「描かれる石、描かれない石」

『日経回廊』第9号(日本経済新聞社、非売品)に「描かれる石、描かれない石」というエッセイを寄稿しました。

この号は「石と宝石」という特集で、私はマンガに描かれる石について、マンガその他の図版15点を交えながら6ページほど書いています。

 

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こうした特集などのご依頼というのは本当に面白いもので、執筆テーマをお知らせいただくと、その直前まではついぞ考えてもいなかったようなことについて、脳裏の奥底から関連する記憶が浮かび上がってきます。

今回はマンガに描かれる石についてということで、「そういえば、あのマンガ……」と書棚から本を取り出しては「そうそう、これこれ」と見つけたり、そうして眺めているうちに連想も働いて「あれにも出てくるよな」とたぐったりをしばらく楽しみました。

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自分でもびっくりしたのは、水木しげる先生のマンガなら、間違いなく無数の石が描かれていると思い、『水木しげる漫画大全集』(講談社)を開いたときのこと。

全巻購読中で、部屋の一角に山積みになっている同大全集の書塔のうち、たまさか一等上にあった第93巻「のんのんばあとオレ」を手にとり、ぱっと開いた332ページに、今回も引用した石の話が出ておりました。これはきっと水木先生があの世から……

という話はともかくとして、古くは北斎漫画から最近の『宝石の国』や『プリニウス』までを視野に入れつつ、マンガに描かれる石について思いを巡らせてみました。

なお、この雑誌、書店では売っておりませんで、見てみたい方は山本までお知らせください。

 

追記:

そうそう、石といえば、『太陽王アンドレ・ブルトン』(松本完治訳、エディション・イレーヌ)という本には、アンリ・カルティエ=ブレッソンが熱心に石ひろいをするブルトンの姿をとらえた写真と「石のことば」というブルトンのエセーが載っています。

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