連載「プロムナード」(「日本経済新聞」夕刊、毎週火曜日)

「日本経済新聞」夕刊の「プロムナード」コーナーで、1月から6月まで連載を担当いたします。

 

同コーナーは、月曜日から土曜日まで、曜日ごとに執筆者が決まっておりまして、こんな具合です。

月曜=佐伯泰英(作家)
火曜=山本貴光(ゲーム作家)
水曜=村田沙耶香(作家)
木曜=東多江子(脚本家)
金曜=東浩紀(批評家)
土曜=望月京(作曲家)

わたし以外がすごいメンバーでいささかの不安を禁じ得ませんが、楽しんでいただけるようなエッセイを書いて参りたいと念じております。

 

1月9日に第1回が掲載される予定です。

 

どうぞよろしくお願い申し上げます。

ウェブ公開「来たるべき文学のために――『文学問題(F+f)+』(幻戯書房)刊行を機に」

ご機嫌いかがお過ごしでしょうか。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

先だって「週刊読書人」に掲載された服部徹也さんとの対談「来たるべき文学のために――『文学問題(F+f)+』(幻戯書房)刊行を機に」が、同紙ウェブサイトでも公開になりました。

1月1日より、全6回に分けて更新されます。

目下は第2回まで更新されました。

最終第6回は、紙面には載らなかったボーナストラックとなっておりますので、同紙でお読みいただいた方にもお楽しみいただけるかと思います。

また、服部さんによる論文の多くは、こちらからダウンロードしてお読みいただけます。

 

2018年の展望

2017年の回顧につづいて2018年の展望をば。

 

A. 書く

目下準備中で、遠からぬ刊行に向けて作業中の本に次のものがあります。

(以下、書名はすべて仮題)

 

★三宅陽一郎+山本貴光『ゲームで考える人工知能入門』(ちくまプリマー新書)

★マリー・セットガスト『先史学者プラトン』(吉川浩満との共訳、朝日出版社)

★アンソニー・グラフトン+ダニエル・ローゼンバーグ『時間のカルトグラフィ』(吉川浩満との共訳、フィルムアート社)

 

それに続いて単著としては以下を準備中です(順不同)。

 

★『私家版日本語文法小史』

★『ゲーム原論』

★『サイエンス・トランスファー・スタイル』

★『科学の文体』

★『記憶メンテナンスのすすめ』

★『「民主主義」を読む』

★『遊びとはなにか』

★『思想の思想史』

 

共著としては

 

★『生き延びるための人文』(吉川浩満との共著)

★『資本主義と民主主義』(吉川浩満との共著)

★『続・ゲームの教科書』(馬場保仁との共著)

 

などをそろそろなんとかしたいところ。

 

また、以下の三つの連載もつづきます。

 

★「人文的、あまりに人文的」(吉川浩満と共著、ゲンロンβ)

★「人生がときめく知の技法」(吉川浩満と共著、webちくま)

★「マルジナリアでつかまえて」(『本の雑誌』)

 

このうち「人生がときめく知の技法」と「マルジナリアでつかまえて」は連載終了後、書籍化の予定です。

2018年はこれらに加えて、新たに二つの連載にとりくみます。

その他、文学、人文学、天文学、教育にかかわる企画にも参加して目下それぞれ準備中です。

 

B. 話す

いまのところ予定されている対談・講演は次のとおりです。

★『人文的、あまりに人文的』な、2017年人文書めった斬り!
 日時:01/05(金)19:00-21:30
 場所:ゲンロンカフェ
 相手:斎藤哲也+吉川浩満

 

★安田登さん『能』刊行記念対談
 日時:01/21(日)19:00-21:001
 場所:B&B
 相手:安田登(能楽師)

 

★じんぶん大賞2018関連イベント
 日時:01/24(水)
 場所:紀伊國屋書店新宿本店
 相手:斎藤哲也+吉川浩満

 

C. 教える

教育方面では、ミームデザイン学校(寄藤文平さんとの講義が残り2回)、東京ネットウエイブ別科(高校課程)、よよこーで講義を行います。

 

D. つくる

ゲーム方面では、ひきつづきモブキャストとプロ契約を結んで企画と育成にかんする仕事を進めて参ります。

 

