★『東京人』no.216、2005年7月号(都市出版)
特集は「新宿が熱かった頃 1968-1972」。
唐十郎、若松孝二、宇野亜喜良、小室等、原田芳雄、J.A.シーザーへのインタヴューのほか、四方田犬彦+福間健二の対談、鹿島茂、寺田博、御厨貴のエッセイで構成。
こんなに近い時代なのに、後から来た者にとってはなぜそんなにも熱かったのか、なぜ新宿なのか、不可解というほかにない。当時を語ってくれる人びとの言葉、時代の刻印を受けた書物や映画や音楽は貴重な資料だ。本号の特集もありがたく拝読。
お話しは変わって。
同誌掲載の結城信孝氏による書評で、P.G.ウッドハウス(P.G.Woodehouse, 1881-1975)のことを思い出す。
そう、今年の二月に国書刊行会から待望の『ウッドハウス・コレクション』(全3巻)の第一弾、『比類なきジーヴス』(森村たまき訳、国書刊行会、2005/02、amazon.co.jp)が刊行されたのだった。
今年の二月にそのパンフレットを頂戴して、やや興奮しながら拙ウェブログに引用した広告文をもういちどここに引いておこう。
《モンティ・パイソン》や《ミスター・ビーン》の源泉ともいわれる報復絶倒のウッドハウス(1881-1975)の小説の中でも、最高に面白い〈ジーヴス物〉から傑作3編を厳選した待望のコレクション。
『モンティ・パイソン』の源泉と言われて読まずにおくわけにはいかない。
そのウッドハウスの作品、ぼやぼやしているうちにこんどは文藝春秋からも「P.G.ウッドハウス選集」なるシリーズの配本がはじまった。第一巻は『ジーヴズの事件簿』(岩永正勝+小山太一訳、文藝春秋社、2005/05、amazon.co.jp)。
ジーヴスとジーヴズで、濁点の有無というちがいはあるものの、どちらかがバッタものというわけではありませぬ。
⇒東京人
http://www.toshishuppan.co.jp/tokyojin.html
⇒国書刊行会
http://www.kokusho.co.jp/