三宅陽一郎さんとの共著『高校生のための ゲームで考える人工知能』(ちくまプリマー新書296、筑摩書房、2018/03/05発売)ができました。
編集は吉澤麻衣子さん、イラストはしましまいぬさん、装幀はクラフト・エヴィング商會さんです。
コンピュータ上に知能のように振る舞うキャラクターをつくってしまいたいと本気で考えているマッドプログラマーの三宅陽一郎さんと、デジタルゲームの世界で活躍する人工知能のつくり方やそのために必要な考え方について解説しました。
目次は次のとおりです。
旅のはじめに
第1章 キャラクターに知能を与えよう
第2章 環境のなかで人工知能を動かそう
第3章 メタAIでよき遊び相手を目指す
旅のおわりに
これに加えて六つのコラムを入れてあります。
理解を助けるための図をたくさんご用意しましたので、読みながら、見ながら、考えながら理解を深められると思います。
ゲームキャラクターの人工知能をつくるというと、アルゴリズムやプログラムのつくり方に目が行きがちです。でも、ちょっと考えてみるとお分かりのように、ゲームの目的は、なによりも遊ぶ人を楽しませることにあります。
つまり、デジタルゲームの人工知能をつくるということは、プレイヤーを楽しませる仕組みを考えることなのです。ということは、アルゴリズムやプログラムのことばかり考えていても、よいゲームAIはつくれない道理。そう、遊ぶ人間のことを考慮する必要があります。いうなれば、人間のよき遊び相手となるゲームAIをつくるためには、コンピュータやアルゴリズムと並んで、人間についての洞察も重要なのです。
今回の本では、そうした観点も含めて書いてみました。ゲームに限らず、これから先、コンピュータをつかって人を楽しませたり、サーヴィスしたりする場面について考える際にも、本書はお役に立つと思います。
来週3月5日に刊行予定です。
どうぞよろしくお願いいたします。
三宅さんの近著には、『人工知能のための哲学塾』の東洋篇が3月末に予定されています。こちらもたいへん楽しみです。