ここ数年、よよこー(代々木高等学校)のフリースクールで、月に2回ほど、ゲームデザインの講義を担当しております。
従来は同校の生徒を対象として実施していた講座ですが、2018年春から新たに一般向けの講座として開講しております。中高生でなくても、どなたでもご参加いただけます(有料ですが……)。
講座は週末の昼過ぎ、13時半から2時間半。毎回、設定されたテーマにそって、山本がレクチャーを行い、その上で議論をしたり、ご参加のみなさんにお題についてゲームを考えてもらう、といった内容です。
比較的少人数で、毎回予備知識がなくても分かるように組み立てております。また、毎回の講座は独立しておりますので、前回まで参加していたかどうかに関係なくご参加・ご理解いただけます。
ゲームについてじっくり考えてみたい、ゲーム制作について知識や発想を得たいといった方はもちろんのこと、ゲームについてはよく分からないものの興味があるとか、よもやそんな物好きはいらっしゃらないと思いますが、ワタクシと話をしてみたい、といった方にも楽しんでいただけるかと存じます。
ゲームがテーマではありますが、ゲームとは遊びであり、遊ぶのは人間です。したがって人間についての考察が重要であり、文芸や人文学や心理学、認知科学などの話にも関係します。また、ゲームとはルールの束であり、したがってそれは言語の問題でもあります。自然言語を用いた表現、数理的なロジックやアルゴリズム(問題解決法)の問題でもあります。デジタルゲームなら、コンピュータの話であり、そこで用いられる物理学や数学も関わり、通信やもろもろの表現技術、プログラミングも関わります。アナログゲームなら、カードやボードやサイコロといった道具の話でもあり、なによりそうした道具とルールで人はなにをしたくなるか、なにを考え感じるかという話でもあります。
要するになにを申し上げたいかといえば、ゲームというテーマを核としながら、テーマとその日の議論によって、話は百学連環に及びます、という次第をお伝えしたかったのでした。
その一端は、例えば拙訳『ルールズ・オブ・プレイ――ゲームデザインの基礎』(ソフトバンククリエイティブ)や、『世界が変わるプログラム入門』(ちくまプリマー新書)、あるいは三宅陽一郎さんとの共著『高校生のためのゲームで考える人工知能』(ちくまプリマー新書)などをご覧いただくと実感いただけるかもしれません。
そうしたゲームやコンピュータにまつわることと、それとは別系統の『「百学連環」を読む』(三省堂)、『文体の科学』(新潮社)、『文学問題(F+f)+』(幻戯書房)、『脳がわかれば心がわかるか』(吉川浩満との共著、太田出版)といった拙著のテーマとが交わり、つながるような講座でございます。
――と、ちょっとがんばって口上を述べてみました。
2018年6月は、以下のような予定です。
★6月10日(日)13:30-16:00
悔しい状況をつくるには
★6月17日(日)13:30-16:00
楽しい偶然と楽しくない偶然
事務局は、加藤薫先生にお願いしています。
お申込みや詳細は、以下をご覧くださいませ。
加藤先生のブログでは、講座の様子なども綴られております。
どうぞよしなに。