蒐書録#026:グスタフ・マイリンク『ワルプルギスの夜――マイリンク幻想小説集』ほか

国書刊行会の新刊を3冊。

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★グスタフ・マイリンク『ワルプルギスの夜――マイリンク幻想小説集』(垂野創一郎訳、国書刊行会、2017/10)

 「I 初期短篇」(5作品)、「II ワルプルギスの夜」、「III 白いドミニコ僧――見えないものの日記から」、「IV 後期短篇」(3作品)、「V エッセイ」(5作品)からなる豪勢な1冊。本文の紙の手触りが少ししっとりした感じで手に馴染む気持ちよさ。装幀は柳川貴代さん。寝しなに少しずつ読もう。

 マイリンクの手に入りやすい既訳書に『ゴーレム』(今村孝訳、uブックス、白水社、2014)もあります。

 

★J. G. フレイザー『金枝篇 呪術と宗教の研究 第7巻 穀物と野獣の霊 [下]』(神成利男訳、石塚正秀監修、国書刊行会、2017/10)

 J. G. Frazer, The Golden Bough: A Study in Magic and Religion, 3rd edition (1936)

 全10巻+別巻1の予定で刊行中の『金枝篇』第7巻。装訂は山田英春さん。

 ゲームデザインを志す学生のみなさんは、レヴィ=ストロースの『神話論理』とフレイザーの『金枝篇』も目を通しておくといいですよ、とお伝えしたりもしておりますが、いずれも自分で買えるようになるのは勤め始めてからかもしれません。

 私は学生の頃、『アリストテレス全集』(岩波書店の旧全集)が欲しくてなりませんでしたが、そんなお金はないので図書館で借り続けて読んでおりました。会社勤めをするようになって、最初にもらったボーナスで買ったものの一つがこれでした。

 という具合に、すぐには手に入れられなくても、「いつか書棚に置くぞー」という気持ちがあるのも悪くないのではと思ったりもしております。

 

★アレイスター・クロウリー『[新版] 麻薬常用者の日記I――天国篇』(植松靖夫訳、国書刊行会、2017/10)

 Aleister Crowley, The Diary of A Drug Fiend: Book-I Paradiso (1922)

 国書刊行会から刊行された「アレイスター・クロウリー著作集」第3巻「麻薬常用者の日記」(1987年07月)の改訳新装版が3分冊で登場。装幀は小林剛さん。

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(カヴァーをとった状態。ラベルは別途印刷したものを貼り込んである)

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(表紙と扉のあいだにある遊び紙は、麻布を思わせる紙)

全3冊を購入して応募券を送ると、全巻購入者特典として、特製収納BOXをもらえるとのこと。その説明をした紙片(栞)の宛先を読んで笑ってしまったものだから、写真に撮ってtwitterに投稿したのが以下のツイート。