★ontology?

遺伝子関係の記事を読んでいるとしばしば「オントロジー」にでっくわす。


「へぇ、とうとう遺伝子生物学も存在論を問題にするところまできましたか」(莫迦)――と感銘をうけそうになったのだが、そうではない。


どうも哲学の文脈とは関係なく、オントロジーという言葉が用いられているようだ。


たとえば、今週の『nature』に付録でついてきた『nature genetics』volume 32 , The Chipping Forecaast II日本語版(DNAマイクロアレイ技術を特集した論文集)に掲載されている「マイクロアレイデータベース:標準化とオントロジー」(Microarray databases: standards and ontologies)という論文に、こんな説明が出てくる。

マイクロアレイ実験に使用される概念には、統制語彙だけでは特定不能なものもある。例えば、Arabidopsis thaliana〔シロイヌナズナ学名――引用者註〕の実験では、'age' が時間の単位(例えば、日)なのか、数(例えば、7)なのか、年齢を測定する時期(例えば、植え付け後)を表すのかを特定する必要がある。概念そのもの、そして概念間の相互関係を表現したものをオントロジーと呼ぶ。オントロジーは、ビジネスや臨床現場のように、成果物や患者情報が異なったコンピュータシステム間で日常的に交換される場で広く使用されている。マイクロアレイ実験のオントロジーは、等価性を認識するためだけではなく、データに基づく計算機的推論に使えるかもしれない

へぇ(ポカーン)。


あれですか、「Quolia」が SONY登録商標です、というようなノリなんでしょうか。


ついでに、こんな論文もありました。


★亀山聡「オントロジーを用いた生物医学文献からの知識抽出手法に関する研究」(修士論文、2003/02)[PDF]
 http://www.jaist.ac.jp/library/thesis/ks-master-2003/paper/kamegai/paper.pdf


この論文では、こんな風に解説されています。

生命科学におけるオントロジーとは、生命科学における概念を抽出し、概念の属性と関係について、人間と計算機が理解できる形で記述したものである。そして、これまで蓄積された知識を洗い直し、生物種間に共通の性質を取り出して、その性質を形式的に記述することである。

で、この箇所の参照文献として――


★高井貴子+高木利久 "生命科学のためのオントロジー"(『実験医学』Vol.19 No.11, pp.47-53, 2001)


があげられています。


ますますわからなくなってまいりました。 寝ます。orz

★Ontology Working Group
 http://mged.sourceforge.net/ontologies/index.php