重版と翻訳



2008年に刊行した『ゲームの教科書』(馬場保仁との共著、ちくまプリマー新書98、筑摩書房、2008/12/10、ISBN:4480688021)の重版が決定しました。ご愛読に感謝します。ありがとうございます。


主にコンピュータゲームを念頭に、ゲームとはなんだろうか、あれだけのものをいったいどうやって作っているのか、といったことを中心に、予備知識ゼロの状態からゲームについて知り、考えてみるための基礎を提供しようと考えてこしらえた本です。専門学校などで、ゲームの作り方を教えるなかで、例年必ず最初に伝えていることをまとめています。


また、同書は幸いにも韓国語に翻訳されることになりました。先ごろ、翻訳の契約書に署名をしたところです。


産業としてのゲーム業界の動向や技術については、以下の2冊をお勧めします。



『デジタルゲームの教科書――知っておくべきゲーム業界最新トレンド』ソフトバンククリエイティブ、2010/05、ISBN:4797358823
★松井悠『デジタルゲームの技術――開発キーパーソンが語るゲーム産業の未来』ソフトバンククリエイティブ、2011/07、ISBN:4797363231


ゲームに関することとしては、目下下巻を翻訳中のルールズ・オブ・プレイソフトバンククリエイティブ)の完成を目指しています。


また、『ゲームの教科書』の延長上のこととしては、具体的なゲームを何本か選んで、これをとことん分析し、そのゲーム設計を検討するような文章を書いてみたいと思います。そうした具体例を通じて、『ゲームの教科書』では大まかにしか論じられなかったゲームにおける潜在性/顕在性の問題なども展開できたらと念じております。


加えて、そろそろ再びゲームをつくるべく(ただし今度は会社ではなく個人で)、少しずつ準備を進めています。一つは、建築とカフカをテーマにしたゲームを考えているところ。企画、プログラム、グラフィック、サウンドを一人でやるので、ゆるゆると盆栽を育てるようにつくりあげてゆくつもり。とりあえずVisual Studioを2010にアップデートしました(そこか)。


⇒筑摩書房
 http://www.chikumashobo.co.jp/

プロフィール欄を更新


当人以外の人類にとっては、ほぼどうでもよいことではありますが、当ブログのプロフィール欄に、最近の仕事と予定を追記しました。


主に『考える人』での連載次回分と、寺田寅彦に関する原稿2点についてです。寺田寅彦については、一夏を使って少し大きめの作業をしてみました。これについては、また書いたものの掲載が近づいたら述べてみたいと思います。


上に勢いで「当人以外の人類にとっては」などと書きましたが、過去にこしらえたものがきっかけとなって、将来の仕事が生じたりすることが少なくないからまったく油断がなりませぬ。


そもそも、朝日出版社の赤井茂樹さんのお声かけがなかったら、『心脳問題』を書かせていただくこともなかったし、同書がなければ『考える人』とのおつきあいもなく、その他の著作も生まれなかったはずであります。また、(繰り返し申すことではありますが)元『ユリイカ』誌編集長の郡淳一郎さんが、武村知子さんに私を引き合わせてくださらなかったら、一橋大学で講義をすることもなかったはずであり、つくづく人の縁というものは、奇なるものであることだなぁと思うのでありました。


ところで左の欄にtwitterのツイートを表示するようにしてみました。Facebookにもおりますので、お声かけくださいませ。


できれば自分以外のことについて書きたいのですが、ついお知らせが多くなり、恐縮です。


⇒作品メモランダム > プロフィール
 http://d.hatena.ne.jp/yakumoizuru/about