個人的にアイデアをあたためているゲームもこしらえたいのですが、さて、時間をどう捻出できますか。

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服部徹也+山本貴光「来たるべき文学のために ――『文学問題(F+f)+』(幻戯書房)刊行を機に」

過日、夏目漱石『文学論』をご研究の服部徹也さんと、新宿区立漱石山房記念館で対談をしました。

 

「来たるべき文学のために ――『文学問題(F+f)+』(幻戯書房)刊行を機に」と題して『文学論』と拙著について話しあっております。

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服部さんは『文学論』にかんして以下のような論文も発表されており、目下は博士論文の執筆を終えられたところです。

(以下の論文の多くは、下記リンク先でダウンロードできます)

 

・「漱石における「間隔的幻惑」の論理――『文学論』を精読し『野分』に及ぶ――」

・「漱石『文学論』成立の一側面――中川芳太郎筆草稿「第五編 集合Fの差異」を視座として――」

・「帝大生と『文学論』――漱石講義の受講ノート群をめぐって――」

・「《描写論》の臨界点――漱石『文学論』生成における視覚性の問題と『草枕』――」

・「「不都合なる活版屋」騒動からみる漱石『文学論』――単行本の本文異同調査を中心に――」

・「文学の科学への欲望―成仿吾の漱石『文学論』受容における〈微分〉―」

・「『英文学形式論』講義にみる漱石の文学理論構想――「未成市街の廃墟」から消された一区画――」

・「張我軍訳・漱石『文学論』とその時代ーー原著本文異同調査を通した翻訳底本推定を視座にーー」

 

私も『文学問題(F+f)+』を書く過程で、服部さんの論文を発見して、興味ある問題設定と精緻な論の組み立てに触れ、「現代にも『文学論』について、このような研究をしている人がいるのか」とおおいに勇気づけられました。『文学論』についてさらに進んで検討してみたい読者には、いずれもたいへん有益な論文です。

 

そこでこのたび、「週刊読書人」編集部から拙著についての対談をしてはいかがかとお声かけいただいて、真っ先に服部徹也さんのお名前を思い浮かべたのでした。博士論文提出前の大変な時期にもかかわらず、快諾をいただいてこのたびの対談となった次第です。

 

この対談の模様は、12月29日発売の「週刊読書人」2018年1月5日号(12月29日号との合併新年特大号)に掲載予定です。どうぞお楽しみに。

 

 

「エドガー・アラン・ポオ――言葉のUXデザイナーにして魂のハッカー」

赤坂にある書店「双子のライオン堂」から、文芸誌『しししし』が創刊されます。

特集は宮沢賢治。それ以外にも多様な文章が掲載されております。

昨年やはり双子のライオン堂から刊行された文芸誌『草獅子』で始まった荒木優太さんの連載「柄谷行人と埴谷雄高」の第2回も引き続き『しししし』に載っています。

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ひょっとして、毎号誌名を変える遊びだろうかと思ったりしつつ、私も前号(というか『草獅子』)に続いて古典についてのエッセイを寄せました。

今回は「エドガー・アラン・ポオ――言葉のUXデザイナーにして魂のハッカー」と題して、ポオについて書いております。「古典再訪」というコーナーです。

 

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(画像は双子のライオン堂『しししし』公式サイトからリンク)

 

⇒『しししし』公式サイト
 http://shishishishi.liondo.jp/

 

2017年の回顧

 さて、毎度のことで恐縮ですが、書いている当人以外にはほとんど意味のない2017年の仕事のふりかえりをしてみます。わたしにとっては、こんな年でございました。

 

★A. ゲーム

・モブキャストとプロ契約更新 

 2015年半ばから勤めているモブキャストは、引き続きプロ契約を結んでおります。プロ契約とは、勤務時間に縛られず必要に応じてやることをやるというスタイルの働き方のこと。ゲームの企画と人材育成に携わっています。ここには書けないけれど、新しいゲームの企画書などもこしらえました。現場や周囲の動きを眺めていると、ゲーム業界はいま、静かな変革期を迎えているのかなという気がしております(そんなことを言ったらいつでもそうなんですけれど)。

 ゲームについては、2018年に久しぶりに本を書く予定でもあります。

 

★B. 講義(定期)

