シュルレアリスムについて



今週から、一橋大学の大学院生有志との自主ゼミが、本格的に始まりました。


初回のテーマは「シュルレアリスム」とのことで、私から前座として教科書的な整理を申し上げ、ああでもないこうでもないと議論を進めたのでありました。


話し合っているうちに焦点となったのは、「現実」と「無意識」でしょうか。シュルレアリスムは、「超現実主義」とも訳されるように、「現実主義」なるものへの異議申し立てでもあるわけです。では、そこで言われる「現実」とはなにか。


また、その際、シュルレアリスム運動の主要メンバーであるアンドレ・ブルトンは、意識や理性(合理主義)が切り捨てて顧みないもの、人間精神の「無意識」と呼ばれる領域にこそ、創造性の大きな源があると称揚したわけです。では、ここで言われる「無意識」とはいったいなんであるのか。いまそれは、どのような扱いを受けているものなのか。


そんなことについて、参加者が目下取り組んでいる研究対象(必ずしもシュルレアリスムには直接関係のない対象)に照らしつつ、検討してみる3時間でした。