今日明日読む本に困っているわけではない愚生であるのだが、どういうわけか通りを歩いていると、知らぬ間に書物たちが風呂敷に這入ってくるんである。向こうから来るものはしかたがない。来るものは拒まず、去るものは追わず。
書店にて、NHK BOOKSの棚を眺めやると、次の本が目にとまる。
★溝上慎一『現代大学生論――ユニバーシティ・ブルーの風に揺れる』(NHK BOOKS995、日本放送出版協会、2004/04、amazon.co.jp)#0006
頁を繰ると、1960年代から1990年代の大学生の生き方についての分析がなされていて興味を惹かれる。
「戦前期には「学生さん」と称され、世間から威信と尊敬の念を集めた戦前期の少数のエリート学生たち」からどのようにして大学は大衆化して現在のようになったのかを、各種資料の裏づけを交えながら概観する一冊。
序 章 キャンパスライフの実像を求めて
第1章 経済成長下の大学の大衆化―― 一九六〇年代の大学生
第2章 消費文化としての若者文化―― 一九七〇年代〜一九八〇年代の大学生
第3章 現代大学生の生き方とキャンパスライフ―― 一九九〇年代以降
第4章 迫られる生き方の選択と自覚
終 章 大学教育への示唆
著者・溝上慎一(みぞかみ・しんいち, 1970- )には本書のほかにつぎの著作がある。
☆『自己の基礎理論――実証的心理学のパラダイム』(金子書房、1999/10、amazon.co.jp)
☆『大学生の自己と生き方――大学生固有の意味世界に迫る大学生心理学』(ナカニシヤ出版、2001/10、amazon.co.jp)【共著】
☆『大学生論――戦後大学生論の系譜をふまえて』(串崎真志+溝上慎一、ナカニシヤ出版、2001/10、amazon.co.jp)【編著】
☆『学生の学びを支援する大学教育』(東信堂、2004/04、amazon.co.jp)【編集】
なお、著者のサイトは下記。
⇒京都大学 > 高等教育研究開発推進センター > 溝口慎一
http://www.highedu.kyoto-u.ac.jp/mizo.htm