『ディアブロ』の企画書

デジタルゲーム「ディアブロ」(Blizzard Entertainment、1997)の企画書が公開されているとのこと。

こういう資料はあまり表に出ないだけに、たいへんありがたい。

ゲームの場合、企画書というのは、ゲームをつくり始める最初の段階で書かれる構想のこと。平たくいえば「こんなゲームをつくりたい」というノートです。

とりわけ複数人で進めるゲーム開発の場合、どんなゲームにするかという方針がはっきりしていないと、船が山に登ってしまうので、企画書はたいへん重要です。開発に携わるメンバーたちに、「こういうゲームをつくるんだぜ」と目指す方向を指し示すわけですね。別の見方をすると、企画書がしっかりしていない場合、ゲーム開発の成功確率はぐっと下がります。

 

ゲーム開発にご関心のある向きは、この企画書と実際にリリースされたゲームを比べてみると、いろいろな発見があると思います。

 


千葉俊二『文学のなかの科学』(勉誠出版)書評

「週刊読書人」2018年3月23日号(3232号)に、千葉俊二『文学のなかの科学――なぜ飛行機は「僕」の頭の上を通ったのか』(勉誠出版)の書評を書きました。

同書を「科学アナロジー批評」の試みと読みました。

同書の目次は以下の通り。

はじめに―〈カオスの縁〉の方へ

序章 相似・アナロジー・フラクタル

第Ⅰ部 カオス・フラクタル・アナロジー

・物語の自己組織化―村上春樹『風の歌を聴け』
・【column】〈色彩を持たない多崎つくる〉の物語法則
・なぜ飛行機は「僕」の頭の上を通ったのか―芥川龍之介『歯車』
・震災・カンディード・芥川龍之介
・芥川龍之介と谷崎潤一郎―小説の筋論争をめぐって
・【column】建築と文学―谷崎潤一郎の場合

 

第Ⅱ部 近代文学のなかの科学

・近代小説の力学的構造―夏目漱石『それから』
・【column】文学史のなかの夏目漱石
・語り手の「居所立所」―二葉亭四迷『浮雲』
・【column】不易流行

・附録① 寺田寅彦、石原純宛全集未収録書簡
・科学と文学とのあいだ―寺田寅彦、石原純宛全集未収録書簡をめぐって
・附録② 横光利一「文学と科学」
・横光利一「文学と科学」について
・【column】AI(人工知能)と文学

終章 君なくてあしかりけり

主要参考文献

あとがき 

 

また、「週刊読書人」の一面は対談=髙山文彦+中江有里「暗黒の人類史に革命を――笹川陽平が挑むハンセン病制圧と差別撤廃運動」です。

 

また、同号所収の「対談=土田ヒロミ×アラン・グリースン フクシマを記録/記憶するために 『フクシマ 2011―2017』(みすず書房)刊行を機に」は「週刊読書人ウェブ」でも公開されています。

 

2018年03月25日(日)追記

「週刊読書人ウェブ」で書評が公開されました。

下記からもお読みいただけます。

「歴史上最も影響力の大きな10人の詩人」

「歴史上最も影響力の大きな10人の詩人」というダイアグラムが「My Poetic Side」というサイトに投稿されています(2016/08/24)。

Twitterでお見かけして、ここにもクリップ。

ご覧のように欧米を対象とした調査のようです。

https://mypoeticside.com/wp-content/uploads/2016/08/influential-poets.jpg

⇒My Poetic Side > The 10 most Influential Poets in History
 https://mypoeticside.com/featured/10-most-influential-poets

「人文的、あまりに人文的」第18回

東浩紀さんが編集する「ゲンロンβ23」に、吉川浩満くん(id: clnmn)との対談書評「人文的、あまりに人文的」第18回を寄稿しました。

2016年の「ゲンロンβ2」から連載を開始して、足かけ3年となりました。

毎回2冊の本を選んで、5000字程度でご紹介しております。 

 

「フィクションからノンフィクションを考える」

『STUDIO VOICE』Vol 412(INFASパブリケーションズ)は「Documentary / Non-Fiction 見ようとすれば、見えるのか」という特集号です。

同号の「現代ノンフィクション入門――その変容を捉えるための20の書」というコーナーで本を5冊選んでお話しをしました。

聞き手、構成、執筆を担当したのは、山本ぽてとさん(@YamamotoPotato)です。私がごちゃごちゃと話したことを、すっきり整理してくださっています。

同コーナーでは、他に、チェコ好きさん、えのきどいちろうさん、最相葉月さんが5冊ずつ選んでおられます。都合20冊という次第。

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装いも新たになった『プリンキピア』英訳版

ニュートンの『プリンキピア』英訳版をデザインしなおした版、一目惚れで注文してしまった。まさにこういう本が欲しかったのです。

Visual Editionsから出ているロレンス・スターンの『トリストラム・シャンディ』も同様に手にして眺めるのも楽しく、棚に置いておくのもうれしい造本でした。

手元に置いて繰り返し読みたい本を、こんなふうにデザインしなおした版があるといいなと常々思っています。

この版元では、エウクレイデスやアレクサンダー・フォン・フンボルトの本も刊行予定とか。

Isaac Newton, Principia (translated by Andrew Motte, revised and corrected by N. W. Chittenden, Kronecker Wallis)