・東京工芸大学「ゲーム学I」「シリアスゲーム論」

・東京ネットウエイブ別科「クリエイター入門」

・よよこ~「ゲームデザイン」

・ミームデザイン学校「デザインベーシックコース」(寄藤文平さんと講義)

 2016年まで十余年教えに通った東京ネットウエイブの専門課程での講義担当を辞めて、時間的には少しゆとりができるはずだったのですが、なぜかそうなっておらず、どこかに時間泥棒がいるに違いありません。今年4度目の担当となった東京工芸大学での講義も今回を最終回としました。

これまで、一橋大学大学院をはじめ、一橋大学、日本女子大、東京工芸大学で各種科目を担当する機会を頂戴しました。たいへんお世話になりました。

 というわけで、専門学校と大学での非常勤講師はいったんこれでお休みです。教育についてはもちろんのことですが、非常勤講師という制度についてもいろいろ考えるところがありました。この仕事に専従している方は、さぞや大変なのではないかと推察します。それにしても、ものを教えるのは勉強になりますね。 

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(東京工芸大学での「ゲーム学I」の板書より)

 

★C. 講義(単発)

01: 東京大学情報学館ゲストレクチャー(石島裕之さんの講義に吉川浩満くんと参加)

02: 「座・芸夢 第19回 飽きないゲームをつくるには?」(DeNA、2017年03月15日)

03: 基調講演「百学連環の計――発見と発想のための結合術(アルス・コンビナトリア)」(SENQ EVENT #5「Lead Japan Summit 〜先駆者と語る日本の未来〜」 part.2 イノベーションを社会実装する里山都市構想、2017年03月22日)

04: 「子供がゲームにハマるわけ――ゲームの歴史としくみからときほぐす」(田口教育研究所、2017年03月25日)

05: 「知は巡る、知を巡る――西周とまわる日本語の旅」(Tsuwano T-space、2017年07月01日)

06: 審査員:「Dev Battle」第1回(ファリアー@立命館大学)

07: 「好きなことは役に立つ」(よよこー、授業参観、2017年10月15日)

 単発のレクチャーは、2016年に刊行した『「百学連環」を読む』(三省堂)にかんするものとゲームにかんするものが中心でした。 

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(「知は巡る、知を巡る――西周とまわる日本語の旅」の様子/Tsuwano T-space Facebookページから)

★D. 対談

01: 松島倫明+山本貴光「サイエンスのゆくえ」(WIRED on WIRED DX、2017年02月13日)

02: 寄藤文平+山本貴光「渋谷のラジオ」(2017年02月22日)

03: 神田桂一×菊池良×仲俣暁生×山本貴光「僕は・文体模写が・好きだ。」(B&B、2017年06月07日予定)

04: 古賀弘幸×山本貴光トーク&サイン会「文字百景 世界は文字で満ちている! ――書の「文体」の不思議に遊び、考える夕べ」(東京堂書店、2017年06月21日)

05: 馬場保仁+山本貴光「「ゲーム教育トーク――『ゲームの教科書』著者2人が語るゲーム教育の今と未来」(「ゲーム業界 活人研」、Social Game Info、2017年06月28日)

06: 三中信宏+吉川浩満+山本貴光「分ける、つなぐ、で考える」(ゲンロンカフェ、2017年09月01日)

07: 鈴木一誌+山本貴光「ページと文体の力と科学」(青山ブックセンター本店、2017年10月14日)

08: 橋爪大三郎+山本貴光「『正しい本の読み方』刊行を機に」(『週刊読書人』2017年10月27日号掲載)

09: 久保田晃弘×山本貴光×大林寛「因果の再編集のためのデザイン」(『エクリ叢書Ⅰ―デザインの思想、その転回』(オーバーキャスト)刊行記念、B&B、2017年12月09日)

10: 神田桂一×菊池良×仲俣暁生×山本貴光「なぜ『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』は10万部も売れたのか?」(B&B、2017年12月15日)

11: 加島卓+山本貴光「エンブレム問題から考えるデザインの過去と未来」(神楽坂モノガタリ、2017年12月20日)

12: 服部徹也+山本貴光「来たるべき文学のために――『文学問題(F+f)+』刊行を機に」(『週刊読書人』)

