蒐書録#018:『J・G・バラード短編全集4』ほか

『夏目漱石『文学論』論(仮題)』(幻戯書房、近刊)の作業に追われ、来る日も来る日も漱石関連文献の確認をつづけていると、終わりのない作業のように思われてきて、くらくらして参ります。

こういう日々を送っていると、漱石に関係のない本がすべて新鮮に見えるといううれしい(?)副作用もありますのよ。

というわけで、いったい誰がよろこぶのか分からないまま、入手した本(の一部)をご紹介するコーナーを続けております。この間、漱石関連文献も数十冊増えましたが、これは省略してそれ以外の本から。

 

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★レオ・ルーカス『ローダンNEO3 テレポーター』(鵜田良江訳、ハヤカワ文庫SFロ10-3、早川書房、2017/09)

 Leo Lukas, Perry Rhodan Neo Der Teleporter (2011)

 月に一度のお楽しみ。

 

★『J・G・バラード短編全集4』(柳下毅一郎監修、東京創元社、2017/09)

 全5巻の第4冊目。最終巻は2018年1月刊行予定とのこと。先頃完結した国書刊行会の「レム・コレクション」といい、この「J・G・バラード短編全集」といい、彼らの作品を追いかけてきた読者として、たいそう感慨深い企画です。ありがとうございます。バラードの長編も全集の形でまとめていただけると、さらにうれしゅうございます。


★橋爪大三郎『正しい本の読み方』(講談社現代新書2447、講談社、2017/09)

 同書については近くお知らせがございましてよ。

 

★大澤真幸『憎悪と愛の哲学』(角川書店、2017/09)

 NPO東京自由大学での連続講義「社会学の新概念」から二つを選んで書籍化した本。「資本主義の神から無神論の神へ」「憎悪としての愛」の2章から成る。一度ここまでの大澤真幸さんの関心対象の広がりと提示された問いと本をマッピングしてみたいところです。

 

★Caroline Levine, Forms: Whole, Rhythm, Hierarchy, Network (Princeton University Press, 2017 [2015])

 フォルマリズムをはじめ、文学研究の領域で使われてきた「形式(form)」という概念を拡張して、文学作品を読み解くための新たな道具に鍛え直すという趣旨。formという概念だけでも考えることが山ほどありそう。

 

★Paris Review no. 222, Fall 2017 (Farrar Straus Giroux, 2017)

 毎号楽しみにしている文芸誌。詩と小説とインタヴュー。名物のThe Art of Fictionに加えて2号前からThe Art of Editingというインタヴュー・シリーズが始まっている。

 

★Le Magazine Littéraire, No. 583, Septembre 2017, Les Romans de la Rentré

★Le Magazine Littéraire, No. 584, Octobre 2017, Homère: Pourquoi on a besoin de lui

 紀伊國屋書店新宿南店(洋書売り場)を訪れるたび、最新号があると手にする雑誌なのだけれど、今回はどういうわけか9月号と10月号が同時に並んでいたので2冊同時に入手。

 

★『現代思想』第45巻第19号2017年10月号「特集=ロシア革命100年」(青土社、2017/09)

★『ユリイカ』第49巻第18号2017年10月号「特集=大根仁――『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』から『演技者。』『モテキ』『バクマン。』まで」(青土社、2017/09)

 毎号申し上げて恐縮ですが、『現代思想』と『ユリイカ』は月刊誌です。(号数に注目)