☆スーザン・A.ハンデルマン『救済の解釈学 ベンヤミン、ショーレム、レヴィナス』(合田正人+田中亜美訳、叢書ウニベルシタス812、法政大学出版局、2005/02/03、amazon.co.jp、¥7500)【思想】
ユダヤ的世界と近代世界を架橋した三人の偉大なユダヤ人思想家ベンヤミン、ショーレム、レヴィナス。現代思想に、あるいは文芸批評から宗教研究にいたる多様な分野の解釈に並外れた影響を及ぼしたこれら「三賢人」の言語、救済、メシアニズム、政治、歴史等についての思考を織り交ぜ、相互に照明させつつ読み解き、ポストモダン文化におけるユダヤ人の知的遺産を明確に示す。
☆ホミ・K.バーバ『文化の場所 ポストコロニアリズムの位相』(本橋哲也+正木恒夫+外岡尚美+阪元留美訳、叢書ウニベルシタス778、法政大学出版局、2005/02/10、amazon.co.jp、¥5300)【思想】
植民地支配の過去を都合よく忘却してきた者たちと、忘れたくとも忘れ得ない者たちとを、歴史の文脈の中で出会わせ、周縁化された「他者」や、抑圧されたマイノリティの声を歴史から掬いとる作業としてのポストコロニアリズムに、不可避の戦略と指針を提示する。サイード、スピヴァグとならび〈ポストコロニアル理論御三家〉の一人とされるバーバの主著。
★モーリス・メルロ=ポンティ『フッサール『幾何学の起源』講義 付・最新研究論集』(加賀野井秀一+本郷均+伊藤泰雄訳、叢書ウニベルシタス815、法政大学出版局、2005/02/23、amazon.co.jp、¥5300)【思想】
メルロ=ポンティの遺稿となった未発表の講義ノートを公刊して、生涯フッサールとの間で交わしつづけられた対話の全容を明らかにするとともに、メルロ=ポンティをめぐって開かれた国際シンポジウム(1995年、「可感的なもののフィギュール」)における14名の精鋭の論考を収録して、現象学の限界と新たな思考の可能性を探求したメルロ=ポンティ晩年の思想を浮彫りにする。