 いろいろな機会にお声かけいただき、出不精の人間としては節操なく話した一年でした。お越しくださったみなさま、ありがとうございます。 

 (加島卓さんとの対談の様子/神楽坂モノガタリのツイートより)

★E. インタヴュー

・「フロントランナー」(吉川浩満と共に、「朝日新聞」2017年02月04日)

・「「哲学の劇場」山本貴光×吉川浩満が『未来よ こんにちは』を語る」(リアルサウンド映画部)

 2017年はインタヴューを受けるという新しい経験をしました。誰かからあれこれ自分についてお尋ねいただくのは、なんとも面はゆいことですね。たびたびあることではないと思いお引き受けしたのでした。

・外山滋比古インタヴュー(『週刊読書人』2017年1月13日号 3172号))

・池澤夏樹インタヴュー「人間とは何か」――その手がかりとしての文学」(『池澤夏樹、文学全集を編む』、河出書房新社、2017年09月12日刊行)

 また、二つのインタヴューを担当しました。話を聴くお相手の作物やお仕事をできるだけ網羅的に見てからインタヴューに臨むという方針でやっているわたくしですが、大ヴェテランのお二人の仕事を限られた時間で網羅できるはずもなく。長きにわたって継続的に仕事をしてこられた方の凄みのようなものも感じる時間でした。 

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(池澤夏樹さんへのインタヴューの準備で二つの全集を見直す)

★F. 本

・『文学問題(F+f)+』(幻戯書房、2017年11月22日)

・『メイキング・オブ・文学問題(F+f)+』(幻戯書房、2017年11月22日)

 2017年の最大の仕事はこの本を刊行したことでした。途中、本当に刊行にこぎ着けられるだろうかと思うこともありましたが、本の内容にかんしては編集の中村健太郎さん、溝尻敬さんに助けられて形にできた次第です。

 『「百学連環」を読む』と同様、昔の文物をいまに甦らせる仕事ということもあって、数年では古びないつくりにしたつもりです。敢えて大袈裟に申せば、言葉を使ってなにかをするすべての人にお役に立つ内容だと思います。いつか機会があったらお手にとっていただけると幸いであります。 

 また、投票の締切間際の刊行であったにもかかわらず、紀伊國屋書店じんぶん大賞の5位に選んでいただいて、たいそう驚きました。ありがとうございます。

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(『文学問題(F+f)+』)

★G. 連載

・「人文的、あまりに人文的」(吉川浩満と共著、第9回-第X回、ゲンロン)

・「人生がときめく知の技法」(吉川浩満と共著、第1回-第21回、webちくま)

・「マルジナリアでつかまえて」(『本の雑誌』2017年10月号、本の雑誌社、2017年09月12日)

  2016年から取り組んでいたゲンロンでの連載に加えて、新たに二つの連載を始めました。「人生がときめく知の技法」「マルジナリアでつかまえて」は、いずれ本にする予定です。

 2018年は予定どおりに話が進んだ場合、あと二つ新たに連載を始めます。

 

★H. 寄稿

01: 「楽天市場の「絶望的な使いにくさ」に隠された意図――深読みウェブ散歩」(「現代ビジネス」、講談社、2017年01月25日)

02: 「切れ切れの意識でデジタルゲームの儚さについて考える十の断章」(『ユリイカ』2017年02月号「特集=ソーシャルゲームの現在」、青土社)

03: 「潜在性のデザイン――コンピュータと表現と人間」(『デジタルメディアと日本のグラフィックデザイン その過去と未来』、誠文堂新光社、2017/02/07)

04: 「理論の理論――世界を理解する方法」(『現代思想』2017年03月臨時増刊号「総特集=知のトップランナー50人の美しいセオリー」、青土社、2017年02月14日)

05: 「町田康の10冊/歌って踊ってシミュレーション、それが文芸ちゅうものやね」(『本の雑誌』、本の雑誌社、2017年03月09日)

06: 「誰よりも私のことを知る――「拡張人格」としてのゲームAI」(『世界思想』第44号2017年春号、2017年04月)

07: 書評:國分功一郎『中動態の世界』(医学書院)(「日本経済新聞」2017年04月29日号)

08: 書評:池澤夏樹『キトラ・ボックス』(『新潮』2017年06月号)

