写真は映画『スリ』のDVD
ロベール・ブレッソンとの対話――「すり」について」(岡田真吉訳、『映画評論』1960年6月号、所収)


ジャック・ドニオル=ヴァルクローズとジャン=リュック・ゴダールによるロベール・ブレッソンへのインタヴュー記事。


インタヴュアーのドニオル=ヴァルクローズとゴダールの口調は「です・ます体」で、ブレッソンの口調が「である体」に訳しわけられているのがいま読むとおもしろい。

――『すり』はその主題があなたひとりのものである最初のあなたの作品ですか。


「主題というものが、雲の中から、或いは自分の望むところから落ちて来ようとも、一つの主題で重要なことは、私たちがなんであれそれをつくり上げているかということである。映画作品にとって、主題は私の眼から見れば”映画的な材料”を創造する口実である

(前者がインタヴュアーの言葉で、後者がブレッソンの受け答え。強調は八雲による)


でもときどき急にブレッソンの言葉のなかに「今、準備中です」とか「です」がはいったりしてショッキング。