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羅永生『誰も知らない香港現代思想史』(共和国)



★羅永生『誰も知らない香港現代思想史』丸川哲史鈴木将久+羽根次郎編訳、共和国、2015/08、ISBN:4907986092


共和国の第8弾は、『誰も知らない香港現代思想史』。羅永生(Law Wing-ang, 1958- )の論集。

香港と日本との付き合いは、戦前から戦後にいたるまで、一貫して非常に緊密でした。ところが、以下に明らかな原因のせいで、戦後の交流は主として流行文化と経済・貿易に限られました。政治と社会内部の状況については、相互の理解はとても不足しているのです。


(中略)


私は本書で、香港人がさまざまな段階でそれぞれの時代の歴史的テーマにいかに向き合ったかについて、整理し、反省し、さらには批判を加えました。各論考のなかで、植民・冷戦・返還などの大きな歴史的背景、およびその中での社会運動、市民意識や主体性の成長といった問題を論じています。こうした問題は、アジア・太平洋の歴史のダイナミズムの中にいる香港の問題ではありますが、実のところ、他の国や地域でもかつて直面した、あるいは現在直面している問題なのです。香港からの観察と反省が、他の地域の友人たちになにがしかのヒントを与え、ともに議論を進める基盤を築けたらと願っています。

(「はじめに」より)


■目次


目次は以下の通り。

・はじめに


I
・香港現代思想史――「本土意識」の歩み


II
・冷戦下の脱植民地化――香港「中文公用語化運動」の詳細
・六〇、七〇年代香港の返還言説


III
・七・一をふりかえる――市民共和のポストコロニアルな主体性の議論とともに
・香港は「国民教育運動に従わない」
・勇士の凱旋に際して保釣をふりかえる
・コンセンサスが崩れた新選挙文化


IV
・バーチャル・リベラリズムの終結
植民地主義――一つの見失われた視野
・主体性をもった本土性に向けて


・香港現代史略年表


・解説 方法といての香港――あとがきにかえて(丸川哲史


なお、本書は羅永生『殖民家国外』(Oxford University Press (China), 2014)所収の論考を中心に編んだ日本語オリジナル版とのこと。


■書誌

著者:羅永生
書名:誰も知らない香港現代思想
編訳者:丸川哲史鈴木将久+羽根次郎
ブックデザイン:宗利淳一
頁数:358pages
版元:共和国 editorial republica
発行:2015年08月30日
価格:2700円+悪税


■その他の著作


・『殖民無間道』(2007)
・Collaborative Colonial Power: The Making of the Hong Kong Chinese, (2009
・『殖民家国外』(2014)
・『勾結共謀的殖民権力』(2015)


■関連リンク


⇒嶺南大學 > Department for Cultural Studies > Staff > 羅永生
 http://www.ln.edu.hk/cultural/staff/law-wing-sang/
 プロフィールと業績一覧など。


⇒MATアジア現代思想計画 > resources > 羅永生
  http://matnt.org/resources/name/%E7%BE%85%E6%B0%B8%E7%94%9F%E3%80%80law-wing-sang/


⇒共和国
 http://www.ed-republica.com/