これはコルトじゃないけどね、いいの、撃つから
『拳銃は俺のパスポート』(日活, 84min)


監督=野村孝/脚本=山田信夫+永原秀一/原作=藤原審爾/撮影=峰重義/美術=松井敏行/出演=宍戸錠ジェリー藤尾+小林千登勢+嵐寛寿郎杉良太郎


抗争する二つの組織の一方に雇われ、敵対組織のボスを狙撃する上村(宍戸錠)。舎弟の塩崎(ジェリー藤尾)とともに海外への高飛びをもくろむが……って筋を書いちゃァ無粋なのであれですが、錠の華麗なアクションの数々に魅せられながらも、同時に笑いのツボを押されて非常に複雑な感情を触発される一本でした。「♪あいたいぜー」って、ジェリー藤尾の唄も泣かせます。それはそうと、拳銃って走りながら撃ちあってもけっこう当たるものなんですネ。


多勢に無勢の状況に置かれた殺し屋がどんな手で敵を迎え撃つか、というテーマで一冊おもしろい本が書けるのではないか、と思いました。このテーマ、日活アクションとマカロニ・ウェスタンの独壇場でしょうか(そういえば先日観たスナイパー映画『山猫は眠らない』にもそういったシチュエーションが)。


ちなみにタイトルの「拳銃」には「コルト」とルビがふられています。



昨年、めでたく復刊なった『日活アクションの華麗な世界——1954-1971』(未來社、2004/06、amazon.co.jp)〔初出は、『キネマ旬報』1972-1979。後、1981-1982年に三巻本として刊行〕を繙いて、さらに日活アクションの世界に深入りしたいと思います。


⇒日本映画データベース > 『拳銃は俺のパスポート』
 http://www.jmdb.ne.jp/1967/cq000350.htm


⇒日活
 http://www.nikkatsu.com/times/column/natsuka_cinema/img/laputa02/time_table.html


⇒作品メモランダム > 2005/03/04 > 『山猫は眠らない』
 http://d.hatena.ne.jp/yakumoizuru/20050304#p2


⇒キタガワレコード > ジェリー藤尾さんインタヴュー
 http://kitagawarecord.co.jp/jery.html