09: 「ゲームと人間」(『atプラス』第32号「人間の未来」、太田出版、2017年05月)

10: 書評:松田行正『デザインってなんだろ?』(『週刊読書人』、2017年05月22日)

11: 書評:ジョシュア・ウルフ・シェンク『POWERS OF TWO 二人で一人の天才』(矢羽野薫訳、英治出版)(「日本経済新聞」2017年06月17日号)

12: 書評:ルトガー・ブレグマン『隷属なき道』(文藝春秋)(『週刊現代』07月08日号、講談社)

13: 「宇宙全部入り――玄関から銀河帝国の滅亡まで」(池澤夏樹=個人編集日本文学全集『近現代作家集III』月報、河出書房新社、2017/07/12)

14: 「知の巨人、なれないまでも肩に乗ろう」(『本の雑誌』2017年08月号)

15: 書評:レベッカ・ソルニット『ウォークス――歩くことの精神史』(東辻賢治郎訳、左右社)(『週刊読書人』)

16: 「交遊抄」(『日本経済新聞』)

17: 「記憶のデザインのために――来たるべき知識環境の構想」(『デザインの思想、その転回』、エクリ叢書1、2017/12)

18: 書評:松岡正剛『擬』(春秋社)(「日本経済新聞」2017年11月25日号)

19: アンケート:「2017年の収穫」(『週刊読書人』)

20: 「エドガー・アラン・ポオ――言葉のUXデザイナーにして魂のハッカー」(『しししし』創刊号、双子のライオン堂書店、2017年12月31日)

 これもまたいろいろな機会にご依頼をいただいて文章を書きました。全体の傾向としてはゲーム、書評、デザイン、文学にかんするものが中心でした。

 「現代ビジネス」では、ウェブ批評というずっと気になっておりながら、言葉にしたことのなかった方面に挑戦してみました。これは、もっといろいろなサイトについて行いたいなあと念じつつ、続きを書けずに年が終わりました。

 また、『日本文学全集』の月報への寄稿は、本というモノの姿形が好きな人間にとっては、ちょっとたまらない仕事でした。月報とは、全集類に挟み込まれている一枚から数枚でできた紙片です。「宇宙全部入り――玄関から銀河帝国の滅亡まで」というタイトルも、自分では結構気に入っております(自画自賛)。 

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(國分功一郎『中動態の世界』への書き込み)

★I. 選書

・「100人がこの夏おすすめする一冊2017」(青山ブックセンター本店)

・「名著百選」(ブックファースト新宿店)

・ブックフェア「文学とは感情のハッキングである」(MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店)

・ブックフェア「文学とは感情のハッキングである」(青山ブックセンター六本木店)

・ブックフェア「文学とは感情のハッキングである」(ブックファースト新宿店)

 本を選んでリストをつくるのが大好きなので、ブックフェアや選書のご依頼があると、たいそううれしく、締切までああでもないこうでもないと頭のなかで遊んでおります。 

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(MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店でのブックフェアの様子)

★J. 帯文

・ブレイク・J・ハリス『セガ vs. 任天堂──ゲームの未来を変えた覇権戦争』(仲達志訳、早川書房)

 これもはじめての体験でした。短くズバッと言い切る難しさよ!

 

★K. 翻訳

・スコット・ジョセフ「場所のない言葉」第2回「アルファベットの隙間」(『IDEA』第377号、誠文堂新光社、2017年04月)

・スコット・ジョセフ「場所のない言葉」第3回「第二のことが第一に」(『IDEA』第378号、誠文堂新光社、2017年06月)

・スコット・ジョセフ「場所のない言葉」第4回「言葉のサンプリング」(『IDEA』第379号、誠文堂新光社、2017年09月)

 2016年から始まった連載翻訳が完結しました。 

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(スコット・ジョセフさん風に風景写真を)

★L. その他

 以前に比べると量は減らしていますが、やはりこの十何年かやっている起稿(テープ起こし/トランスクリプション)の仕事もお引き受けしました。人の話に誰よりもよく耳を傾けるこの仕事、何度やってもたいへん勉強になります。

 

 というわけで、だからなんだってなものですが、2017年の仕事を振り返ってみました。今年準備を進めており、来年以降に公開される予定の件については「展望篇」で述べたいと思います。 

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