『日経サイエンス』2018年10月号(日経サイエンス社)の特集「科学書に見る知の源流」でお話ししました。
(画像は日経サイエンスのウェブからリンク)
これは、9月に開催予定の「世界を変えた書物」展(上野の森美術館)に関する特集です。
同展は、金沢工業大学の「工学の曙文庫」という、15世紀以降の工学と科学に関する貴重書のコレクション二千余冊から、130冊ほどを選んで展示する企画であります。
(画像は日経サイエンスのツイートからリンク)
『日経サイエンス』の特集はこんな内容です。
・「「プリンキピア」を読み解く」山口敦史(金沢工業大学)
・「科学はいかに生まれたか」(インタヴュー)
・坂本邦暢(明治大学)/聴き手=橋本麻里
・山本貴光(文筆家/ゲーム作家)/聴き手=石戸諭
・D. ドイチュ(英オックスフォード大学)/聴き手=古田彩
「科学はいかに生まれたか」のコーナーは、「世界を変えた書物」展に出展される本から1冊を選んで話すという趣旨でした。
坂本さんはケプラーについて、ドイチュさんはニュートンについてお話ししています。私は、デカルトの『哲学原理(Principia Philosophiae)』(1644)を選びました。同書は、タイトルだけ見ると、科学となんの関係があるのか、いまではすっかり分かりづらくなっておりますが、人はどこまでなにを知ることができるのかという認識論を含む、哲学と自然学の書なのでした。
インタヴュアーとして話を聴き、記事にまとめてくださったのは、『リスクと生きる、死者と生きる』(亜紀書房、2017)の著者でもある石戸諭さんです。
『日経サイエンス』は、毎号熟読している愛読誌でもあり、その誌面に登場できるのは、とても光栄でうれしく思います。
これを機に、同誌に科学史のコーナーができたりするといいな、と勝手に空想したりもしております。例えば、「工学の曙文庫」の本を毎号1冊ずつ紹介していくとか。でも、それだと年に12冊しか紹介できないから、完結まで160年以上かかるのか……。