東工大に着任して4年目になりました

東京工業大学に着任して4年目となりました。

第1クォーターは「立志プロジェクト」と「哲学B」を担当します。

また、昨年度に続いて、伊藤亜紗さんが率いる「未来の人類研究センター」で活動します。

そういえば、今年は吉川浩満くんと最初の本である『心脳問題 「脳の世紀」を生き抜く』(朝日出版社、2004)を刊行してから20年目でもありました。つまり、物書きになってからそれだけの時間が経ったわけで、こう書きながら自分でもちょっとびっくりします。

ほとんど当人以外の人にはどちらでもよいようなことではありますが、赤井茂樹さんのディレクションの下、『心脳問題』を執筆・刊行したあとで、吉川くんと「他に書きたいことがあるでもなし、これが続くとは思えないよね……」(大意)と話し合っていたことを思い出します。

2004年に10年勤めたコーエーを辞めたあと、しばらくぶらぶらしたら、またどこかのゲーム会社に入ってゲームをつくるつもりでいました。

ところが、ぶらぶらしている間に専門学校に呼ばれて先生のようなものになり、やがて大学にもお呼びいただき、そうこうするあいだも、どうしたわけだか物書きのご依頼があり、気がつけばこれらの仕事を続けて今日にいたるわけです。そういう意味では、先生のようなものになって20年目でもあります。

思えば自分で積極的に(というか実際には消去法で)選んだ仕事は、大学卒業後に入社したコーエーでのゲーム開発だけで、その他はいずれもそのつどの偶然というか、成り行きでそうなった、てなものです。

そんなエエカゲンな人生を歩んできているので、学生たちに将来のヴィジョンや志をもとうといったことは、少々話しづらくもあり、そうしたことを口にする場面では、率直に伝えるようにしています。私がいま大学生だったら、ゲーム会社に入れないかもなあなどと思いながら。

なにはともあれ、引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。