2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

芸術と科学の対話/折衝

★バルテュス+セミール・ゼキ『芸術と脳科学の対話——バルテュスとゼキによる本質的なものの探求』(桑田光平訳、青土社、2007/05、ISBN:4791763394) Balthus + Semir Zeki, Quête de l'essentiel (Les Belles Lettres/Archimbaud, 1995) なんともかみ合わな…

一度くらいは死んで生き返るんだ

ひょっとしたらこれから読もうとしている書物が、これまでにも何度か遭遇した、辛い記憶を自己憐憫で染め上げた〈セカイの中心で怨を叫ぶ〉文章であったらどうしよう、そんな不幸や絶望をきもちよく語る書物であったらどうしよう——長い遺書のようなこの書物…

わずかな首のひねりからはじまる思索

ミシェル・フーコー(Michel Foucault, 1926-1984)の書物の魅力は、めくるめく読書体験をもたらす文章の力とともに、その問いの立て方にあるように思う。ある問いについてめぐらされた思考に触れるとき、第一の関門は読み手がそこで提出されている問いにど…

新書の洪水、怒涛の書評

NBonlineというウェブサイトで「毎日1冊!日刊新書レビュー」という新刊新書書評のコーナーが始まった。 なんの因果か相棒(id:clinamen)ともどもこの書評に書評子として参加することになり、目下以下の2冊の書評を寄せたところ。 ★奥武則『論壇の戦後史——1…