映画

★荒井晴彦『争議あり——脚本家荒井晴彦全映画論集』(青土社、2005/10、amazon.co.jp) 複数の人間の協働によってつくられる作品では、最終的に出来上がった作品から、個々の参加者の貢献度合いを推し量るのはむつかしい。 私はかつてゲームの開発に携わって…

ここのところ立て続けに興味深い映画書が刊行されている。順にメモランダムを作成していこう(もちろん、映画書以外も)。 ★カレル・チャペック『チャペック映画術』(田才益夫訳、青土社、2005/10、amazon.co.jp) チェコの多才な作家カレル・チャペック(K…

★村井淳志『脚本家・橋本忍の世界』(集英社新書0305F、集英社、2005/08、amazon.co.jp) 日本映画史上、もっとも偉大な脚本家の世界。 『羅生門』『七人の侍』『真昼の暗黒』『私は貝になりたい』『切腹』等、数々の傑作を生みだしてきた脚本家・橋本忍。本…

★『成瀬巳喜男と映画の中の女優たち——生誕百年特別記念出版』(ぴあ、2005/08、amazon.co.jp) 名匠の名作を彩った女優39人。 蔵出しスチール400枚で綴る名匠の世界。 成瀬巳喜男フォトアルバム 成瀬映画のヒロインたち、そのしたたかさとさりげない美…

★阿部嘉昭『成瀬巳喜男——映画の女性性』(河出書房新社、2005/08、amazon.co.jp) 今年生誕100年を迎える、映画監督についての書き下ろし。女性を描くことに定評のあった名匠の映画術を、『浮雲』をはじめ12作品を中心に、さまざまな「映画の女性性」を考察。…

★北野圭介『日本映画はアメリカでどう観られてきたか』(平凡社新書285、平凡社、2005/08、amazon.co.jp) 日本映画は、アメリカでどのような評価を受けてきたのか? そういえば、たまさか個々の批評家や映画監督が日本映画やクロサワやオオシマについて語る…

もう一冊、みすず書房の新刊より。こちらは映画書。 ★田中眞澄『小津安二郎と戦争』(みすず書房、2005/07、amazon.co.jp) 1937年9月―1939年7月、一下士官として中国大陸で従軍。1943年6月には軍報道部映画班としてシンガポールに赴任、終戦の日を同地で迎…

★蓮實重彦+山根貞男編『成瀬巳喜男の世界へ』(リュミエール叢書36、筑摩書房、2005/07、amazon.co.jp) 今年2005年は、映画監督・成瀬巳喜男(1905-1969)の生誕百周年にあたる。この節目を記念した各種特集上映やDVDボックスセット(東宝)のリリースなど…

★『ペドロ・コスタ——世界へのまなざし』(せんだいメディアテーク、2005/03、amazon.co.jp) 2005年3月19日から29日まで、せんだいメディアテークで開催されたイヴェント「ペドロ・コスタ——世界へのまなざし」の冊子。 内容は以下のとおり。 ・蓮實重彦「冒…

★『kihachi——フォービートのアルチザン』(東宝出版事業室、1992/01、amazon.co.jp)#0417 『結婚のすべて』(1958)から『大誘拐——RAINBOW KIDS』(1991)までの詳細なフィルモグラフィを中心に、関係者の言葉、山根貞男氏による「岡本喜八論——雑草と映画的…

★淀川長治『淀川長治のシネマトーク』(マガジンハウス、1999/08、amazon.co.jp)#0400 淀川長治(よどがわ・ながはる, 1909-1998)氏が雑誌『anan』に1989年から1998年にわたって連載した「シネマトーク」から196本を編んだ一冊。見開き二頁ごとに一作品を…

★『CAHIERS DU CINEMA』 Nª 600, AVRIL 2005 #0376 R.W.ファスビンダー(Rainer Werner Fassbinde, 1945-1982)特集。ファスビンダーについてはポンピドゥー・センターにて、特集上映が行われている模様。 ⇒Centre Pompidou > RAINER WERNER FASSBINDER(仏…

★双葉十三郎編『映画講座 第1巻 映画の歴史』(三笠書房、1952/06)#0359 順序が逆になったが、第1巻は「映画の歴史」がテーマ。映画の歴史といっても1952年当時だから、いまの半分強程度の範囲である。 第2巻の「世界の映画理論」が欧米と日本に限定されて…

★上野一郎編『映画講座 第2巻 映画芸術の理論』(三笠書房、1953/04)#0358 三笠書房から出ていた『映画講座』(全4巻)の第2巻は、「映画芸術の理論」と題して、1950年代の時点から世界の映画理論を概観している。 二部構成で、第一部は「世界の映画理論」…

