオンカードに価格の1%のポイントが累積)のふたつだ。


(版元が主催しているものとしては、藤原書店の藤原ブッククラブ〔購入金額の10%——ただし入会金2000円〕や、国書刊行会〔購入金額の5%を基本として、0%-10%で変動〕などがある)


三省堂のカードのミソは、書籍の金額ではなく冊数でポイントになるところだ。壱万円の書籍も、三百円の雑誌も3ポイント。ポイントの利得だけを考えるなら、小額のものは三省堂、それ以外はリブロというのが合理的な選択だろうか。


類似したサーヴィスは、電器量販店やCDショップなどではさまざまに工夫が凝らされていて、自分の経験では、そうしたお店の場合、「同じ商品を買うならポイントを貯めているXXで買おう」という選択が働きやすいように思う(といっても、もちろん品揃えがしっかりしていることが大前提なのだが)。


では書店でも同じような選択が働くかというと、自分の場合はそこまではいかない気がする。これは感覚的なことにすぎないけれど、三省堂の新しい試みを含めて、現状のサーヴィスではお得感がうすい。


書店側にはなにか縛りがあっていま以上のことを出来ないのか、単にサーヴィス後進業界なだけなのか、外側からはいまひとつ判別がつかない。もっとも、書店で本を買うお客のほうも書店にそうしたサーヴィスを要求しているわけではない(書店ではサーヴィスがないことが当然だと思うように条件づけられている?)ので、どっちもどっちかもしれないけれど。


三省堂書店 > クラブ三省堂
 http://www.books-sanseido.co.jp/club_sanseido/index_cssd.html


ブックファースト
 http://www.book1st.net/sound_info.html


⇒webリブロ
 http://www.libro.jp/


⇒藤原書店
 http://www.fujiwara-shoten.co.jp/index_2.html


国書刊行会
 http://www.kokusho.co.jp/index.html