法政大学出版局、2005年4月の新刊より。



★中才敏郎編『ヒューム読本』法政大学出版局、2005/04、amazon.co.jp

イギリス経験論哲学の主峰、ディヴィッド・ヒュームの思想世界を多角的に照らし出し、最新の国際的研究も踏まえ書き下ろされた、待望の読解・研究入門。中才敏郎「生涯と著作」、神野慧一郎「ヒュームの哲学的立場」、一ノ瀬正樹「自由・偶然・必然」、石川徹「ヒュームの情念論」、伊勢俊彦「ヒューム、その道徳哲学の視野」、坂本達哉「ヒュームにおける社会科学の生誕」のほか、真船えり・久米暁・壽里竜3氏の論考を収む。研究案内・関係年譜を付す。


★フリートマル・アーペル『天への憧れ——ロマン主義、クレー、リルケベンヤミンにおける天使』(林捷訳、叢書・ウニベルシタス817、法政大学出版局、2005/04、amazon.co.jp

本来不可視である天使が形象化されるのはなぜか。啓蒙主義による理性の強制に対する反抗の形象として出発し、近代から現代にかけて次第に世俗化する天使シンボリズムの文脈の中で、ロマン主義による天使描写の意味を探るとともに、リルケ、クレー、ベンヤミンにおける実存的な天使を論じ、神の死が喧伝される現代において〈天への憧れ〉はいかに変容したかを問う。


★マリー・カリウベルクソンバシュラール(永野拓也訳、叢書・ウニベルシタス818、法政大学出版局、2005/04、amazon.co.jp

フランス科学哲学の展開に重要な役割を果たした二人の思想家を取り上げ、ベルクソンバシュラールによって、バシュラールベルクソンによって「読解」してゆく試み。イメージと隠喩、直観と否定、認識論と形而上学などの主題をめぐって、テクストを介した両者の「対話」を目論み、二つの思想の結節点を探りながら、広く哲学を「読む」ための手引きを与えてくれる。