★大野裕之編『チャップリンのために』(とっても便利出版部、2000/11、amazon.co.jp)#0352 ・『ゴダールの肖像』(1997/04; 改訂版、2000/12、amazon.co.jp) ・『マルクスの現在』(1999/04、amazon.co.jp) ・『パゾリーニ・ルネサンス』(2001/06、amazo…

★大野裕之『チャップリン再入門』(生活人新書、NHK、2005/04、amazon.co.jp)#0351 「チャップリンに関しては、いろんな本に出てるので、よっぽど個性的な特別な質問をしなきゃだめだよ」とは、淀川長治(よどがわ・ながはる, 1909-1998)さんのお言葉。か…

★『拳銃は俺のパスポート』(日活, 84min) 監督=野村孝/脚本=山田信夫+永原秀一/原作=藤原審爾/撮影=峰重義/美術=松井敏行/出演=宍戸錠+ジェリー藤尾+小林千登勢+嵐寛寿郎+杉良太郎 抗争する二つの組織の一方に雇われ、敵対組織のボスを狙…

★品田冬樹『ずっと怪獣が好きだった——造形師が語るゴジラの50年』(岩波書店、2005/03、amazon.co.jp)#0330 核実験の影響により巨大な未知の生物が出現し、都市を襲い破壊する。巨体による蹂躙はもちろんのこと、口から放射能火炎を吐くこの怪物に、人類は…

★瀬川裕司+松山文子+奥村賢編『ドイツ・ニューシネマを読む』(Book Cinématèque 10、フィルムアート社、1992/01、amazon.co.jp)#0248 ドイツ・ニューシネマの代表作59本についての解説に、「オーバーハウゼン宣言以後のドイツ映画史」、「ドイツ・ニュー…

★David Bordwell, The Films of CARL-THEODOR DREYER(University of California Press, 1981amazon.co.jp)#0231 デヴィッド・ボードウェル(David Bordwell, 1947- )氏によるドライヤー論。本書の内容とボードウェル氏の書誌については後ほどまとめたい(…

★『映画論叢』10号(樹花舎、amazon.co.jp)#0181 ☆特集=生誕百年も過ぎたから、小津の話でもしよう ・小津安二郎「不敢立向腹」(新発見のエッセイ) ・冬樹薫「《小津安二郎監督特集》の系譜——回想のフィルム・センター」 ・兼松き太郎&渡辺浩「明治のカ…

★高野悦子『シネマ人間紀行』(新潮文庫た38-1、新潮社、1982/04)#0176* 映画を学びにフランス(IDHEC)に留学したことから、岩波ホールの誕生(1968年2月)、エキプ・ド・シネマの創設など、主に興行の側面から映画文化に携わってきた高野悦子氏の半自叙伝。…

★松本侑壬子『映画をつくった女たち――女性監督の100年』(シネマハウス、1996/04、amazon.co.jp)#0175* 世界の女性映画作家を一人あたり数ページをあてて紹介してゆく本。 現在〔1996年――引用者註〕世界には8000人の女性映画監督がいるといわれている。1979…

★石原郁子『女性映画監督の恋』(芳賀書店、2001/08、amazon.co.jp)#0174* 映画評論家石原郁子(いしはら・いくこ, 1953-2002)氏による女性映画監督・作品論。内外の女性映画監督による作品36本についての批評(第一部)と、女性映画監督の現在についての…

★CAHIERS DU CINEMA No.597, Janvier 2005 #0115 表紙は、AVIATORのディカプリオ。 #つづく

★『映画芸術』第54巻第4号通巻409号、2004年秋(編集プロダクション映芸)#0113 ☆特集=2004年秋の映画を襲撃する! おくればせながら。

★松本俊夫『映像の発見――アヴァンギャルドとドキュメンタリー』(三一書房、1963/12)#0107 1958年から1963年にかけて、『読売新聞』『映画批評』『記録映画』『映画芸術』『新日本文学』『現代詩』などに発表した論考を編集した、松本俊夫(まつもと・とし…

★『〈日本製映画〉の読み方 1980-1999』(Cine Lesson 6、フィルムアート社、1999/07、amazon.co.jp)#0104 フィルムアート社の Cine Lesson シリーズ。現代日本映画についてのカタログ的ガイドブック。

★Hélène Puiseux, l'aopcalypse nucléaire et son cinéma(Collection Septième Art, LES ÉDITIONS DU CERF 84, 1987, ISBN=2-204-02740-5) #0103 核戦争(広島・長崎への原爆投下を含む)とそれにかかわる映画の分析を行った映画論。 #つづく

★足立正生『映画/革命』(聞き手=平沢剛、河出書房新社、2003/01、amazon.co.jp)#0102 若松孝二の『時効なし。』(ワイズ出版、2004/12)を読んだからには(cf. http://d.hatena.ne.jp/yakumoizuru/20050115#p2)、足立正生(あだち・まさお, 1939- )の…