★大野裕之編『チャップリンのために』(とっても便利出版部、2000/11、amazon.co.jp)#0352
・『ゴダールの肖像』(1997/04; 改訂版、2000/12、amazon.co.jp)
・『マルクスの現在』(1999/04、amazon.co.jp)
・『パゾリーニ・ルネサンス』(2001/06、amazon.co.jp)
とっても便利出版部が刊行する書物はいずれも啓発的で、それらの書物がとりあげているテーマに関心のある読者には一読の価値あるものばかり。
本書『チャップリンのために』もまたすばらしい一冊。
・大野裕之「はしがき」
★I チャップリンとは誰か
・大野裕之「チャップリン年表」
・淀川長治「わたしのチャップリン」(インタヴュアー=大野裕之+池内美砂)
・澤登翠「チャップリン映画と弁士」(インタヴュアー=大野裕之)
・「喜劇俳優・映画監督たちが語るチャップリン——キートンからゴダールまで」(翻訳・構成=大野裕之)
★II チャーリーとは誰か——チャップリン映画研究入門
・江藤文夫「チャップリンとその仕事」(司会=大野裕之)
・小松弘+千葉伸夫+澤登翠「シンポジウム チャップリンをめぐって」(司会=大野裕之)
・大野裕之「チャップリン映画の生成過程」
★III チャップリン自身のテクストから
・チャップリン「パントマイムとコメディ」(翻訳=山下多恵子)
・「チャップリン:永遠の巨匠によるコメディ解剖学」(インタヴュアー=リチャード=メリーマン、翻訳=山下多恵子)
★付録
・「フィルモグラフィ」(編集・構成=大野裕之)
・大野裕之「BFI所蔵チャップリン・アウトテイクス全内容レジュメ」
・大野幸弘「チャップリンを見る人のために」
・あとがき
・謝辞
・著者紹介
淀川さんのインタヴューから一言、引用しておきたい。インタヴュアーの「若い人達に何かチャップリンについてメッセージをお願いします」との依頼に答えて淀川翁曰く。
若い人達だけに言うわけやない、すべての映画を作る人に言いたいけどね、映画を愛してもらいたいの。自分を愛するんじゃなくて映画を愛してもらいたいの。チャップリンの映画は、自分自身を愛しているような映画やなくて、チャップリンは映画を愛してるのね。