★ピエール・キエ『バシュラールの思想』(篠沢秀夫訳、大修館書店、1976/09、amazon.co.jp)#0137
Pierre Quillet, Bachelard(Seghers, 1964)
ガストン・バシュラール(Gaston Bachelard, 1884-1962)の思想の展開に照準をあわせて解説した書物。巻末に、バシュラールの諸作品からの抜粋集もついている。近年書かれたバシュラールについての本としては、金森修『バシュラール 科学と詩』(現代思想の冒険者たち05、講談社、1996/08、、amazon.co.jp)が、生涯と思想を概観するのに便利。
#つづく
それはそうと、篠沢教授の「あとがき」がおもしろい。大半は刊行が遅れた訳を書いているのだけれど、こんな風に本を推奨している。
これは解説書としては非常に程度のいいものであり、心から一般読者にすすめたいし、頭のいい中学生が読んでくれたらどんなにいいかと思っている。
だからこそ、ボードレールに〔フランスの詩人。/1821-1867*1〕というような割注をつけたのだ。文学愛好者から見れば馬鹿げた注だ。しかしボードレールのボの字も知らない人が読んでくれたっていいではないか。
(同書、pp.317-318)
*1:書物ではこの箇所は二行にわたる割注になっている