ヤブカラボウですが、四谷アート・ステュディウムでは、2007年度の受講生を募集中です(講義は04月20日より開始)。
同ステュディウムのカリキュラムの中に、「編集オルタナティヴ」という講義があります。これは、
「世界は一冊の美しい書物へと到るためにつくられている」として、編集とは世界をバラバラに分解し、使える素材を拾い集め、組み立て直し、世界に投げ返す技術だとする。つまり仕事を自分のものとして所有し、これしかないという形を与えて放り出さなければならない。この講座では、消費者=被害者から生産者=加害者へ反転するための手がかりとして、1年をかけて各自が自分用の「一冊の書物」を編集する。
(http://artstudium.org/kouza_workshop.htm#hensyu より転載)
という企てのもとに、郡淳一郎さんと、間美奈子さんによって主宰されるものです。
ひょっとすると映画書をつぶさに読まれる向きは、郡さんのお名前にご記憶があるかもしれません。いくつかの雑誌や書物のなかで、映画にかかわる文章を執筆されております。現在は、主に編集者としてご活躍中で、編集を手がけた作品(の一部)には以下のようなものがあります。
・『足穂映画論――フィルムメモリア・タルホニア』(フィルムアート社、1995/10、ISBN:4845995492)
・武村知子『どろろ草紙縁起絵巻』(フィルムアート社、1996/06、ISBN:484599657X)
・松本圭二『詩篇アマータイム』(思潮社、2000/08、ISBN:4783712077)
・鈴木一誌+知恵蔵裁判を読む会『知恵蔵裁判全記録――1995-1999』(太田出版、2001/01、ISBN:487233566X)
・哀川翔+谷岡雅樹『哀川翔 鉄砲弾伝説』(太田出版、2001/01、ISBN:4872335554)
・『ゴダール 映画史 テクスト』(愛育社)
・『イヴ叢書』(ギャラリー・イヴ)
・武村知子『日蝕狩り――ブリクサ・バーゲルト飛廻双六』(青土社、2004/03、ISBN:4791761049)
・雑誌『ユリイカ』(青土社、2004‐2005年編集長)
間さんは、プライベート出版局・空中線書局/アトリエ空中線を主宰される造本家・遊戯詩作家(未生響名義)。その手製本については、ぜひ同書局/アトリエのウェブサイト(http://www.cam.hi-ho.ne.jp/kuchusen/)をご覧ください。
つまり、「編集オルタナティヴ」とは、このお二人を講師として1年(毎週月曜日18:15-19:45/全28回)をかけて、受講者の一人一人が一冊の書物をつくるという講義なのです。
昨年開講とうかがって、受講して本をつくってみたいなァと思っていたのですが、なんの因果か、
ゲスト講義として、佐藤真砂(日月堂)「アナキストとしてのブキニスト」、山本貴光(哲学の劇場)「History of Ideas of Soft & Hard」、白井敬尚(グラフィック・デザイナー)「刻字・書字・活字・フォント・データ」、北見俊一(水仁舎)「人の似姿としての本」を行う。「DTPデザイン講座」との同時受講が望ましい。
(http://artstudium.org/kouza_workshop.htm#hensyu より転載)
ということで、誠に僭越ながらゲスト講義(1回)を担当させていただくことになった次第です。
ご覧のとおり、愚生以外はいずれもその道のプロフェッショナル。いったいぜんたい、どのようにお仕事をされているのか、ぜひお話をうかがいたいと思います。
こうなったらヤケだというので、書物の読み手代表として(随分心細い代表ではありますが! と申しますか勝手に代表するなという話も)未来の編集者・ブックデザイナーの卵のみなさんに向けて、どいういう書物をこしらえていただきたいかということをお願いしてこようと思います。
小生の話はともかくとして、この講義、あるいは四谷アート・ステュディウムにご関心のある向きは、下記ウェブサイトをご覧あれ。
⇒四谷アート・ステュディウム
http://artstudium.org/
⇒日月堂
http://www.nichigetu-do.com/