2018年マン・ブッカー・インターナショナル賞候補作

文芸界の動向に関するニュースも、ここにクリップして参ろうと思います。

 

マン・ブッカー・インターナショナル賞の候補作。

• Laurent Binet (France), Sam Taylor, The 7th Function of Language (Harvill Secker)

• Javier Cercas (Spain), Frank Wynne, The Impostor (MacLehose Press)

• Virginie Despentes (France), Frank Wynne, Vernon Subutex 1 (MacLehose Press)

• Jenny Erpenbeck (Germany), Susan Bernofsky, Go, Went, Gone (Portobello Books)

• Han Kang (South Korea), Deborah Smith, The White Book (Portobello Books)

• Ariana Harwicz (Argentina), Sarah Moses & Carolina Orloff, Die, My Love (Charco Press)

• László Krasznahorkai (Hungary), John Batki, Ottilie Mulzet & George Szirtes, The World Goes On (Tuskar Rock Press)

• Antonio Muñoz Molina (Spain), Camilo A. Ramirez, Like a Fading Shadow (Tuskar Rock Press)

• Christoph Ransmayr (Austria), Simon Pare, The Flying Mountain (Seagull Books)

• Ahmed Saadawi (Iraq), Jonathan Wright, Frankenstein in Baghdad (Oneworld)

• Olga Tokarczuk (Poland), Jennifer Croft, Flights (Fitzcarraldo Editions)

• Wu Ming-Yi (Taiwan), Darryl Sterk, The Stolen Bicycle (Text Publishing)

• Gabriela Ybarra (Spain), Natasha Wimmer, The Dinner Guest (Harvill Secker)

 

2017年の受賞作は

David Grossman, A Horse Walks Into a Bar (Translated by Jessica Cohen, Jonathan Cape)


⇒The Man Booker Prize > The Man Booker International Prize
 http://themanbookerprize.com/international

「紀伊國屋じんぶん大賞ランキングを見ながら2017年の人文書についてあれこれ語らう会」

はてさて、お知らせだらけで恐縮です。

1月24日に紀伊國屋書店新宿本店で行ったイヴェント「紀伊國屋じんぶん大賞ランキングを見ながら2017年の人文書についてあれこれ語らう会」をもとに編集・構成した鼎談のテキストが同書店のウェブサイトで公開されました。

斎藤哲也さん、吉川浩満くんとともに「紀伊國屋じんぶん大賞」のランキングを眺めながらあれこれお話ししています。

 

 

『アイデア』No. 381に「アイデアNo.379 鈴木一誌特集 刊行記念トークイベント」再録

『アイデア』No. 381(誠文堂新光社)に「アイデアNo.379 鈴木一誌特集 刊行記念トークイベント」が再録されました。 

編集・デザイン:長田年伸

第一回:ページと文体の力と科学
対談:鈴木一誌 × 山本貴光

第二回:本の最終局面へ:編集=デザインのハードコア
対談:鈴木一誌 × 郡淳一郎 × 長田年伸

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(画像は『アイデア』のウェブからリンク)

鈴木さんと私の対談は、「よみもの.com」で全6回に分けて公開されたものです。

鈴木さんと郡淳一郎さん、長田年伸さんとの鼎談は今回の誌面でのみお読みいただけるものかと思います。

 

『アイデア』の特集は「越境の遍歴 田中義久のパースペクティブ」。

例によってたっぷりのヴィジュアルと仕掛けで構成されています。

「マルジナリアでつかまえて」第7回を寄稿しました

『本の雑誌』2018年4月号に「マルジナリアでつかまえて」第7回「試論は続くよどこまでも」を寄稿しました。

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刊行された自著に猛烈な書き込みを施したあの人について書いております。

 

特集は「本格ミステリー一年生!」。

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本の雑誌社といえば、巻頭を飾る名物連載「本棚が見たい!」をまとめた『絶景本棚』が刊行されましたね。

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これはいけません。

本を開いたが最後、棚を眺めて時間を忘れてしまいます。

というか、みなさん棚がきれいに整っていてすごい! どうしたらこんなふうになるのだ!

