★ジェームズ・C・スコット『実践 日々のアナキズム――世界に抗う土着の秩序の作り方』(清水展+日下渉+中溝和弥訳、岩波書店、2017/09)
James C. Scott, Two Cheers for Anarchism: Six Easy Pieces on Autonomy, Dignity, and Meaningful Work and Play (2012)
訳者あとがきでも述べられているように、原題を直訳すれば『アナキズムに万歳二唱――自律、尊厳、そして意味のある仕事と遊び』。他に邦訳された仕事としては『モーラル・エコノミー』(勁草書房)、『ゾミア』(みすず書房)がある。
★山本太郎『抗生物質と人間――マイクロバイオームの危機』(岩波新書新赤版1679、2017/09)
★青山南『60歳からの外国語修業――メキシコに学ぶ』(岩波新書新赤版1678、2017/09)
現在の情報環境のなかで、新書という器はどのように位置付けられるものだろうか、ということを考える宵でした。
★堀真理子『改訂を重ねる『ゴドーを待ちながら』――演出家としてのベケット』(藤原書店、2017/09)
「本人による数百か所の台本改訂と詳細な「演出ノート」――ベケットがアップデートし続けた『ゴドー』の神髄とは何か?」(帯文より) こういう話をもっと読みたい。文学作品の生成研究ではないけれど、作家がどのように自作に手を入れ続けたかという経緯はそれ自体、興味津々。
★宮川公男『統計学の日本史――治国経世への願い』(東京大学出版、2017/09)
学術史のマッピングには欠かせない重要なピースがまた一つ手に入った。トドハンターの統計史も新版が出たようです。
★ヘイドン・ホワイト『メタヒストリー――一九世紀ヨーロッパにおける歴史的想像力』(岩崎稔監訳、作品者、2017/09)
Hayden White, Metahistory: the historical imagination in nineteenth century Europe (1973)
twitterでうっかり作品社さんのアカウントに向けて『メタヒストリー』について述べてしまったために、開いてはならぬ扉を開いたような展開になったのは、もう2014年のことでした。
ヘイッ! ドン! ヘイッ! ドンドン! ヘイッ! ドンドンドン! ヘイッ! ドンドンドンドン! ヘイッ! ドンドンドンドンドン! ヘイッ! ドンドンドンドンドンドン!RT @yakumoizuru 連想して思い出されるのは、ヘイドン・ホワイト『メタヒストリー』邦訳のことですが(略
— 作品社 (@sakuhinsha) 2014年9月8日
今回も現物をこの目で見るまでは、と東京堂書店を訪れた機会に哲学思想書の棚を見ると……「ない」。おお、やはりみなが出たと言っていたのはなにかも間違いか、私が見たつかの間の幻だったのか、と諦めかけていたところ、歴史書コーナーにありました。
と、どうでもよろしい与太話はともかくとして、訳者のみなさま、作品社のみなさま、たいへんおつかれさまでした。ありがとうございます。さあ、予告されながらまだ出ていない次の名著は、と。(自分も翻訳のお約束を2件お待たせしているのでやや危険なコメント)
★『日経サイエンス』第47巻第11号通巻557号2017年11月号「特集=記憶――過去を変える実験」(日経サイエンス社)
★岩波文庫編集部編『岩波文庫解説総目録 1927-2016』(岩波書店、2017/09)
創刊90周年を迎えた岩波文庫。これまで約6000冊を刊行とのこと。これを機に、改めて蔵書を確認し直そう。