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第4回 潜在するもの/顕在するもの(続)


第4回は、前回に引き続き、「潜在するもの/顕在するもの――コンピュータ・グラフィクス」というテーマでの検討をしました。


コンピュータを用いた映像で特に興味深いのは、リアルタイムで生成される映像です。コンピュータ・ゲームは、その分かりやすい例です。つまり、プレイヤーがゲームで遊ぶつど、その場その場で必要に応じて映像が生成(合成)されるという仕組みであります。


その実例として、まずはフラクタル図形を見ながら、それがどのような仕組みで描出されているのかをごく簡単に解説してみました。幸い、「ぐるぐるまんでる」というフリーソフトがネット上で公開されています(制作は岩美屋さん)。自分のコンピュータ上で、マンデルブロ集合(図形)をリアルタイムに生成してくれるソフトです。これを使うと、マウス操作一つで、図形を拡大縮小しながら、「インターネットの地図ソフトで世界を旅するように、マンデルブロ図形の世界を自由に観光し、探検することができます」(岩美屋さんの紹介ページより)。


また、どう見ても有機物に見えるフラクタル図形などを数点眺めながら、それがコンピュータ・グラフィクスによる風景を描くさいに用いられることや、ある種の経済学などでフラクタルの考え方が使われることなどにも言及しました。


次に、『スーパーマリオブラザーズ』を例にとり、この画面がどのようにつくられているかということを論じて、ROMカートリッジ(いまであればDVD-ROMやブルーレイディスクなど)に記録されているデータの塊が、いかにしてコンピュータのメモリ(記憶装置)上で合成され、そしてテレビ画面に表示されるのかといった理路をご紹介。


データとプログラムという形で「潜在」するものが、プログラムによってそのつど画像として「顕在」するという次第。三次元のグラフィクスでも、基本的な考え方は同じですが、ただ画像を合成する際の手間が違うのでした。その辺りのごく基本的な仕組みを話したところで時間切れ。


次回は、予定通り次のテーマに進みますが、今回扱った「潜在生」という概念は、この後も別のかたちで繰り返し取り上げることになると思われます。そのためにも、もうちょっと筋金を通す意味で、アリストテレス先生が検討した「潜在性(可能態/潜勢態)」について、次回冒頭で議論してみたいと思います。


⇒ぐるぐるまんでる
 http://hp.vector.co.jp/authors/VA031061/gmand/