「それでも本を読む理由。」(BRUTUS)

『BRUTUS』2023 1/1・15合併号(マガジンハウス)の「それでも本を読む理由。」特集で、吉川浩満くんと5冊ずつの本を並べて話しています。企画・構成は鳥澤光さん、写真は石渡朋さんです。「あら、出てる」と買って帰ったら、見本が届いておりましてん。

brutus.jp

 

「「情報の歴史21」電子化記念!古今東西同時年表ポータブル」

2022年12月13日(木)の夜、DOMMUNEで開催された「「情報の歴史21」電子化記念!古今東西同時年表ポータブル」というイヴェントに登壇しました。

出演は、武邑光裕(メディア美学者)、宇川直宏(現在美術家、DOMMUNE主宰)
吉村堅樹(『情報の歴史21』編集長)、穂積晴明(『情報の歴史21』デザイナー)のみなさんです。

このたび電子版が発売となった『情報の歴史21』についてあれこれ語るイヴェントです。

私からは、電子版(PDF)に少々手を加えたものをお持ちしてお目にかけました。といっても、まだ入手してからさほど経っていないので、「こんなことができる」という例としていくつかのことをしてみたのでした。

www.dommune.com

『ジョルジュ・カンギレム全集』

VRINから刊行されている『ジョルジュ・カンギレム全集(Œuvres complètes de Georges Canguilhem)』についてのまとめです。リンクはVRINの当該巻のページ。

監修はジャック・ブーヴレス(1940-2021)で、全巻に対する60ページ近い序文(第1巻所収)を寄せています。

(各巻の目次もここに写しておこうと思います。目下は作業中。フランス語のアクサンを入れていない箇所もあります)

Tome I: Écrits philosophiques et politiques (1926-1939), 2011

 

Tome II: Écrits de médecine et de philosophie , 2021

・Introduction, par Anne Fagot-Largeault et Claude Debru

・Le Normal et le Pathologique

・La Connaissance de la Vie

・La Formation du Concept de Réflexe aux XVIIe et XVIIIe Siecles

Tome III: Écrits d’histoire des sciences et d’épistémologie, 2019

Tome IV: Résistance, philosophie biologique et histoire des sciences 1940-1965, 2015

Tome V: Histoire des sciences, épistémologie, commémorations 1966-1995, 2018

★Tome VI: 1904-1995 Un philosophe dans son siecle. Bibliographie critique(未刊)

各巻の裏表紙(表4)に第1巻から第6巻までの書名が掲げられており、これが全巻構成なのだろうと思われます。

 

◼️邦訳

・『生命の認識』(杉山吉弘訳、叢書・ウニベルシタス735、法政大学出版局、2002/04;新装版、2023/02)

・『反射概念の形成 デカルト的生理学の淵源』(金森修訳、叢書・ウニベルシタス264、法政大学出版局、1988)

・『正常と病理』(滝沢武久訳、叢書・ウニベルシタス225、法政大学出版局、1988/12;新装版、2017/01)

・『科学史・科学哲学研究』(金森修監訳、叢書・ウニベルシタス340、法政大学出版局、1991/07;新装版、2012/07)

・『生命科学の歴史 イデオロギーと合理性』(杉山芳久訳、叢書・ウニベルシタス839、法政大学出版局、2006/03)

 

■関連情報

Laurent Loison, "Les Œuvres complètes de Georges Canguilhem", dans Revue d'Histoire des Sciences, 2019/1 (Tome 72), pp. 163-169.

 

対談:礒崎純一+山本貴光「全集、その独特の悦びと愉しみ――国書刊行会創業50周年に寄せて」

『図書新聞』第3568号(2022年11月26日)で、「全集、その独特の悦びと愉しみ――国書刊行会創業50周年に寄せて」と題して国書刊行会前編集局長の礒崎純一さんと対談しました。同号は、毎年恒例の全集・シリーズ特集号です。

 

鼎談:古谷田奈月『フィールダー』をめぐる、ディープ・ダンジョン・ディスカッション

古谷田奈月さんの『フィールダー』(集英社)について、倉本さおりさん、米光一成さんとあれこれおしゃべりをしました。

「古谷田奈月『フィールダー』をめぐる、ディープ・ダンジョン・ディスカッション」と題して、前後編でお送りします。「集英社オンライン」で公開されております。

『フィールダー』は、半ばオンラインゲームについて書かれた小説でもあるのですが、このたびの3名のようなゲーマーや開発者の観点から見ても、唸らされるようなものでした。『フィールダー』の食前酒のようにお楽しみいただけましたら幸いです。

shueisha.online

INSTeMキックオフシンポジウム

2022年11月12日(土)は、吉川浩満くんとともに、INSTeMという新しい組織のキックオフシンポジウムに参加しました。

INSTeMについては、公式ウェブサイトの「INSTeMについて」に説明されています。引用すれば、以下の通りです。

地球温暖化が非常事態の域に達し、新型コロナ禍がいまだ世界を覆い、ロシアによるウクライナ侵攻が長期化し、各国の経済が危機的状況を迎えるなか、私たちは、自分たちがとても複雑な社会のなかにいて、世界のあらゆることがらがたがいに結びつきあっていることを、あらためて強く感じています。

多くの人々が、社会の複雑さや世界の結びつき方をはっきりと理解したいと、それらを踏まえてよりよく生きたいと、願っています。アカデミズムや専門家の本来の役割の一つは、そのための知識を提供することにありました。

ところが現在、そのような求めに対して大学や学会は十分に対応することができず、マスメディアも型にはまった論評しかできておらず、たとえ有用な知識や方策が示されても、それらは瞬く間にSNSの情動のうねりに呑み込まれて、タイムラインを流れ去ってしまいます。

この状況へ一石を投じるべく、2022年7月1日、一般財団法人INSTeMはアカデミズムとジャーナリズムの間、専門知と日常知の間、専門家と非専門家の間、マスメディアとSNSの間、各国や各地域の間に位置し、それらを架橋するような、独立したネクサス(nexus)として出発しました。

「INSTeM」は、“Inter-field Network for Science, Technology and Media Studies”の略称です。

「インステム」と呼んでください。

この組織は、次のことを目指しています。

  • 科学技術社会論、メディア論を2つの目玉としつつ、inter-disciplinary(学際的)で、inter-field(領域横断的)なシンポジウム、出版、ワークショップ、ネットでの情報発信などをおこなう。
  • ハンドリングしやすい適度な規模を維持し、INSTeMならではのユニークな研究と学習の場を生み出す。
  • 英日バイリンガルで活動し、東アジアを中心として「グローカル」に人や組織をネットワークする。

どうかみなさまのお力添えをください。よろしくお願いいたします。

一言でいえば、大学と社会のあいだをさまざまに架橋することを念頭において、あれこれ模索しようというわけです。

 

今回のシンポジウムの概要を、やはり同公式ウェブサイトの当該ページから画像で引用しておきましょう。 

吉川くんと私は、「「知識OS」の仕様書の原案」と題して8分ほどお話しをしたのち、パネルディスカッションに参加しました。下の画像は、プレゼンテーションの際に表示したスライドの表紙です。

 

instem.jp

イヴェント:「世界を変えた書物」展

「世界を変えた書物」展が、金沢21世紀美術館にて開催予定です。

また、特別展示として「手稿の中の宇宙 レオナルド・ダ・ヴィンチを旅する」も併催されます。会期は2022年10月21日から11月6日。

アートディレクションは、白井敬尚さん。私は橋本麻里さんとともに監修で携わっております。

 

www.kanazawa-it.ac.jp