★『イレイザー・ヘッド』(Eraserhead、1976、アメリカ、85分)
監督・製作・脚本・特殊効果・編集=デヴィッド・リンチ/撮影=フレデリック・エルムス+ハーバード・カードウェル/音楽=ピーター・アイヴス/美術=デヴィッド・リンチ+ジャック・フィスク/出演=ジョン・ナンス(ヘンリー)+シャーロット・スチュアート(メアリー・X)+アレン・ジョゼフ(Mr.X)+ジーン・ベイツ(Mrs.X)+ジュディス・アンナ・ロバーツ
ヘンリーは女友達のメアリーXから妊娠を告げられる。生まれた(?)子供は魚のような顔に細長い頚、とっくりのような形の身体を持った生き物だった。夫婦は「子供」がそのような生き物であることについて煩悶せず面倒を見る。夜泣きに頭を痛めることはあるけれど、それは「子供」が人間ではない生き物だからではないようだ。そもそもなぜその「子供」の頚から下は包帯で巻かれているのか(その下にはどのような身体があるのか)。
ヘンリーの頭部がもげたとき、その下から「子供」と同じ生き物が顔を出す。さては寄生獣? 「子供」は寄生に失敗した生き物だったのか? と意味づけを試みるも、そんな頼りのない物語は爆発するイメージに押し流されてしまう。それで何度も観る。観てはむわわとなる。まだデヴィッド・リンチがいるから大丈夫だ、とへんな安心をする。
今回はカリフラワーみたような髪型のヘンリーがエイゼンシュテインに見えてしまい。