と思っていたら、こんな魔窟も登場して、ちょっと安心しました。

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この本のいいところは、眺めていると、「なんだ、まだまだ大丈夫じゃん」という安らかな気持ちになれるところです。

 

 

すばる望遠鏡の天体画像

国立天文台が、すばる望遠鏡の天体画像データを閲覧できるヴューワーを公開しました。

いくらでも見ていられるわね、これ……。

すばる望遠鏡に搭載された超広視野主焦点カメラHyper Suprime-Cam(ハイパー・シュプリーム・カム、HSC(注1))が撮影した本格的な天体画像データを、誰でも自由に楽しめる「HSCビューワ」サイトを公開しました。2014年から始まったHSCによる大規模戦略枠プログラム(HSC-SSP)の第1期データ(注2)をご覧になれます。

(下記リンク先から)

 

『學鐙』に「言葉の組立て」を寄稿しました

丸善のPR誌『學鐙』の最新号(第115巻第1号、2018年春号)に寄稿しました。

「組み立てる」という特集に、「言葉の組立て」と題して、文字の組み合わせである言葉の組み合わせである文の組み合わせである文章と読者の組み合わせから生じる出来事について書いたものです。

これはかつて『文体の科学』(新潮社)でいくつかのジャンルの文章を題材に検討し、最近『文学問題(F+f)+』(幻戯書房)で漱石の『文学論』を読み解きながらさらに考えてみた課題に通じるものです。

つまり、人が文章を読むとき、なにが生じているのか、という課題です。

今回の「言葉の組立て」では、フレドリック・ブラウンの短編を題材にしています。

この文章を書きながら、私はプログラムを読み書きするように自然言語を読み書きしているのかもしれない、と改めて思いました。これがどういうことかについては、機会があればまた述べてみたいと思います。

 

⇒『學鐙』
 https://yushodo.maruzen.co.jp/corp/gakuto/index.html

 

新著『高校生のためのゲームで考える人工知能』できました

三宅陽一郎さんとの共著『高校生のための ゲームで考える人工知能』(ちくまプリマー新書296、筑摩書房、2018/03/05発売)ができました。

編集は吉澤麻衣子さん、イラストはしましまいぬさん、装幀はクラフト・エヴィング商會さんです。

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コンピュータ上に知能のように振る舞うキャラクターをつくってしまいたいと本気で考えているマッドプログラマーの三宅陽一郎さんと、デジタルゲームの世界で活躍する人工知能のつくり方やそのために必要な考え方について解説しました。

目次は次のとおりです。

旅のはじめに

第1章 キャラクターに知能を与えよう

第2章 環境のなかで人工知能を動かそう

第3章 メタAIでよき遊び相手を目指す

旅のおわりに

これに加えて六つのコラムを入れてあります。

理解を助けるための図をたくさんご用意しましたので、読みながら、見ながら、考えながら理解を深められると思います。

 

ゲームキャラクターの人工知能をつくるというと、アルゴリズムやプログラムのつくり方に目が行きがちです。でも、ちょっと考えてみるとお分かりのように、ゲームの目的は、なによりも遊ぶ人を楽しませることにあります。

つまり、デジタルゲームの人工知能をつくるということは、プレイヤーを楽しませる仕組みを考えることなのです。ということは、アルゴリズムやプログラムのことばかり考えていても、よいゲームAIはつくれない道理。そう、遊ぶ人間のことを考慮する必要があります。いうなれば、人間のよき遊び相手となるゲームAIをつくるためには、コンピュータやアルゴリズムと並んで、人間についての洞察も重要なのです。

今回の本では、そうした観点も含めて書いてみました。ゲームに限らず、これから先、コンピュータをつかって人を楽しませたり、サーヴィスしたりする場面について考える際にも、本書はお役に立つと思います。

来週3月5日に刊行予定です。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

三宅さんの近著には、『人工知能のための哲学塾』の東洋篇が3月末に予定されています。こちらもたいへん楽しみです。