★『作家主義――映画の父たちに聞く』(奥村昭夫訳、リブロポート、1985/11)
La Politique des Auteurs (Editions Champ Libre, 1972)
雑誌「カイエ・デュ・シネマ」に掲載された映画作家へのインタヴューを集めた一冊。すばらしく贅沢で興味の尽きないインタヴュー集。めくるめく読書体験とはこのことです。映画作家のことばはどうしてこんなにおもしろいのだろうか。以下に構成を記してみます。
・「ジャン・ルノワールに聞く」(1957)
聞き手=ジャック・リヴェット+フランソワ・トリュフォー
・「ロベルト・ロッセリーニに聞く(その1)」(1954)
聞き手=モーリス・シェレール+フランソワ・トリュフォー
・「ロベルト・ロッセリーニに聞く(その2)」(1963)
聞き手=フレイドゥン・ホヴェイダ+エリック・ロメール
・「フリッツ・ラングに聞く」(1959)
聞き手=ジャン・ドマルキ+ジャック・リヴェット
・「ハワード・ホークスに聞く」(1956)
聞き手=ジャック・ベッケル+ジャック・リヴェット+フランソワ・トリュフォー
・「アルフレッド・ヒッチコックに聞く(その1)」(1955)
聞き手=クロード・シャブロル+フランソワ・トリュフォー
・「アルフレッド・ヒッチコックに聞く(その2)」(1959)
聞き手=ジャン・ドマルキ+ジャン・ドゥーシェ
・「ルイス・ブニュエルに聞く」(1954)
聞き手=アンドレ・バザン+ジャック・ドニオル=ヴァルクローズ
・「オーソン・ウェルズに聞く」(1958)
聞き手=アンドレ・バザン+シャルル・ビッチ+ジャン・ドマルキ
・「カール・Th・ドライヤーに聞く」(1965)
聞き手=ミシェル・ドラエ
・「ロベール・ブレッソンに聞く」(1966)
聞き手=ミシェル・ドラエ+ジャン=リュック・ゴダール
・「ミケランジェロ・アントニオーニに聞く」(1964)
聞き手=ジャン=リュック・ゴダール
・アンドレ・バザン「ひとはどうしてヒッチコック=ホークス主義者でありうるのか?」(1955)
・セルジュ・ダネイ「結局のところ」(1984)
★東京新聞編集局編『映画監督50人――自作を歩く』(東京新聞出版局、2001/06、amazon.co.jp)
日本の映画作家50人に、かつて自作で使ったロケ地を歩いてもらって思い出話やエピソードを語らせた本。ロケ地を再訪した作家の写真もおもしろい。たとえば原一男は『ゆきゆきて、神軍』(1987)の奥崎謙三氏宅(シャッターに「田中角栄を……」と大書してあるあの建物)前で腕組みをして写っている。
★遠藤慎吾編『女優への道』(河出新書、河出書房、1955/10)
女優たちによるそれぞれの「女優への道」を記したエッセイを編んだ一冊。執筆している女優の名前はつぎのとおり。山本安英、田村秋子、杉村春子、田中絹代、山田五十鈴、原節子、高峰秀子、岸旗江。そのほかに、内村直也による「田村秋子について」、ピエル・ベルトンによる「若き日のサラ・ベルナール」、アグネス・シュトラウブによる「父の志をついで」、イングリッド・バーグマン、ミシェール・モルガンについての文章などが収録されている。読んでいるだけで心ときめく一冊――って、きみはときめく年齢なのか?*1 というツッコミはご遠慮くださいませ。
奥付をみると「新装版第1刷発行」とあるから、実際にはもすこし前に刊行された本なのだろうか。
*1:ときめきますがなにか?